HUAWEI FreeBuds Pro 4 | |
発売日 | 2025年2月7日 |
価格 (発売時) |
28,800円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
ANC OFF 7時間/33時間 ANC ON 5時間/23時間 |
コーデック | SBC/AAC/LDAC |
ドライバー | 11mmダイナミックドライバー + マイクロ平面振動板ドライバー |
防水性能 | IP54 |
Bluetooth Ver. | 5.2 |
機能 | ノイズキャンセリング・外音取り込み機能・マルチポイント・低遅延モード・イコライザー・専用アプリ・着脱検知・ワイヤレス充電 |
資料 | 公式サイト/説明書(PDF) |
- 価格帯TOPクラスの音質/前作より低音が出るようになった
- 付属のフォームタイプのイヤーピースを使えばノイキャンも価格帯最高クラス
- マイク性能が極めて優秀/イヤホンでよく通話する人に◎
- アプリのインストールがやや手間(Androidのみ)
- 低遅延モードにしてもゲームではやや遅延を感じる
総合評価 |
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10/10 |
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こんにちは、猫居です。
趣味で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を集めています。
今回レビューするのはHUAWEIの完全ワイヤレスイヤホン、FreeBuds Pro 4。
2万円台の同社ハイエンド製品となります。
前作FreeBuds Pro 3の登場から約1年4ヶ月ですかね。
比較的短いスパンで新作をリリースしてきたわけですが、どのような仕上がりになっているのか。
まずは前作との違い・総評からまとめていきます。
FreeBuds Pro 4とFreeBuds Pro 3の主な違い
大きな違い | 無し |
中程度の違い |
ノイキャンが2万円台ANCでは最高峰の効き目に |
細かい変化 | 連続再生時間の微増 低遅延モードはやや物足りない数値に |
音質・ノイキャン・操作性・マイク性能・デザイン、すべてが高次元にあるとても完成度の高いイヤホンです。
ただ、前作時点で元々完成度の高いイヤホンだったこともあり、劇的なパワーアップという感じはなく、マイナーアップデートという印象。
ドライバー構成は前作と同じで音質的なレベルも前作と同等という感じです。ただ、音の傾向に変化があり、中高音寄りの音からドンシャリ気味に。低音がよく出るようになったので前作で低音の量感に不満があった方には良いと思います。
個人的に1番大きな違いを感じたのは付属のフォームタイプのイヤーピースを使用した時のノイズキャンセリング効果。2万円台ではBOSE QuietComfort Earbuds(第2世代)と並んで最高峰の効き目だと感じました。なお、標準装備のシリコンタイプのイヤーピースの場合は前作とほぼ変わらない効き目です。(それでも充分強力ではありますが)
注意したいのが低遅延モード使用時の遅延が180ms~190ms(0,18~0,19秒)くらいあってですね、前作は音ゲーは無理にしても普通のゲームなら遊べるくらいの遅延でしたが、今作の場合はちょっとストレス貯まるくらい遅延を感じると思います。
そこだけ注意という感じですが、音質もノイキャンも価格帯TOPクラスで使い勝手も良好なので予算3万円以内で良いTWSが欲しいという方に非常におすすめできるイヤホンです。
より詳しい比較結果、細かい注意点については目次以降をご覧ください。
*( )内の数値は前作FreeBuds Pro 3の採点数
音質 | 9.5/10 (9.5) | 便利機能 | SABCD |
ノイキャン | 9.5/10 (9.5) | 携帯性 | SABCD |
外音取り込み | 8.5/10 (8.5) | 操作性 | SABCD |
装着感 | 8.5/10 (8.5) | 通話性能 | SABCD |
HUAWEI FreeBuds Pro 4 外観・付属品チェック
イヤホン本体
全面鏡面仕上げだった前作・前々作からデザインを一新。
シックなデザインで格好良いです。
イヤホンケース
イヤホンケースもゴールドのラインが入ったことで高級感がUPしています。
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース(シリコンタイプ・フォームタイプ各サイズ)
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- 説明書類
HUAWEI FreeBuds Pro 4 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:47.2mm 横:65.8mm 高さ:24.6mm 三辺合計:137.6mm |
重さ | イヤホン:5.9g ケース:46.7g |
イヤホンケースのサイズは前作と同じでそこそこコンパクトな部類に入ります。
イヤホンは最近のものとしては若干重めでしょうか。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 202ms(SBC) 246ms(AAC) 354ms(LDAC) |
246ms(AAC) |
低遅延時 | 178ms(SBC) 180ms(AAC) 189ms(LDAC) |
180ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
アプリから低遅延モードを利用可能です。
前作より0.03秒~0.04秒程度、遅延が大きくなっていました。
僅か0.03秒差と思うかもしれませんが、その差が遅延の許容限界をまたぐ結果となっており、ゲームなどでの使い勝手に大きく影響しています。
動画試聴はNetflixなどアプリ側で遅延補正してくれるものは問題ありませんが、ゲームでも使うよって方には前作の方が使いやすいでしょう。
音ゲーはどちらのイヤホンでも難しいです。
実連続再生時間のチェック・バッテリー残量の推移
ノイズキャンセリングON・LDAC・音量40%で再生
- 1時間再生⇒電池残量75%
- 2時間再生⇒電池残量53%
- 3時間再生⇒電池残量22%
- 3時間43分再生⇒電池残量0%
3時間43分再生することができました。
前作より若干再生時間が伸びていますが、最近ではLDACでも超ロング再生できるイヤホンも増えてきており(Technics EAH-AZ100やEdifier NeoDotsなど)、それらと比べるとインパクトは薄いですかね。
個人的には1回あたりの再生時間としては充分なので特に困ることはないですが。
交換イヤーピースについて
前作同様、独自規格のイヤーピースを採用。
汎用イヤーピースはほとんど入らないと思います。
ただ、今作はフォームタイプのイヤーピースも各サイズついてくるのでどれかしら耳に合う可能性が高そうです。
HUAWEI FreeBuds Pro 4 詳細レビュー
音質評価
2万円台の完全ワイヤレスイヤホンとしてはTOPクラスの解像度。
前作と比べて音の傾向に変化はあるものの、ドライバー構成も同じで音質的なレベルは多分変わっていないと思います。
前作は低音の量感はほどほどといった感じの、中高音寄りなサウンドでした。
それと比べて本作は低音の量感、迫力が増してハキハキと鳴る弱ドンシャリといった趣のサウンドとなっています。
高音が柔らかく綺麗に伸びるという美点は変わっておらず、低音がかなりしっかり出るようになったので、本作の方がノリ良く聴けるという意味では一般受けしそうかなと。
注意点
低音が出るようになったとはいっても前々作にあたるFreeBuds Pro 2のようなスピーカーで鳴らしているかのような深い低音ではないです。
人によっては重すぎると感じたあの低音、妙な中毒性があって好みだったという方もいると思いますが、今作の低音はレスポンス良くハキハキとなるタイプなのでまた違います。
音質 |
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9.5/10 |
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アプリのイコライザー画面
カスタムEQ
ノイズキャンセリング機能の比較
4種類のANCモードを搭載
今作は標準装備のシリコンタイプの他、フォームタイプのイヤーピースが用意されています。
【自動的にイヤーチップに合わせて最適なノイズキャンセリングパラメーターを採用することでパッシブノイズキャンセリングが前モデルと比べ約30%向上】とのことなんですが…
まず標準のシリコンタイプでノイキャンを試してみると、前作と同程度のノイキャン性能という印象。
低音ノイズへの処理は非常にうまいものの、高音ノイズへの処理は最上位のANCと比べるとまだ劣るかなぁという感じです。
次にフォームタイプに変換してノイキャンをテスト。
当然ながら物理的な遮音性がUPしているのでノイキャンの効きが良くなるのですが、最適化というやつの影響か、思ったよりも違いますね。
高音ノイズのカット効果も上がり、かなりのパワーアップを実感できました。
他のノイキャンイヤホンといろいろ比べてみると、価格帯TOPの消音力を誇るBOSE QuietComfort Earbuds(第2世代)が1番近い消し方かなと。
むしろノイズによってはFreeBuds Pro 4の方が綺麗に消せている印象すらあります。
また、このイヤーピース、一般的なフォームタイプと比べて耳中で押し返される感覚が少なくて装着感の面でも好印象でした。
隙間は埋めるけど圧迫感は感じにくいという感じで、装着感の悪化はほとんど気になりません。
フォームタイプのイヤーピースに変える必要こそありますが、ノイキャン重視の方にも良さそうです。
注意点
JBL TOUR PRO 3も同じようにノイキャン強化用のフォームタイプイヤーピースが用意されていましたが、あちらはフォームタイプにしても音質に変化が無いように最適化する機能がついているんですよね。
FreeBuds Pro 4の場合はフォームタイプにすると普通に音質に変化があります。重低音の厚みが増して高音はやや減衰する感じ。重みのある低音でこれはこれで良いのですが、音の傾向は普通に変わるという点には注意です。
(参考:最強~コスパ機までわかるノイズキャンセリングイヤホンの強度比較表)
ノイキャン |
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9.5/10 |
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外音取り込み機能の評価
外音取り込み機能はノーマル・音声モードの2種類
外音取り込み機能は前作と変わりない印象。
変な強調感などはなく、比較的自然な聞こえ方です。
人の声は多少マスクされた感じの聞こえ方ではあるものの、小声でなければ充分聞き取ることができました。
駅などのアナウンスの聞き取りももちろん問題なし。
外音取り込みをONにするとサーというノイズが若干入るのが玉に瑕ですが、この辺も前作と同様。
AirPods Proみたいにイヤホンをしていないかのような外音取り込みとはいきませんが、実用的に使える機能だと思います。
外音取り込み |
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8.5/10 |
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装着感評価
装着時の見た目
装着感も前作同様に良好です。
スティック型なので装着時の安定感もありますし、圧迫感や異物感も無く快適な着け心地。
ある程度長時間着けたままでも耳が痛くなりませんでした。
また、ノイキャン評価の項目でも書きましたが、付属のフォームタイプのイヤーピースにしても一般的なフォームタイプより圧迫感を感じにくいのが◎。
装着感 |
|
8.5/10 |
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マイク性能・通話品質
非常に明瞭な音声で通話することができます。
風切音にもめちゃくちゃ強く、強風を当ててもびくともしませんでした。
周囲のノイズも完璧と言えるほど強力にカット。
大きなノイズを処理する際には声が多少デジタル処理したようなボイスになりますが、他のイヤホンと比べてもノイズ処理中の声の劣化は少なめ。
どんな環境でも通話で利用できる優秀なイヤホンです。
イヤホンで通話する機会が多いという方にとてもおすすめできます。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
基本の操作方法
L側 | R側 | |
1ピンチ | 再生/停止 | 再生/停止 |
2ピンチ | 曲送り | 曲送り |
3ピンチ | 曲戻し | 曲戻し |
長押し | ANCモード切替 | ANCモード切替 |
スワイプ | 音量± | 音量± |
誤操作の少ない疑似物理ボタン式。
イヤホンのスティック部分をつまんだりスワイプしたりすることで基本的な操作を全て行うことができます。
普通のタッチセンサー式に比べて誤操作しにくく、非常に使い勝手が良いです。
さらに、一般的なタップ操作にも対応。
ピンチ操作とタップ操作を併用することもできますし、ピンチ操作をOFFにして普通のタッチセンサー式イヤホンとしても使えちゃいます。
文句なしの操作性です。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【AI LIFE】の主な機能
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- イコライザー
- 操作方法のカスタマイズ
- 低遅延モード
- 装着感テスト
- 着脱検知のON/OFF
- マルチポイント
- コーデックの切り替え
- ヘッドコントロール*
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
設定画面
*ヘッドコントロール
気になった点や気付いた注意点
Androidの場合、専用アプリのインストールがやや手間
ファーウェイ製のアプリはグーグルプレイストアからダウンロードすることができないため、以下のような手順を踏む必要があります。
- ファーウェイのサイトからアプリ『AppGallery』をダウンロード
- 『AppGallery』をインストール
- 『AppGallery』を開き【AI Life】を検索
- アプリ【AI Life】をインストール
『APPGallery』をスルーして【AI Life】だけをインストールしようとしても先に『AppGallery』をインストールするよう促されます。
【AI Life】をインストールしたら『AppGallery』はアンインストールしてしまっても構わないと思います。
なお、iPhoneの場合はApp Storeからアプリを普通にインストールできます。
ハイレゾで聴くには専用アプリから「音質優先」にしてLDACをONにする必要がある
ちょっとわかりにくいんですが、アプリの【音質】の設定で「音質を優先」を選ばないとLDACで接続できません。
初期設定は「接続品質を優先」になっています。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動について。
HUAWEI FreeBuds Pro 4のマルチポイントは割り込み再生不可でした。
まとめ
メイン機能評価
音質 |
|
9.5/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
9.5/10 |
外音取り込み |
|
8.5/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:10/10
前作と比べて大きな違いは無いものの、完成度の高さがさらにUP。
3万円までで買える完全ワイヤレスイヤホンとしては最高峰のTWSだと思います。
最近流行りの空間オーディオ機能とかはないので、そっち方面を期待していた方には肩透かしをくらった感もあるかもしれませんが…
プラス1万円の価格帯のTWSと比べても全然見劣りしない良いイヤホンなので「最近のハイエンドTWSは4万円前後が主戦場となっていて手が出しにくい」と感じている方に特におすすめしたいです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。