SOUNDPEATS Air5 Pro | |
発売日 | 2025年3月21日 |
価格 (発売時) |
9,980円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
ANC OFF 7.5時間/37時間 |
コーデック | SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive/aptX Lossless/LDAC/LC3 |
ドライバー | 10mmダイナミックドライバー |
防水性能 | IPX5 |
Bluetooth Ver. | 5.4 |
機能 | ノイズキャンセリング・外音取り込み機能・マルチポイント・低遅延モード・イコライザー・専用アプリ・急速充電(10分→2時間) |
資料 | 公式サイト/説明書 |
- 多機能TWSとしては価格帯TOPクラスの音質
- 前作よりさらにパワーアップしたノイキャン
- イヤホンの出し入れがしやすくなった
- イヤホンケースは前作の方が凝ったデザインだった
総合評価 |
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9.5/10 |
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こんにちは、猫居です。
趣味で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を集めています。
今回レビューするのはSOUNDPEATSの完全ワイヤレスイヤホン、 Air5 Pro。
全部入りのコスパTWSAir4 Proの後継機ですね。
今回はノイズキャンセリングの公称値が大幅にUPした他、ハイレゾコーデックのLDAC/aptX Adaptiveに両対応。LE Audio接続もできるという豪華な仕様。
2025年期待のイヤホンということで前作Air4 Proと使い比べて違いをチェックしてみました。
まずは総評から御覧ください。
Air5 Proと前作Air4 Proの主な違い
大きな違い | 音質&ノイキャンのレベルUP |
中程度の違い |
イヤホンをケースから取り出しやすくなった |
細かい変化 | イヤホンケースは前作の方が凝った造りだった |
音の傾向がバランス型からドンシャリ型に変わっていますが、低音も高音もよく出るようになって音質はかなり良くなったと感じます。
ノイズキャンセリングも前作の欠点だったアダプティブノイズキャンセリングの不安定さが解消し、消音力にも磨きがかかっていました。
1万円以下の多機能TWSとしては音質もノイキャンもTOPクラスに優秀です。
さらにイヤホンケースをイヤホンの出し入れやすい構造に変更するなど、使い勝手の面もちょっと向上。
総合力は前作よりグンとあがっています。
あとは着脱検知機能とワイヤレス充電をつけてくれればほぼ言うこと無いのですが…
値段が値段なだけに贅沢な願いかもしれませんね。
1つだけ前作の方が良かったかな?と思ったところもありまして、イヤホンケースが廉価なUUとかと同質のクオリティになっていて傷がつきやすそうなのがちょっと気になっています。
前作は傷や指紋がつきにくい加工がされていてデザインも凝っていたのでそこだけは前作の方が良かったかなと。
逆に言えばそれ以外は前作よりもしっかりとパワーアップしています。
非常に良いイヤホンです。
より詳しい比較結果、細かい注意点については目次以降をご覧ください。
本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
*( )内の数値は前作Air4 Proの採点数
音質 | 8/10 (7.7) | 便利機能 | SABCD |
ノイキャン | 9/10 (9) | 携帯性 | SABCD |
外音取り込み | 8/10 (8) | 操作性 | SABCD |
装着感 | 8.5/10 (8.5) | 通話性能 | SABCD |
SOUNDPEATS Air5 Pro 外観・付属品チェック
イヤホン本体
前作同様のスティックタイプのカナル型イヤホン。
前作は落ち着いた雰囲気のデザインでしたが、今作では一転派手めなデザインに。
どちらもSOUNDPEATSイヤホンでは馴染のあるデザインで、値段の割にクオリティは良いです。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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イヤホンケース
イヤホンケースには大きな変化がありました。
凝ったデザインだったAir4 Proに比べて今作はかなりシンプルなデザインに。
前作ケースは傷や指紋がつきにくい加工がされていましたが、今作は普通に傷がつきやすそうなのは気になるところ。
ただ、イヤホンの取り出しやすさが改善されており、Air5 Proの方がイヤホンの出し入れがしやすいです。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- 説明書類
- ピーツくんステッカー(おまけ)
SOUNDPEATS Air5 Pro 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:48.2mm 横:66.8mm 高さ:27.1mm 三辺合計:142.1mm |
重さ | イヤホン:4.9g ケース:41.2g |
イヤホンケースのサイズは若干前作より厚みが増していますが、TWSのケースとしてはそこそこコンパクトな部類。
持ち運びに困らないサイズ感です。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 282ms(SBC) 317ms(AAC) 281ms(aptX) 353ms(aptX Adaptive/高音質モード) 277ms(LDAC) |
317ms(AAC) |
低遅延時 | 123ms(SBC) 157ms(AAC) 120ms(aptX) 195ms(aptX Adaptive/高音質モード) 342ms(LDAC) |
157ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
アプリまたはイヤホン操作でゲームモードにすることで低遅延に切り替えることができます。
また、aptX Adaptiveには内部的に高音質モードと低遅延モードがあり、音声ソースに応じて自動で切り替わります。基本的には任意に切り替えることは出来ません。
(イヤホンの機能であるゲームモードとaptX Adaptive/低遅延モードは別物)
aptX Adaptiveの低遅延モードは100ms前後の遅延になるはずなので、Androidでは基本的にはaptX Adaptive/低遅延モードが1番遅延が少ないと思います。
ただ、欲しいときに低遅延モードになってくれないこともあったり、低遅延モードになっているかどうか確認する方法もないなど意外と不便なところも。
aptX Adaptiveの低遅延モードがうまく機能しないときやスマホがaptX Adaptiveに対応していない場合にはゲームモードを利用すると良いでしょう。
ゲームモードにすれば音ゲーは厳しいですが、普通のゲームや動画視聴は問題ないくらいの遅延でした。
注意点
1.
LDAC接続時にゲームモードにしても低遅延効果が得られませんでした。
同じaptX Adaptive/LDAC両対応のEarFun Air Pro 4の場合、LDAC接続時はゲームモードが使えなかったのでそういうものなのかもしれません。
低遅延で使いたい場合は他のコーデックで使ったほうが良さそうです。
2.
低遅延が期待できるLEオーディオ接続ですが、自分のスマホ(Xperia 5Ⅳ)では今のところうまく接続できませんでした。
実連続再生時間のチェック・バッテリー残量の推移
ノイズキャンセリングON・aptX Adaptive・音量40%で再生
- 1時間再生⇒電池残量80%
- 2時間再生⇒電池残量50%
- 3時間再生⇒電池残量20%
- 3時間41分再生⇒電池残量0%
3時間41分再生することができました。
及第点といったところでしょうか。
ただ、個人的には40%でもちょっと音量過多かな…と。
自分の場合はもう少し音量下げて使うのでバッテリー保ちももう少し長くなりそうです。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
- | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
- | AZLA SednaEarfit Crystal 2(M) |
○ |
オーディオテクニカ AT-ER500(M) |
- | final TYPE E(M) |
○ |
NUARL Magic Ear+7 |
- | Spinfit OMNI |
○ |
COMPLY TWo-220-C(M) |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
- |
radius HP-DME2(M) |
△ |
ノズル太めで軸が短いので完全ワイヤレス用でないイヤーピースはなかなか入らないかもしれません。
HP-DME2は一応入りますが、抜けやすかったので△としました。
SOUNDPEATS Air5 Pro 詳細レビュー
音質評価
元気の良いドンシャリサウンドです。
寒色系でハキハキと鳴り、豊かな低音を出しつつもボーカルも埋もれない良調整。
バランスタイプのAir4 Proと聴き比べると低音の量感が随分と増していることにまず耳が行きますが、高音もかなり明瞭になって良く出るようになっています。比べるとAir4 Proは少し天井の低さを感じますかね。
同価格帯のライバルとなるであろうEarFun Air Pro 4とも聴き比べると、Air Pro 4の方が少し暖色でフラット寄りなバランス重視の音作りかなと感じます。音場も広いですね。
解像感は近しく、音質的なレベルはほぼ互角かなと思います。あとはドンシャリ型かバランス型か、好みの問題でしょうか。
Air5 Proの方が低音がよく出てメリハリの効いた音なので、ポップスなどをノリ良く聴きたい方はAir5 Proの方が合うかもしれません。
前作より明確な音質アップを実感でき、現状の1万円以下多機能TWSとしては最高峰の音の良さだと思います。
音質 |
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8/10 |
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アプリのイコライザー画面
多数のプリセットの他、カスタムEQや聴力テストを通じて最適なイコライザー設定にしてくれる適応型EQも搭載
ノイズキャンセリング機能の比較
4種類のANCモードを搭載
ノイズキャンセリング機能も前作Air4 Proより明確にパワーアップしています。
前作はアダプティブノイズキャンセリングがうまく作用したりしなかったりして強力だけど安定感の無いノイキャンでした。
しかし、Air5 Proのアダプティブノイズキャンセリングはしっかりと安定した効果を実感できます。
また、Air4 Proのノイキャンがしっかり効いているときと比べてもノイキャン効果はさらに高くなっており、ノイキャンも価格帯TOPクラスの優秀さです。
ライバル候補であるEarFun Air Pro 4のノイキャンと比べると、高音ノイズに対してはAir Pro 4の方が上手ですが、総合では明らかにAir5 Proの方が消音力は高いと感じました。
(参考:最強~コスパ機までわかるノイズキャンセリングイヤホンの強度比較表)
ノイキャン |
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9/10 |
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外音取り込み機能の評価
外音取り込み機能は2種類
外音取り込み機能に関しては前作と変わりない印象。
人の声はトーンが明るくなって聞き取りやすいので実用的に使えると思います。
ただ、空調などの余計な音を大きく取り込んでしまいがちなところが玉に瑕。
外音取り込みをONにしているとサーという小さなノイズが入ってくるので“ながら聴き“”にはあまり向かないかもしれません。
外音取り込み |
|
8/10 |
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装着感評価
装着時の見た目
装着感も基本的には前作と同じような着け心地なんですけど、若干密閉感が増したような?気はします。
ただ、異物感も少なくスッと耳に収まるのである程度長時間の着用も苦になりません。
スティック型なので安定感もあり、多少走ったりしてもブレたりせずに使えました。
装着感 |
|
8.5/10 |
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マイク性能・通話品質
クリアな音声です。
風切音はやや入るかな?
周囲の騒音は喋っていないときはよくカットしてくれるのですが、喋る時に一緒に少しノイズも乗ってしまう感じでした。
悪環境でなければ普通に通話できると思います。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
初期設定の操作方法
全ての操作をカスタマイズ可能です。
割り当てできる操作も多いので好みの配置を作れると思います。
タップの感度も問題なくスイスイ操作できます。
1つ要望を出すとすれば、ノイズコントロールの切り替えパターンも選択できるとなお良いかなと思いますね。
【ノイズキャンセリングモード】→【外音取り込みモード】→【ノーマルモード】→【ノイズキャンセリングモード】・・・
というループなのですが、【ノーマルモード】はいらないのでシンプルにノイキャン↔外音取り込みが良いという人も多いのではないでしょうか。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【PeatsAudio】の主な機能
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- イコライザー
- 操作方法のカスタマイズ
- ゲームモード
- 装着感テスト
- マルチポイントのON/OFF
- LDACのON/OFF
- LE AudioのON/OFF
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
設定画面
気になった点や気付いた注意点
LDAC接続時は使える機能に制限がある
LDAC接続するとマルチポイントが自動でOFFになります。
2台同時接続したい方はLDAC以外のコーデックで使う必要があるわけです。
また、遅延測定結果の項目でも書きましたが、LDAC接続中にゲームモードにしても低遅延にはなっていなかったので低遅延にしたい場合も他のコーデックを選択したほうが良いと思います。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動について。
Air5 Proのマルチポイントは割り込み再生不可でした。
まとめ
メイン機能評価
音質 |
|
8/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
9/10 |
外音取り込み |
|
8/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:9.5/10
前作から音質・ノイキャン共にしっかり進化。
特にノイズキャンセリング機能はこれまで1番良かった1万円台のCapsule3 Pro+を超えており、SOUNDPEATSイヤホンで1番の出来だと思います。
値段的にもCapsule3 Pro+より手に取りやすい価格ですし、これだけ高性能でライバルイヤホンより低音が出るとかANC強度の差などで差別化もできていますから、今後は1万円以下TWSの選択肢として大いに食い込んでくるのではないでしょうか。
最近はイヤーカフ型とか空間オーディオ機能とか、目新しいものに視線を奪われがちですが、オーソドックスな王道全部入りTWSとして普通に良いイヤホンでした。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。