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TWSコレクターによるイヤホン/ヘッドホン レビューブログ

【HUAWEI FreeBuds Pro 3 レビュー】前作FreeBuds Pro 2との違いを比較チェック

Author:猫居こうた

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HUAWEI FreeBuds Pro 3 Review

  FreeBuds Pro 3
発売日 2023年10月17日
価格
(発売時)
28,800円
連続再生時間
(単体/ケース込)
ANC OFF
6.5時間/31時間
ANC ON
4.5時間/22時間
コーデック SBC/AAC/LDAC/HWA
ドライバー マイクロ平面振動板ドライバー
+

11mmダイナミックドライバー
防水性能 IP54
Bluetooth Ver. 5.2
機能 ノイズキャンセリング・外音取り込み機能・マルチポイント・ワイヤレス充電・低遅延モード・イコライザー・着脱検知・専用アプリ
資料 公式サイト/説明書(PDF)
  • 3万円以内で買える完全ワイヤレスでTOPクラスの総合力
  • 高音質と高性能なノイキャンを両立
  • 操作性やマイク性能も抜群に良い
  • アプリのインストールがやや手間(Androidのみ)
  • 前作ほど中毒性の高い低音は出ない
総合評価
 
10/10

こんにちは、猫居です。

今回レビューするのはHUAWEIの完全ワイヤレスイヤホン、FreeBuds Pro 3。

同社のハイエンドモデルにあたるTWSです。

前作FreeBuds Pro 2は高級オーディオメーカーのDevialetが監修ということで非常に話題となり、実際に音良し・機能性良し・デザイン良しで非常に優秀なTWSでした。

今作はデザイン面は前作を踏襲しつつ、ノイズキャンセリング機能など基本性能をアップしたようです。

どのような出来栄えなのか、前作と使い比べてみました。

先に総評を紹介します。

より詳細な内容は目次以降をご覧ください。

総評

10/10点

前作より中高音の明瞭さがUP。低音寄りのサウンドから中高音寄りのサウンドになりました。
ノイキャンもかなり強力になっており、音質とノイキャンをハイレベルで両立できています。
マイク性能も非常に良く、完全ワイヤレスでは最高クラスのクリアな通話が可能。
細かな使い勝手も向上していて総合的におすすめできるイヤホンです。

音質 9.5/10 便利機能 SABCD
ノイキャン 9.5/10 携帯性 SABCD
外音取り込み 8.5/10 操作性 SABCD
装着感 8.5/10 通話性能 SABCD

HUAWEI FreeBuds Pro 3とは

FreeBuds Pro 3の特徴

https://consumer.huawei.com/jp/audio/freebuds-pro-3/

『特徴』

  • 独自開発のデュアルドライバー搭載:マイクロ平面振動板ドライバーと11 mmダイナミックドライバーを搭載し、優れたリスニング体験を実現。
  • ハイレゾ再生可能なLDACとHWAに対応。最大990 kbpsの伝送ビットレートに対応する。
  • トリプルアダプティブEQ:音量レベル、外耳道の構造、装着の状態をリアルタイムで検出。最適なサウンドレベルとEQ設定を適用する。
  • インテリジェント・ダイナミックANC3.0:ANC機能は前作より50%向上。ノイズキャンセリング効果を状況に合わせてリアルタイムに調整する。
  • DNN通話ノイズリダクション2.0:大音量のノイズや騒々しい人ごみの音をキャンセリング。
  • 骨伝導VPUセンサー:前作と比べて通話時のユーザーの声の集音能力が約2.5倍向上。
  • 2台同時接続可能なマルチポイントに対応

前作FreeBuds Pro 2とのスペック比較表

HUAWEI FreeBuds Pro 3とFreeBuds Pro 2の比較

  FreeBuds Pro 3
(Amazonリンク)
FreeBuds Pro 2
(Amazonリンク)
定価 28,800円 26,800円
連続再生時間

ANC ON
4.5時間

22時間(ケース込)

ANC ON
4時間

18時間(ケース込)
ドライバー マイクロ平面振動板ドライバー
+

11 mmダイナミックドライバー
マイクロ平面振動板ドライバー
+

11 mmダイナミックドライバー
コーデック SBC / AAC / LDAC / HWA SBC / AAC / LDAC / HWA
防水性能 IP54 IP54
ノイキャン
マルチポイント

専用アプリ
低遅延モード
ワイヤレス充電

ハイエンドに相応しい高性能ぶりですが、スペック比較表では前作とそれほど変化を感じません。

ノイキャン時の連続再生時間が0.5時間増えていますが、それでもやや短めですね。

表では見えない違いとして

  • ノイキャン50%強化
  • 通話時のボイス集音能力2.5倍
  • 通話時の環境ノイズキャンセリング性能が約5dB向上
  • 風ノイズキャンセリング80%向上

などが挙げられます。

便利機能 S・A・B・C・D

HUAWEI FreeBuds Pro 3の外観・付属品チェック

所有欲を満たす非常に美しいデザイン。

イヤホンのスティック部分に窪みがついてタッチコントロールしやすくなっています。

イヤホンケースは小型化の上、耐摩耗性は約32%向上とのこと。

ケースを開いたときにイヤホンをつまめる部分が前作より増えており、取り出しやすくなっているのも大きいです。

イヤホン本体

スティック部分の窪みをピンチしたりスワイプすることで操作します。

【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】

イヤホンケース

ワイヤレス充電対応。

急速充電への対応は謳われていませんでしたが、40分の充電で満充電となるようです。

【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】

外箱・付属品

HUAWEI FreeBuds Pro 3 外箱・付属品

付属品リスト

  • イヤーピース
  • 充電用ケーブル
  • クイックスタートガイド

HUAWEI FreeBuds Pro 3 測定データ

重さ・サイズ実測値

HUAWEI FreeBuds Pro 3 重さ・サイズ

ケースサイズ 縦:47.0mm
横:65.7mm
高さ:25.0mm
三辺合計:137.7mm
重さ イヤホン:5.9g
ケース:45.3g

イヤホンケースはそれなりにコンパクト。

前作の三辺合計値は140.1mmだったので数字上はわずかに小さくなっただけ。

ですが、実際には比べてみると結構小さくなったように感じます。

イヤホンは最近のTWSの中では若干重め。

多ドラ・多機能系のイヤホンとしては普通くらいでしょうか。

こちらも前作より0.3g軽くなっていました。

(参考:【小さい順】完全ワイヤレスイヤホン・ケースサイズ比較表

携帯性 S・A・B・C・D

遅延測定結果

  Android・PC その他 iPhone
通常時 171ms(SBC)
222ms(AAC)
365ms(LDAC)
222ms(AAC)
低遅延時 148ms(SBC)
183ms(AAC)
144ms(LDAC)
183ms(AAC)

100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。

  • Android接続時の最小遅延=約0.144秒
  • iPhone接続時の最小遅延=約0.183秒

アプリで低遅延モードにすることで大きく遅延を減らすことが出来ます。

iPhone・Androidともに中々優秀な数値だったので、ゲームや動画を問題なく楽しめるでしょう。(音ゲーは難しいですが)

ただAndroidでAACだとやや遅延を感じるかもなので、気になる場合は他のコーデックに変更すると良いかと思います。

イヤーピースは独自規格を採用

FreeBuds Pro 3 イヤーピース

前作同様に独自規格のイヤーピースを採用。

汎用のイヤーピースはほとんど入りません。

基本的に付属のイヤーピース(XS/S/M/L)の中から耳に合うものを選択することになります。

HUAWEI FreeBuds Pro 3とFreeBuds Pro 2を比較レビュー

イヤホンケース側面にリセットボタン

音質評価

寒色系の音で音場は広いです。

前作 FreeBuds Pro 2の低音寄りのサウンドから今作はバランス重視、どちらかといえば中高音寄りのサウンドとなっています。

低音の量感は前作より控えめとなりましたが、締りが良くなり疾走感あるサウンドに。

中音・高音の明瞭感も目に見えてアップしています。

歪みなく綺麗に伸びる高音は特に素晴らしいです。

2024年1月現在、2万円台の完全ワイヤレスイヤホンとしてはTOPクラスの高音質だと思います。

個人的には総合的に前作より良い音になったと思いますが、前作のスピーカーで聴くような重みのある低音はかなり中毒性のあるものでした。

前作の音が好みだったという方もいるかもしれません。

特に低音にこだわるという場合はあえて前作を選ぶというのもアリだと思います。

プリセットとカスタムイコライザーで好みの音に寄せることが出来ます

音質
 
9.5/10

ノイズキャンセリング機能の比較

ノイキャンの強度をアプリで切り替えることが出来ます

前作より50%パワーアップしたというインテリジェント・ダイナミックANC3.0。

実際に使い比べてみると低音ノイズへの処理が明らかにうまくなっているのがすぐにわかります。

大きなノイズもかなり小さく抑えてくれるので、かなりの効果を実感できるでしょう。

他のノイキャンイヤホンと比較するとSONY WF-1000XM4よりはまだ少し下かなぁという印象。

その他も色々比べてみた結果、Technics EAH-AZ80とほぼ同等という感じでした。

2万円台で購入できるノイキャンイヤホンとしてはかなり上位に入る強力なANCです。

(参考:HUAWEI FreeBuds Pro 3のノイズキャンセリングの強さを他社ANCイヤホンと比較)
ANC機能搭載完全ワイヤレスイヤホンのノイズキャンセリング強さ比較ランキング

ノイキャン
 
9.5/10

外音取り込み機能の評価

新旧を比較して唯一、外音取り込み機能だけは前作の方が良かったかなと感じました。

僅かな差なんですが…。

前作はヒアスルーをONにしてもノイズが混じらない自然な外音取り込み具合でした。

今作はヒアスルーをONにするとサーっというノイズが少し入ります。

外音の取り込み量や聴こえ方は自然です。

イヤホンをしたまま会話することもできました。

人の声にフォーカスする音声モード有り

外音取り込み
 
8.5/10

装着感評価

FreeBuds Pro 3 装着時の見た目

装着時の見た目

軽めのつけ心地である程度長時間つけっぱなしでもストレスになりません。

見た目・装着感ともに見た目ほとんど変わりありませんが、少しだけフィット感が良くなったように思います。

頭を振ったりするとズレそうになる不安感のようなものがなくなりました。

日常使いでは差を感じませんが、ジムやジョギングなどで使うには今作の方が向いているのかなという印象です。

装着感
 
8.5/10

マイク性能・通話品質について

完全ワイヤレスイヤホンとしては最高レベルのマイク性能だと思います。

生っぽいボイスではっきりと相手に届いていました。

扇風機で風を当ててもノイズに遮られること無くクリアな通話ができましたし、雑音への処理も的確。

周囲の雑音をしっかり抑えつつボイスは途切れたり乱れたりすることなく、快適な通話が可能です。

通話品質 S・A・B・C・D

操作方法と操作性評価

イヤホンの窪み部分をつまむ・スワイプすることで操作します

  L側 R側
1ピンチ 再生/停止 再生/停止
2ピンチ 曲送り 曲送り
3ピンチ 曲戻し 曲戻し
長押し モード切替
・ANC
・外音取込
・ノーマル
モード切替
・ANC
・外音取込
・ノーマル
スワイプ 音量調節 音量調節

タッチ式ながら、ピンチで反応するようになっているため物理ボタンのように誤操作無く快適な操作が可能。(疑似物理ボタン式)

イヤホンを摘むと『カチッ』という音がなり、ピンチしたことがわかるようになっています。

基本操作も全てイヤホンから操作できますし、ノイズコントロールのモード切替はアプリで変更可。

ただし、操作方法のカスタマイズはほとんど出来ません。

割り当てができるのは『長押し』の操作をノイズコントロールから音声アシスタントに変えるかどうかのみ。

自分好みに設定したいという方はお気をつけを。

操作性 S・A・B・C・D

専用アプリ【AI Life】の主な機能

  • ノイズコントロール
  • イコライザー
  • 接続モードの切り替え(接続重視or音質重視)
  • 低遅延モード
  • 各種機能のON/OFF
  • ファームウェアアップデート

ホーム画面

設定画面

使って気付いた注意点

Androidの場合、専用アプリのインストールがやや手間

ファーウェイ製のアプリはグーグルプレイストアからダウンロードすることができないため、以下のような手順を踏む必要があります。

  1. ファーウェイのサイトからアプリ『AppGallery』をダウンロード
  2. 『AppGallery』をインストール
  3. 『AppGallery』を開き【AI Life】を検索
  4. アプリ【AI Life】をインストール

ファーウェイのサイトで【AI Life】をインストールしようとしても先に『AppGallery』をインストールするよう促されます。

【AI Life】をインストールしたら『AppGallery』はアンインストールしてしまっても構わないと思います。

なお、iPhoneの場合はApp Storeからアプリを普通にインストールできます。

 App Store AI Life

ハイレゾで聴くには専用アプリから「音質優先」にしてLDACをONにする必要がある

初期設定は「接続品質を優先」になっており、SBCで接続されます。

なのでLDACで接続するためにはアプリから設定を「音質を優先」に変更してあげる必要があります。

マルチポイントは割り込み不可

マルチポイント中の割り込み再生は出来ませんでした。

HUAWEI FreeBuds Pro 3 総合評価

メイン機能評価

音質
 
9.5/10
ノイキャン
 
9.5/10
外音取り込み
 
8.5/10
装着感
 
8.5/10

使い勝手評価

操作性 S・A・B・C・D
携帯性 S・A・B・C・D
便利機能 S・A・B・C・D
通話品質 S・A・B・C・D

新旧比較結果

  FreeBuds Pro 3 FreeBuds Pro 2
音質 9.5/10 9.4/10
ノイキャン 9/10 8/10
外音取り込み 8.5/10 9/10
装着感 8.5/10 8.5/10

総評

FreeBuds Pro 3はこんな方におすすめです。

  • 予算3万円以内で高性能完全ワイヤレスイヤホンが欲しい
  • マイク性能や使い勝手の良さも重視
  • デザインが好み

前作の時点で非常に完成度の高いイヤホンでしたが、今作ではノイキャンがよりパワーアップ。

高音質+ノイキャンそこそこ → 高音質+強力ノイキャン

くらいの変化はあったかと思います。

操作性も良く、通話もクリアで使い勝手も抜群に良いです。

なんといっても他社ハイエンドTWSが軒並み4万円前後まで値上がりしている中、FreeBuds Pro 3は2万円台で購入できるというコストパフォーマンスの高さ。

性能的にも勝るとまでは言いませんが、見劣りしないだけのものが十分にあります。

デザインも良いですし、予算3万円以内の完全ワイヤレスでは特におすすめといえます。

ただ、音質面では中高音の質が上がった代わりに前作ほど中毒性の高い低音は出ません。

【低音の迫力を重視・ノイキャンはある程度効けばOK】という場合は、あえて前作を選ぶのもありでしょう(売りがあるうちは)

今回は以上となります。

また次回のレビューでお会いしましょう。