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EDIFIER W260NC |
発売日 |
2024年4月26日 |
価格 (発売時) |
11,990円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
ANC OFF 8時間/32時間 |
コーデック |
SBC/AAC/LDAC
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ドライバー |
10mmダイナミックドライバー + 6mmダイナミックドライバー |
防水性能 |
IP54 |
Bluetooth Ver. |
5.3 |
機能 |
ノイズキャンセリング・外音取り込み機能・マルチポイント・低遅延モード・イコライザー・着脱検知・専用アプリ・急速充電(15分→2時間) |
資料 |
公式サイト / 説明書
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- 抜けの良い音で軽やかなボーカルが楽しめる
- 多機能(ノイキャン・マルチポイント・装着検出機能etc...)
- イヤホン・ケース共にシボ加工されていて指紋や傷が目立たない
- 操作を割り当てられる箇所が少ない
- 装着検出の誤検知が気になる
こんにちは、猫居です。
今回レビューするのはEDIFIERの完全ワイヤレスイヤホン、W260NC。
デュアルドライバー搭載のミドルクラスTWSとなります。
ノイズキャンセリング機能やマルチポイントにも対応しており、スペック的には非常に魅力的なイヤホンです。
今回も先に総評を紹介します。
より詳細な内容は目次以降をご覧ください。
本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
総評 |
8.5/10点
ボーカル重視で聴きたい方におすすめのイヤホンです。 デュアルドライバーでゴリゴリ鳴らすというよりは余裕を持って鳴らすタイプで、抜けの良さ・ボーカルの軽やかさはこの価格帯では中々無いタイプ。小気味よい低音とキレの良い高音も相まって軽やかな聴き心地を味わえます。 ノイズキャンセリングは上位機のNeoBuds Pro 2と比べるとだいぶ見劣りしますが、実用レベルの消音力。 外音取り込みや装着感も一定以上の水準にあり、ある程度まとまった総合力のTWSといえます。 EDIFIER産ならセール機会も多いことでしょうから、値下がったタイミングでは中々のコスパイヤホンとなりそうです。 あとは使い勝手の部分で結構細かいクセがあるので、詳しくは記事後半の注意点の項目をご覧いただきたいです。
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音質 |
8.2/10 |
便利機能 |
SABCD |
ノイキャン |
8/10 |
携帯性 |
SABCD |
外音取り込み |
8.5/10 |
操作性 |
SABCD |
装着感 |
8.5/10 |
通話性能 |
SABCD |
EDIFIER W260NCとは
https://www.edifier.jp/products/w260nc
『特徴』
音質面のアピールポイント
・同軸デュアルダイナミックドライバー搭載:10mmウーファーと6mmツイーターという2つのドライバーを平行軸上に配置。鮮明なボーカルとダイナミックな低音を両立。
・ハイレゾワイヤレス認定:LDACでハイレゾ相当の再生が可能。
機能面のアピールポイント
・-45dBに達するハイブリッド アクティブノイズ キャンセリング技術により、静かな環境が生み出され、音楽に完全に浸ることができる。
・合計6つのマイクが正確な音声ピックアップとノイズフィルタリングを実現し、クリアな通話を保証。
・2台同時接続可能なマルチポイントに対応。
音質関係では多ドラにハイレゾ対応。
機能面ではノイキャン・マルチポイント・低遅延モードなど。
欲しい機能はほとんど全部入っていると言えます。
EDIFIER W260NCの外観・付属品チェック
イヤホン本体
タッチセンサー式。
スティック部分にシボ加工がされています。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
イヤホンケース
15分の充電で2時間再生可能な急速充電に対応。
ケースにもシボ加工されています。指紋や傷が目立ちにくく良いです。
イヤホンを取り出す時に指をいれるスペースが狭く、少し取り出しにくいのがデメリットといえます。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- ユーザーガイド
EDIFIER W260NC 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ |
縦:51.0mm 横:60.0mm 高さ:25.7mm 三辺合計:136.7mm |
重さ |
イヤホン:5.0g ケース:40.0g |
手のひらで握れるくらいの比較的コンパクトなケースです。
シボ加工のおかげで滑りにくいこともあって手に馴染みます。
イヤホンは重さ・サイズ共に標準的。
(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
遅延測定結果
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Android・PC その他 |
iPhone |
通常時 |
230ms(SBC) 253ms(AAC) 243ms(LDAC) |
253ms(AAC) |
低遅延時 |
134ms(SBC) 254ms(AAC) 244ms(LDAC) |
254ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時の最小遅延=約0.134秒
- iPhone接続時の最小遅延=約0.253秒
アプリまたはイヤホン操作で低遅延となるゲームモードに切り替えることが出来ます。
Androidでは音ゲー以外のゲームや動画視聴には問題ないくらいの遅延です。
iPhoneではYoutubeやNetflixなどのアプリ側で遅延を補正してくれるものは動画視聴も問題ありませんが、ゲームは厳しいでしょう。
また、注意点が1つ。
EDIFIER NeoBuds Pro 2もそうでしたが、SBC以外のコーデックではゲームモードの効果が得られませんでした。
低遅延で使いたいときはアプリでLDACモードをOFFにするなどしてSBC接続にしてから使うと良いです。
iPhoneの場合はAACで固定されるのでゲームモードにする意味は実質無いでしょう。
交換イヤーピース対応表
多くのイヤーピースが入ります。
COREIRはちょっとぎゅっと押し込む感じになりますが、蓋は普通に閉まります。
EDIFIER W260NC 詳細レビュー
音質評価:軽やかなボーカルが心地良い
イコライザーはプリセットのみでカスタムEQはありません
デュアルドライバーでゴリゴリに鳴らすのかと思いきや、ほどよく力の抜けた余裕を感じさせる音になっています。
ややウォーム寄りで中音にボリュームのあるサウンドです。
EDIFIERのハイエンドTWS、NeoBuds Pro 2のようなドンシャリサウンドではありません。
抜けの良い音で、軽やかにボーカルを楽しめます。
適度な量感の低音は小気味良くキレがあり、高音もハキハキと鳴ります。
どちらも刺激的になりすぎないくらいのバランス。
ボーカルは他の音より一歩前の立ち位置で存在感があり表現力も高いです。
ハイエンドのNeoBuds Pro 2と比べると、高音の解像度や明瞭感・重低音では劣ります。
ですが、そもそも音の傾向がだいぶ違うので好みで選ぶと良さそうです。
ドンシャリが好きという方はNeoBuds Pro 2、逆にドンシャリが苦手という方にはW260NCの方が合うでしょう。
刺激的な音よりも爽やかなサウンドを好む方、ボーカル重視で聴きたい方に合うイヤホンかなと思います。
ノイズキャンセリング機能の比較:ハイエンドとの差は明確に感じる
ノイキャンは強・弱・風切音低減モードの3種類
ノイズキャンセリングの強さは実用レベルにあり、低音ノイズを中心にかなり騒音を抑えてくれます。
ただ、非常に強力なノイキャンを搭載しているNeoBuds Pro 2と比べると明確な差を感じます。
NeoBuds Pro 2では電車の騒音などの非常に大きなノイズも効果的に抑えてくれますが、W260NCだとある程度抑えてくれるくらいの効き目。
同じデュアルドライバー搭載のノイキャンW240TN(-38dB)と比べると多少中音・高音ノイズのカット率があがっているかなぁというくらいですね。
(参考:EDIFIER W260NCのノイズキャンセリングを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度比較表)
外音取り込み機能の評価:違和感少なめで使いやすいけれども
外音を取り込む量を-3~+3まで調整できますが…
イヤホンをしていないときと比べて音量は85%くらいの取り込み具合。
サーというマイクで取り込んだときのノイズもほとんど入らず使いやすいです。
イヤホンをしたままの会話でも相手が小声でなければ充分使えると思います。
ただ、アプリで外音取り込み量を7段階調整できるのですが…
-3から+3まで動かしてもそれほど大きな変化はないですね。
劇的に外音を取り込む量が増えたり減ったりということはないと感じました。
装着感評価:スティック型らしい安定感
装着時の見た目
圧迫感を余り感じない軽いつけ心地。
スティック型なので装着時の安定感もあり、快適度は高いです。
長時間着けっぱなしでも耳の疲れはあまり感じませんでした。
一昔前のW240TNと比べると圧迫感が全然違っていて、音質やノイキャンだけでなく装着感もどんどん進化しているのを実感します。
マイク性能・通話品質:
通話の音声はかなりクリアです。
ボソボソ喋りでも全然聞こえるくらいはっきりと届いていました。
声が乱れること無く周囲のノイズも軽減してくれます。
ただ、風切音には弱め。
風がもろに当たると声も乱れてしまいました。
強風時以外はかなり快適に使える印象です。
操作方法と操作性評価:
操作の割り当ては2タップ・3タップのみ可能
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L側 |
R側 |
1タップ |
- |
- |
2タップ |
サウンドコントロール |
再生/停止 |
3タップ |
ゲームモード |
曲送り |
長押し |
- |
- |
アプリから操作方法をカスタマイズ出来ます。
ただ、2タップと3タップにしか割り当てできないので選択肢はかなり限られます。
ゲームモードはアプリから操作すると割り切って【再生/停止・曲送り・曲戻し・ノイズコントロール】の4つを割り当てるのが良いかなぁと個人的には思いますが…
長押しと1タップにも割り当てできるようにしてほしいところですね。
ノイズコントロールの切り替えパターンを選択可能
専用アプリ【EDIFIER ConneX】の主な機能
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- イコライザー
- ゲームモード
- 操作カスタマイズ
- 装着検出 ON/OFF*
- マルチポイントのON/OFF
- LDACのON/OFF
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
設定画面
装着検出 ON/OFF*
イヤホンを着けた時に音楽を自動再生するかどうかも選べます
使って気付いた注意点
装着検出は誤検知が気になる
デフォルトではイヤホンを外すと曲を自動停止し、装着すると音楽の再生を再開してくれるようになっています。
しかし、装着検出の精度に問題があり、イヤホンをテーブルに置いただけで装着状態と判断されて勝手に再生が再開されてしまいます。
NeoBuds Pro 2ではこういったことは起きないのですが…。
アプリで装着検出を【無効】にするか、【イヤホンを外すと一時停止し装着しても再生しない】にしたほうが良いかもしれません。
ゲームモードはSBC接続で使用を
SBC以外のコーデックではゲームモードの効果が感じられませんでした。
ゲームをする際などはSBC接続してからゲームモードにすると良いです。
マルチポイントとLDACは併用不可
マルチポイントとLDACを併用することはできません。
デフォルトではマルチポイントがONになっていてLDACはOFFだったと思います。
ハイレゾで聴きたい場合はマルチポイントをOFFにしましょう。
マルチポイントは割り込み不可
マルチポイントの挙動について。
端末Aで音を再生中に端末Bで音を出しても自動では切り替わりませんでした。
端末Aの音を止めてから端末Bで音を出す必要があります。
EDIFIER W260NC 総評
メイン機能評価
音質 |
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8.2/10 |
ノイキャン |
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8/10 |
外音取り込み |
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8.5/10 |
装着感 |
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8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 |
S・A・B・C・D |
携帯性 |
S・A・B・C・D |
便利機能 |
S・A・B・C・D |
通話品質 |
S・A・B・C・D |
総評:8.5/10
EDIFIER W260NCは軽やかな効き心地のボーカル重視の完全ワイヤレスイヤホンといえます。
どの機能も一定以上の水準にあり、シボ加工されたイヤホンケースも好感触。
相変わらずというかなんというか、EDIFIERらしいクセの強さも健在なのですが、セールで安くなったときには1つ下の価格帯のTWSを脅かす存在となりそうです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。