- Anker史上もっとも整った音質
- 軽くて装着感抜群
- 安価にマルチポイントを使える
- 従来のAnker製品ほど爆盛の低音は出ない
- Sony製品よりはLDACが途切れやすい
総合評価 |
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8.5/10 |
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更新日:2024年4月4日 最新の基準に合わせて総合評価を修正
TWSコレクターの猫居です。
Ankerのオーディオ部門Soundcoreから新しいシリーズが発表されました。
その名もSpace。
今回レビューするA40はSpaceシリーズ第1号となる完全ワイヤレスイヤホンです。
ノイズキャンセリング搭載でLDAC・マルチポイント対応と今のTWSで1番高機能と言えるスペックですね。
しかし、Anker既存のLibertyシリーズとは何が違うのでしょうか。
ただ機能が違うだけなのか?
その差を実際に使用比較して確かめてみました。
まずはSoundcore Space A40の外観と使い方チェック
付属品
付属品リスト
- イヤーピース(XS / S / L / XL)
- クイックスタートガイド
- 充電用ケーブル
イヤホン本体
イヤホンケース
Qi規格ワイヤレス充電に対応
Space A40のペアリング方法
Space A40のリセット方法
イヤホンケース背面のボタンを10秒間長押しすることで接続をリセットできます。
Bluetooth接続がうまくいかなかったときは一度リセットしてみましょう。
マルチポイント接続の仕方
Space A40はマルチポイント対応。
スマホとPCなど2台同時接続が可能です。
仕事用とプライベート用の端末を同時接続して使うととても便利です。
Space A40の操作方法
L(左イヤホン) | R(右イヤホン) | |
1クリック | - | - |
2クリック | 曲送り | 再生/停止 |
長押し(2秒) | モード切替 ・ノイキャン ・外音取り込み ・ノーマル |
モード切替 ・ノイキャン ・外音取り込み ・ノーマル |
デフォルトでは音量調整と曲戻しが設定されていません。
アプリから自由に操作方法を変更可能なので入れたほうが操作しやすいと思います。
Space A40を使う際の注意点
LDACで接続できない時の対処法
最初にイヤホンから取り出したときはSBCで接続されます。
LDACで接続するためには専用アプリからイヤホンをアップデートする必要があります。
また、マルチポイントで接続中にはLDACは利用できないようです。
マルチポイント接続したあとは勝手にSBCに切り替わっているのでLDACで聴きたい場合は気をつけましょう。
Space A40とLibertyシリーズの違いを比較レビュー
Space A40の特徴
公式サイトの商品ページをじっくり眺めてみると
【50時間再生×コンパクトケース】
- 充電切れを気にせず使えるロング再生が可能なこと
- ポケットなどにすんなり入るコンパクトサイズであること
この2つがSpaceの特徴としてアピールされています。
サイズ比較
コンパクトサイズなエントリーモデルLiberty Neo 2よりさらにコンパクト。
薄さもNeo 2より薄くてポケットに入れやすいです。
スペック比較
ハイエンドモデルのLiberty 3 Proと同等の性能を持ちつつ再生時間はさらに上。
さらにゲームモードも搭載。
価格比較
それでいて値段はミドルモデルのLiberty Air 2 Proと同程度。
こうしてみるとかなりイイトコ取りなイヤホンに見えますね。
次は見た目ではわからない音質やノイキャンの違いについて比較していきます。
音質を比較
Liberty 3 Proとの比較
Anker ハイエンドモデルのLiberty 3 Proとの比較。
Liberty 3 Proは盛り盛りの低音とキンキンと高音を響かせる超ドンシャリイヤホンです。
一聴してまるで音の傾向が違うことに気づきます。
非常に濃い味付けなLiberty 3 Proに対してSpace A40は弱ドンシャリといった感じのサウンドですね。
Space A40の方が全体的に整った音でボーカルが聴きやすく中高音の見通しも良いです。
まるで傾向が違うので好みによる差が激しく出ると思いますが、個人的にはSpace A40の方が良い音だと思います。
これはミドルクラスのLiberty Air 2 Proの方が音の傾向が近いかな?ということでイヤホンチェンジ。
Liberty Air 2 Proとの比較
Libertyシリーズの中ではややフラット寄りなLiberty Air 2 Pro。
切れの良さと高い解像度が特徴の弱ドンシャリイヤホンです。
個人的にはLiberty 3 Proよりこちらのほうが好みの音。
Liberty Air 2 Proと比較するとSpace A40の方がボーカルが近く、はっきりと聴こえます。
低音の質感はかなり近くて、充分な量感とキレのある音です。
高音はやや刺激のあるLiberty Air 2 Proに比べて刺激を抑えつつも明瞭感はしっかりと確保されています。
総じてLiberty Air 2 Proが1ランクレベルアップしたような音だと思います。
これは価格帯平均を充分に超える良いサウンドと言えそうです。
おすすめのイコライザー設定
かなり均整の取れた音なので従来Anker製品が好きだった方や低音好きな方にはやや物足りなく感じるかもしれません。
そんなときはイコライザーで『ベースブースター』を選ぶのがオススメです。
ウルトラマンノイズキャンセリング2.0の違い
Liberty 3 Pro・Liberty Air 2 Pro、その他諸々との比較
ノイズキャンセリングは低音ノイズを中心に効果的にカット。
実用レベルに達しています。
Ankerのイヤホンはウルトラノイズキャンセリングという独自開発された技術を搭載しているのですが、どの程度の効き目なのか。
いつものようにたくさんのイヤホンと比較してどの程度のノイズキャンセリングの強さなのか探りました。
まずハイエンドモデルであるLiberty 3 Pro(-40dbよりちょっと効く)とのノイキャン比較。
同じウルトラノイズキャンセリング2.0同士の比較ですが、残念ながらLiberty 3 Proの方がややノイズキャンセリングの効果は上でした。
では効果がやや落ちるエントリーモデルLife P3(-38db相当)のノイキャンと比較するとどうでしょう。
今度はSpace A40の方が効いているようです。
ならばとEarfun Free Pro 2(-40db)と比較。
うん、ほぼ同程度の効き目です。
このことからSpace A40のウルトラノイズキャンセリング2.0は-40db相当のノイキャンと言えそうです。
高級機でも-40dbを1つの目安としているようなところがありますし、ミドルクラスなら充分強力なノイキャンと言えるでしょう。
これまでレビューしてきたANC完全ワイヤレスイヤホンの強度ランキングは以下の記事よりご覧いただけます。
⇒【ノイズキャンセリングイヤホンのおすすめと最強がわかる比較表】
外音取り込み機能の比較
外音取り込み機能はAnkerイヤホンはだいたいどれも同じですね。
外音の取り込み量は充分でアナウンスや人の声も聞き取れます。
しかしやや高音がカサつくところがあり、風の音などが強調されがち。
そこがイヤホンをしていないときの自然な外音とはちょっと違うところです。
装着感はつけ心地抜群のLiberty Neo 2以上
Ankerイヤホンの中でも特にフィット感と装着感のバランスの良いLiberty Neo 2。
イヤホンの見た目の形状が似てるなぁと手に取る前から思っていましたが、案の定。
Space A40の装着感はNeo2をさらに小型化したような感じです。
Neo 2よりさらに軽い装着感でフィット感も抜群です。
走ったり軽い運動に使っても全く問題ないフィット感と長時間つけていても疲れないつけ心地。
非常に快適です。
専用アプリ【Soundcore】の違いはほぼ違いなし
イコライザー機能は全メーカーの中で1番多機能だと思います
その他のアプリ機能
遅延測定結果の比較
SBC | SBC ゲームモード |
LDAC | |
Space A40 | 246ms | 164ms | 368ms |
Liberty 3 Pro | 315ms | - | 445ms |
Liberty Air 2 Pro | 251ms | - | 402ms |
100ms=0.1秒です。
この測定環境では有線イヤホンで50msほど遅延を観測します。
なので結果から-50msすると実態に近い数値となると思われます。
Libertyシリーズのミドルモデル以上には低遅延モードがありません。
なのでSpaceのほうが遅延に関してはかなり優秀です。
動画視聴程度ならどのイヤホンでも問題ありません。
ゲームでも使いたい場合はSpaceの方が良いでしょう。
なお、LDACでゲームモードにしても遅延を減らす効果はありませんでした。
通話品質・マイク性能は相変わらず優秀
Ankerイヤホンはマイク性能がかなり高いのも特徴ですが、Spaceシリーズになっても通話品質の高さは変わらず。
周りのガヤガヤした雑音を効果的にカットして声だけを的確に相手に届けます。
マルチポイント対応なので仕事用にも使おうという場合にも活躍します。
メリット・デメリットのまとめ
LibertyシリーズよりSpace A40を選ぶメリット
Anker史上もっとも整った音質
これまでノリ重視のサウンドだったLibertyやLifeシリーズとは違い、オーディオ的な均整の取れたサウンドに仕上がっています。
素直な音なだけにイコライザーもこれまでのAnkerイヤホンより変化をつけやすく楽しめるようになっていると思います。
軽くて装着感が抜群
Spaceのコンセプト通り、軽くてコンパクトでつけ心地は抜群。
ロング再生できてもつけ心地が悪かったら意味がないのでほんとうの意味で長時間リスニングできるイヤホンです。
より安価にマルチポイントを使える
AnkerのこれまでのイヤホンではLiberty 3 Proしかマルチポイントに対応していませんでした。
他社から安価なマルチポイント対応イヤホンも出てきている中でAnkerもこれに対抗してより安いマルチポイントイヤホンを出してきたような形ですかね。
Space A40を選ぶデメリット
従来シリーズのようなゴリゴリの低音は楽しめない
個人的にはSpace A40の方が整った音質で好みですが、従来のようなゴリゴリの低音が好みだった場合は注意。
イコライザーで低音を持ち上げてやってもあそこまでの低音爆盛とはいきません。
LDAC接続時のBluetooth接続安定性はSONY製品に劣る
これはマルチポイントに対応したLiberty 3 Proでも他社製品でも同じことですが‥
SONY WF-1000XM4に比べるとLDAC接続したときのBluetooth安定性は劣ります。
(LDACはSONY開発のコーデックなので)
そこまで混んでいない電車内なら平気でしたが、満員電車だと少し途切れが気になりますね。
そんな場合はアプリから接続優先モードにしましょう。
総合評価
メイン機能評価
音質 |
|
8/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
8/10 |
外音取り込み |
|
8/10 |
装着感 |
|
9/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 |
S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
これまでのAnker製品のいいトコ取りのようなイヤホンにみえて実際はそんな美味しい話はないんだろうと思っていましたが‥
均整の取れたサウンドに抜群の装着感。
他社のハイエンドモデルと遜色ない高機能っぷり。
本当にいいトコ取りのイヤホンでした。
欠点らしい欠点も特に無く、安定した実力のイヤホンだと思います。
今回は以上です。
また次回のレビューでお会いしましょう。