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TWSコレクターによるイヤホン/ヘッドホン レビューブログ

【Anker Soundcore Liberty 4 レビュー】Liberty 3 Pro・Space A40等と聴き比べ。その違いをチェックします

Author:猫居こうた

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Anker Soundcore Liberty 4 Review

  • 深みのある低音は迫力充分
  • ヘッドトラッキングで臨場感ある3Dサウンド
  • LDAC・ANC・マルチポイント‥全部入りの高機能
  • 高音の刺さりがやや気になる(HearIDで補正可)
総合評価
 
9/10

更新日:2024年4月4日 最新の基準に合わせて総合評価を修正

TWSコレクターの猫居です。

今回レビューするのはAnkerの完全ワイヤレスイヤホン、Soundcore Liberty 4。

Anker史上最高傑作を謳う本作。

ノイズキャンセリング機能搭載で2台同時接続可能なマルチポイントに対応。

ワイヤレスでもハイレゾ相当の再生が可能なLDACにも対応しています。

これだけで全部入りの高機能TWSといえますが、さらにヘッドトラッキングを利用した空間オーディオ機能も搭載。

心拍モニタリングなどのワークアウト機能まで追加されています。

機能的にはたしかにAnker史上最高、それどころか全完全ワイヤレスイヤホンの中まで最高かもしれません。

AnkerハイエンドモデルのLiberty 3 Proや9月に出たばかりのSpace A40と比較してその違いをチェックしていきます。

Anker Soundcore Liberty 4の外観チェック

イヤホン本体

コンパクトで値段の割に高級感ある造りです

gif動画で雰囲気をチェック

イヤホンケース

ケースもハイエンドモデルのLiberty 3 Proに近い質感で高級感あり

前作Liberty Air 2 Proとのサイズ感比較

前作と比較するとサイズ・質感ともに大幅に進化しているのがわかります

付属品

付属品リスト

  • イヤーピース
  • 充電用ケーブル
  • 説明書類

Anker Soundcore Liberty 4のスペックと測定結果

Liberty 4・Liberty 3 Pro・Space A40のスペック比較表

  Liberty 4 Liberty 3 Pro Space A40
価格 14,990円 17,800円 12,990円
連続再生時間 9時間
28時間(ケース込)
8時間
32時間(ケース込)
10時間
50時間(ケース込)
コーデック SBC・AAC・LDAC SBC・AAC・LDAC SBC・AAC・LDAC
防水性能 IPX4 IPX4 IPX4
ノイキャン
マルチポイント
専用アプリ
低遅延モード
ワークアウト機能
空間オーディオ
ヘッドトラッキング機能

簡易的な機能

Anker上位機種3つの比較です。

Liberty 4はLiberty 3 Proより安くて高機能。

質感は同等なのでスペックと外見だけみるとお得感があります。

Anker上位機種で低遅延モードはSpace A40のみ。

ゲームでも使いたいならSpace A40がいいかもしれません。

ヘッドトラッキングとワークアウト機能は現時点ではLiberty 4のみの機能なのでこの部分に惹かれたならLiberty 4ですね。

重さ・サイズ実測値

見た目のコンパクトの割に前作Liberty Air 2 Proと同じくらいの重量
平均的な重さですね
ケースサイズ 縦:55.8mm
横:57.9mm
高さ:28.1mm
重さ イヤホン:5.8g
ケース:43.1g

遅延測定結果

  • SBC=279ms

100ms=0.1秒です。

この測定環境では有線イヤホンで50msほど遅延を観測します。

なので結果から-50msすると実態に近い数値となると思われます。

約0.2秒の遅延です。

Youtubeなどアプリ側である程度リップシンクしてくれるものは動画視聴も問題ないでしょう。

ゲームをするのはちょっと厳しいかなという感じです。

LDAC接続しても遅延はSBC時とほぼ変わりませんでした。

交換イヤーピースは使用不可

楕円形フォルムのため通常の互換イヤーピースは入りません。

ただ今回付属しているCloudComfort イヤーチップというAnker独自開発のイヤーチップがかなり高性能。

付属のもので充分満足できるんじゃないかと思います。

【比較レビュー】Soundcore Liberty 4をLiberty 3 Pro・Space A40と聴き比べ

音質評価

Anker独自開発のドライバー構造A.C.A.A(同軸音響構造)が3.0にバージョンアップしています。

AnkerハイエンドモデルのLiberty 3 ProはKnowles社製のバランスドアーマチュアドライバーとダイナミックドライバーのハイブリッドドライバー仕様でした。

今作はダイナミックドライバーが2基のデュアルドライバー仕様のようです。

まずHearIDで音質調整していない状態で聴き比べします。

低音の量感が多く重低音もよく出ます。

Ankerらしいドンシャリサウンドです。

少し高音が刺さり気味なのが気になります。

Liberty Air 2 Proとの比較

前作Liberty Air 2 Proと聴き比べると低音の迫力が増し、音場感もUP。

順当な進化を感じられます。

Liberty 3 Proとの比較

Liberty 3 Proとは音の傾向がかなり違います。

Liberty 4はLiberty 3 Proと比べるとウォーム寄りな音でだいぶ角が取れたような印象。

Liberty 3 Proはキンキンな音で過剰なほど派手にドンシャリです。

これがオーディオ的評価はさておき中々ジャンキーな音でして‥

この音にハマった人はLiberty 4だと(というよりは他のほとんどのイヤホンが)物足りないと感じる可能性があります。

この点には注意されたし。

Space A40との比較

Space A40と聴き比べると中音域のボリューム・明瞭感がA40のほうが優れています。

低音はLiberty 4のほうが出ますね。

ノリの良さという点ではLiberty 4の方が良いでしょうか。

バランス的には僕としてはSpace A40の方が好みです。

HearIDによる音の変化

ここまでの比較、デフォルトだとパッとしない感想に映るのではないでしょうか。

しかし確度があがったHearIDで補正を入れるとかなりいい感じになります。

HearIDの詳細については後述します。

(簡単に言うと聴力測定し自分好みの音にイコライザー設定してくれる機能です)

中音域のボリューム・明瞭感が増して、刺さりが気になる高音域は少し下げる調整がなされました。

これが非常に収まりがよく、自分の手持ちだとJBLのLIVE FREE 2に近いような明瞭感ある元気系サウンドに。

音質評価はデフォルトだと7.5・HearID込だと8.0といった感じかなと。

値段帯上位に入る音質です。

ウルトラノイズキャンセリング2.0の効き目

環境音に応じてノイキャン強度を自動調整してくれます
手動で強度を設定することも可能です

Liberty 4のノイズキャンセリングは低音は強力に消音。

ノイキャンがききにくい中音・高音もある程度遠ざけてくれます。

効果は確実に実感できるレベルです。

Liberty 4になってノイキャンのパワーアップを期待していましたが、よくみるとウルトラノイズキャンセリング2.0で表記はバージョンアップしていないんですよね。

同じウルトラノイズキャンセリング2.0のLiberty 3 Proと使い比べてみてもやはり効果は同等です。

ただ、Liberty 3 Proのノイキャンは1万円台の完全ワイヤレスイヤホンの中では上位に入るノイキャン。

(参考:ノイズキャンセリングイヤホンのおすすめと最強がわかる比較ランキング)

Liberty 4はそれよりさらに安価で同等のノイキャンとなのでかなり優秀といえます。

外音取り込み機能は2種類:音声フォーカスと通常モード

デフォルトでは音声フォーカスになっています

人の声にフォーカスして外音を取り込む音声フォーカスモードと全ての音を拾う通常モードがあります。

外音の取り込み量は充分。

アナウンスや人の声をイヤホンをしたまま聞けます。

しかしマイクで拾った感といいますか、高音がややカサつく感じは前作から改善されていません。

従来どおりの性能。

機能としては充分、外音取り込みっぱなしの「ながら聴き」には違和感を感じるという評価です。

軽さとフィット性を両立した装着感

装着感はLiberty 3 Proや同じスティックタイプのLiberty Air 2 Proと比べてかなり良くなりました。

添えるだけに近い感覚で充分に安定するので装着感はかなり軽いです。

イヤホンがコンパクトになったこともありますが、独自開発のCloudComfort イヤーチップの影響も大きいのかもしれません。

圧迫感が減り、フィット感も向上しています。

アプリでフィットネス系の機能があるので装着感は重要な要素でしたが、運動に使っても問題ないレベルで安定します。

(防水性能も汗が大丈夫なIPX4)

マイク性能は充分。クリアな通話が可能

Ankerイヤホンのスティック型のTWSはどれもマイク性能が高め。

ご多分に漏れずLiberty 4も通話のレベルは高いです。

周囲のノイズを軽減し、人の声はキレイに違和感なく聞こえます。

マルチポイントでPC・スマホの2台同時接続も可能なので仕事で使いたい場合にも活躍することでしょう。

Soundcore Liberty 4の新機能に関するレビュー

AirPods Pro 2のような操作性と空間オーディオ機能が面白い

摘むとクリック反応する疑似物理ボタン方式

タッチセンサーがAirPods Pro 2と同じ疑似物理ボタン方式となっています。

スティック部分をつまんでやると「カチッ」と効果音がなってクリック反応したことがわかります。

実際に押し込むボタンがあるわけではないので物理ボタンほど力を入れる必要はありません。

タッチセンサーのデメリットである誤操作がなくなり、快適に操作可能です。

AirPods Pro 2で気に入っている機能だったので嬉しい変更でした。

ヘッドトラッキングはちゃんと機能!臨場感がしっかり感じられる

AirPods Pro 2の売りの一つであるヘッドトラッキング機能を使った空間オーディオにも対応しています。

Liberty 3 Proの空間オーディオは簡易的な機能でちょっと音場感が広がるかな?くらいの効果でした。

それに比べてLiberty 4の空間オーディオは臨場感が違います。

ジャイロセンサーを使用したヘッドトラッキングの精度は充分。

音像がはっきりとわかります。

ヘッドトラッキングをONにすると音像が正面に固定されます。

例えば横を向けば横から音が聞こえ、後ろを向けば後頭部から音が聴こえます。

これにより音の立体感がグンとアップします。

距離感や判定が少しAirPods Pro 2に劣るところはあるもののかなり臨場感あるサウンドが楽しめます。

Liberty 4ならiPhoneだけでなくAndroidでもこれが楽しめるというのが大きなメリットです。

心拍モニタリングの精度はある程度信用できそう(Fitbit Versa3との比較)

軽い運動中
左:Fitbitの数値 右:Liberty 4の数値

Liberty 4から新しく搭載されたワークアウト機能。

たまたま普段からフィットネス機能のあるFitbit Versa3をつけているのでこれと心拍モニタリングの数値を比較してみました。

通常時でも運動時でも概ね1~4程度数字の誤差はあるようですが、その範囲に収まっています。

これはかなり使えるんじゃないでしょうか。

運動時、時計型のFitbitではこまめに時計の画面を確認することで自分の状態を確認します。

Liberty 4じゃそれはできないじゃないかと思っていましたが‥

イヤホンから流れる音声案内がその役目を担っています。

例えばジョギング中に目標心拍数に届いていないと

『現在の数値は○○です、もう少し速度をあげましょう』

といった感じで指示を出してくれます。

これまでワークアウトの管理にはスマートウォッチが必需品でした。

しかしLiberty 4があればイヤホンだけでもある程度その役割を賄えそうです。

Liberty 4で使える専用アプリ【Soundcore】の主な機能

アプリホーム画面

ここまでで紹介していない専用アプリの機能について解説します。

HearID

これまでのHearIDは聴覚テストをして聞こえていない音を補う機能でした。

これがバージョンアップして聴覚テスト+好みのサウンド判定テストの2段構えになりました。

先に聴覚テストをし、

好みのサウンドパターンを選択していきます

すると最適なイコライザー設定が出力されるというわけです
個人的にはかなり良い補正が入ったと感じました

多機能イコライザー

22個のプリセットが用意されています
カスタム設定も可能です


ワークアウト機能

ワークアウト機能を使うにはログインが必要
自分はAmazonのアカウントでログインしました

ワークアウトホーム画面
ストレス検知なども出来ます

Anker Soundcore Liberty 4の使い方と注意点

ペアリング方法

初回ペアリングはケースを開けるだけで開始されます



 

Bluetooth設定画面からLiberty 4を選択すれば完了です
マルチポイント接続方法

専用アプリの設定画面を開き、

マルチポイント接続を選択すればOKです

リセット方法

イヤホンをケースに収納した状態でケースを開け、ケースのボタンを10秒間長押し

充電方法

Qi規格のワイヤレス充電にも対応

付属の充電用ケーブルで充電できます。

15分の充電で3時間再生可能な急速充電可。

その他、Qi規格のワイヤレス充電にも対応しています。

(Qi規格の充電パッドは別売り)

操作方法

  L側 R側
1クリック 再生/停止 再生/停止
2クリック モード切替 モード切替
3クリック 曲送り 曲戻し

専用アプリから操作方法を自由に設定可能です。

デフォルトでは再生/停止とモード切替が左右両方に入っています。

これを1つずつ削って音量のUP/DOWNにすればすべての操作をイヤホンから行えます。

注意点1:LDACを利用するのは専用アプリからアップデートが必要

LDAC接続するには専用アプリからアップデートが必要です

注意点2:LDAC利用中はマルチポイントはできない

LDAC接続中はマルチポイントは利用できません

メリット・デメリットのまとめ

Anker Soundcore Liberty 4を選ぶメリット

深みのある低音は迫力充分

Ankerイヤホンは低音に迫力のあるイヤホンが多いです。

Liberty 4の低音は迫力を出しつつ破綻しないバランス感覚があり、歴代Libertyシリーズの中でも個人的にはかなり好みです。

Space A40の低音が物足りない!と感じた人はこちらを選ぶと良いでしょう。

ヘッドトラッキングで臨場感ある3Dサウンド

空間オーディオの臨場感が飛躍的にアップするヘッドトラッキングはLiberty 4の中でも特に面白い機能です。

目の前で演奏しているかのようなサウンドが楽しめます。

映画やライブ音源をイヤホンでよく聴く人には非常に魅力的な機能だと思います。

LDAC・ANC・マルチポイント‥全部入りの高機能

Ankerから立て続けに全部入りが出るので感覚が狂いそうになりますが、高機能が全部入って1万円台というのは破格です。

Anker Soundcore Liberty 4を選ぶデメリット

高音の刺さりがやや気になる(HearIDで補正可)

音質評価の項目で書いたように高音が刺さるのがちょっと気になります。

ただ、これはHearIDで音質最適化したりイコライザーを設定することで落ち着かせることで解消することができます。

なのでそれほど大きなデメリットではないかもしれません。

総合評価

メイン機能評価

音質
 
8/10
ノイキャン
 
8.5/10
外音取り込み
 
8/10
装着感
 
8.5/10

使い勝手評価

操作性 S・A・B・C・D
携帯性

S・A・B・C・D

便利機能 S・A・B・C・D
通話品質 S・A・B・C・D

音質やノイズキャンセリングはAnkerイヤホンの中でトップレベルにはあるけどAnker史上最高を更新したとは言えないかな?というのが正直な感想です。

しかし多機能さという面ではたしかにAnker史上最高の出来といえそうです。

ただ機能を増やしただけでなく、ヘッドトラッキング機能もワークアウト機能もキチンと作り込まれているのが好印象。

久々にガジェットとして面白いと感じる完全ワイヤレスイヤホンでした。

操作方法や空間オーディオなどの類似性が生まれたので高価なAirPods Pro 2の代替品としてもイケると思います。

(音の傾向は違いますが)

装着感も良く音質・ノイキャンも価格帯上位に入るレベル。

総合的な能力が高く使い勝手も良いおすすめできるイヤホンです。

今回は以上となります。

また次回のレビューでお会いしましょう。