- 明瞭で艶やかな高音質イヤホン
- ノイキャンも強力で音質と両立できている
- 欲しいコーデックを全て網羅
- ケースからイヤホンが超絶取り出しにくい
- ピリピリとノイズが入ることがある
- 特定のコーデックで接続できなくなることがある
総合評価 |
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8.5/10 |
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こんにちは、猫居です。
今回レビューするのはNoble Audioの完全ワイヤレスイヤホン、Falcon Max。
年をまたいでしまいましたが、2023年の年末に購入したものです。
高域の再生能力に優れるとされるMEMSドライバー+低域用のダイナミックドライバーを積んだハイブリッド構成のTWS。
機能面ではアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載し、2台同時接続可能なマルチポイントにも対応。
ハイレゾコーデックのLDACとaptX Adaptiveに両対応しているなど、音質・機能の両面で期待度の高い本作。
44,000円もする高級完全ワイヤレスイヤホンだけあってスペックは相当なものです。
価格が近く、ライバルとなりそうなTechnics AZ80やSONY WF-1000XM5などと比較しつつチェックしていきます。
- Noble Audio Falcon Maxのスペック・特徴
- Falcon Maxの外観・付属品チェック
- Noble Audio Falcon Max 測定データ
- Falcon MaxをEAH-AZ80・WF-1000XM5と比較レビュー
- Falcon Max 総合評価
Noble Audio Falcon Maxのスペック・特徴
Falcon Maxの特徴
https://nobleaudio.jp/falcon-max/
『特徴』
- 高域の再生能力に優れたxMEMS Labs製「Cowell」MEMSドライバーを採用
- 低域用には10mm径「Dual-Layered LCP Driver」を採用
- 最新世代のQualcomm製SoC「QCC5171」を搭載
- Snapdragon Sound・aptX Lossless・aptX Voice・LE Audioに対応
- 第3世代Adaptive ANC:ユーザーの身体の動きや周囲の環境に応じてリアルタイムでNC効果を動的に変化させ快適性や音質を向上させる
- 「Full-band ambient mode」:Noble Audio史上最高レベルの外音取り込みを目指して従来機よりも広帯域で外音取り込みをすることで周囲の音がより聞きやすくなった
- 世界初のハイレゾコーデック両対応:aptX AdaptiveとLDACの両対応
EAH-AZ80・WF-1000XM5とのスペック比較表
Falcon Max (Amazonリンク) |
EAH-AZ80 (Amazonリンク) |
WF-1000XM5 (Amazonリンク) |
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定価 | 44,000円 | 36,600円 | 41,800円 |
連続再生時間 |
ANC OFF |
ANC ON 7時間 24時間(ケース込) |
ANC ON 8時間 36時間(ケース込) |
ドライバー | MEMSドライバー 10mmDD |
10mmDD | 8.4mmDD |
コーデック | SBC / AAC / aptX /aptX Adaptive /apt X Lossless / LDAC / LC3 | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC / LC3 |
防水性能 | IP54 | IPX4 | IPX4 |
ノイキャン | ○ | ○ | ○ |
マルチポイント | ○ (2台) |
○ (3台) |
○ (2台) |
専用アプリ | ○ (対応予定) |
○ | ○ |
低遅延モード | - | ○ | - |
ワイヤレス充電 | ○ | ○ | ○ |
急速充電 | 15分充電 →60分再生 |
15分充電 →70分再生 |
5分充電 →60分再生 |
話題のMEMSドライバーを積んだハイブリッドドライバー構成。
対応コーデックの多さも目を引きます。
ただ連続再生時間がちょっと短めなのは人によっては気になるかもしれません。
スペック的には文句なしに2024年現在の最新スペックといった感じです。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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Falcon Maxの外観・付属品チェック
Nobleでは上位モデルはFOCUSシリーズ・エントリーモデルはFalconシリーズという位置付けでしたが、MAXは4万円もするとあってかなり高級感のある仕上がりになっています。
イヤホン本体
タッチ操作式。
イヤーピースはフォームタイプが標準採用されています。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
イヤホンケース
ワイヤレス充電対応。
急速充電により15分の充電で1時間の再生が可能です。
イヤホンがもの凄く取り出しにくいのが難点。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
外箱・付属品
付属品リスト
- 収納ポーチ
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- クイックスタートガイド(WEB版説明書はコチラ(PDF))
Noble Audio Falcon Max 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:30.5mm 横:67.2mm 高さ:36.4mm 三辺合計:134.1mm |
重さ | イヤホン:5.7g ケース:39.6g |
Falcon Maxのイヤホンケースはかなりコンパクトな部類に入ります。
ポケットにも軽々収まるサイズ感です。
イヤホンは最近のものとしてはやや大きめ。
重さは普通くらいですね。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 272ms(SBC) 318ms(AAC) 281ms(aptX) 283ms(LDAC) 349(aptX Adaptive) |
318ms(AAC) |
低遅延時 | 134ms(aptX Adaptive) | - |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時の最小遅延=約0.134秒
- iPhone接続時の最小遅延=約0.318秒
aptX Adaptiveの低遅延モードは接続が不安定な時・ゲームや動画視聴時に自動で切り替わります。
aptX Adaptiveで接続するとゲームや動画もストレスなく楽しめます。
その他のコーデックではゲームは厳しいですが、YoutubeやNetflixなどアプリ側で遅延補正してくれるものは動画も大丈夫です。
(iPhoneでYoutubeアプリを使う場合を除く→詳細)
なお、Falcon MAXは低遅延が売りのLE Audioでも接続できるのですが、LC3でつなぐと音がでなかったり挙動がおかしくなってうまく測定できませんでした。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
○ | Spinfit CP360(M) 後継→OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) 後継→Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
◯ |
(自分がよく使うイヤーピースとの対応表です)
多くのイヤーピースと適合します。
デフォルトがフォームタイプのイヤーピースで装着感がめちゃくちゃ良いわけではないので、色々試してみましたが…
個人的には音質的な兼ね合いもあって標準のイヤーピースがいいかなと感じました。
Falcon MaxをEAH-AZ80・WF-1000XM5と比較レビュー
音質評価
寒色系のサウンド。
音場は広いです。
高音に強い一方で低音に弱点があると言われるMEMSドライバーですが、低域用のダイナミックドライバーとハイブリッドすることでその弱点を補っているようです。
実際、低域はかなりの量感と迫力があります。
ただ、やはり特徴的なのは中音、高音ですね。
高音は非常に艷やかで綺麗に伸びます。
芯もしっかりと感じられ、繊細かつ力強い。
ボーカルも非常に色っぽくて聴き応えがありますし、輪郭の描き方がうまいなぁと。
しかし、中音、高音が輪郭をくっきりはっきりと描くのに対して、低音はやや緩い感じなのがちょいと気になるところ。
WF-1000XM5と聴き比べるとWF-1000XM5の方が低音の締り、レスポンスが良くキビキビと鳴ります。
一方で中音高音はMaxのほうがかなり明瞭で、トータルではMaxのほうが良い音だと感じます。
WF-1000XM5の低音とFalcon Maxの中音・高音が合わさったら最高なのになぁと言う感じです。
EAH-AZ80と聴き比べてもやはり低音はEAH-AZ80のほうが輪郭をしっかり捉えられます。
中音高音はFalcon Maxのほうが艶感が感じられる点で上かなと思いました。
トータルとしては僅かながらFalcon Maxが上という感じです。
MEMSドライバーを積んでいるからといって別次元の音というわけでは無いかなと。
綺麗な音で凄く良いですけどね。
Falcon Max>EAH-AZ80>WF-1000XM5
音質 |
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9.8/10 |
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ノイズキャンセリング機能の比較
かなり強力なノイズキャンセリングです。
低音ノイズだけでなく、ノイキャンの効きにくい中音・高音ノイズも結構カットしてくれます。
デフォルトでフォームタイプのイヤーピースを採用していることもあって、遮音性が高いのも大きいですね。
Adaptive ANCの反応も割と良く、騒音が大きくなるとそれに連れてノイキャン強度もしっかり連動してきます。
ノイキャンを比較するとWF-1000XM5がやはり頭1つ、2つ抜けています。
EAH-AZ80と比べてもまだ少し劣るかなという印象。
他のANCイヤホンとの比較ではBeats Studio Buds+よりやや効いているかなという感じです。
高音質なTWSとしてはかなり強力なノイキャンと言えます。
ただし、音楽を流せば気にならない程度ですが、無音時にピーというノイズが入ることがあり(入らないときもある)耳栓代わりに使うには向かないと思います。
WF-1000XM5>>EAH-AZ80>Falcon Max
(参考:Noble Audio Falcon Maxのノイズキャンセリングの強さを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度比較表)
ノイキャン |
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9/10 |
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外音取り込み機能の評価
外音取り込み機能をONにするとサーというノイズが入ります。
取り込み具合も自然な感じとはやや違い、人の声はこもった感じに聞こえます。
アナウンスなど大きな音声は問題ありませんが、喋っている相手の声が小さいと聞こえにくいかもしれません。
機能としては十分使えるレベルですが、値段を考えれば不満の残る出来栄えです。
EAH-AZ80>WF-1000XM5>>Falcon Max
外音取り込み |
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8/10 |
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装着感評価
見た目は割と綺麗に収まります
装着感は悪くはないです。
思っていたよりは良いかなと感じたくらいですが、高級機としては良くもないという感じですかね。
長いノズルを耳に挿すように装着します。
Falconらしい装着感といえますが、結構好みは分かれると思います。
結構大きめのイヤホンでフォームタイプのイヤーピースということもあり、みっちり耳に詰まったような感覚。
安定感はばっちりですが軽めの装着感が好きな人には窮屈に感じることでしょう。
同じフォームタイプでも小型で耳への収まりの良いWF-1000XM5。
コンチャフィット形状で耳穴に乗せるように装着するEAH-AZ80。
どちらと比べても装着感はいま一歩と感じました。
WF-1000XM5>EAH-AZ80>Falcon Max
装着感 |
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8/10 |
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マイク性能・通話品質について
通話品質は率直に言って良くないです。
喋るたびにビリビリとなって聞くのがしんどい感じ。
周囲のノイズ処理も甘い印象。
あまり通話で使いたいとは思わないですね。
通話関連はEAH-AZ80が強いです。
3台同時接続可能だったりノイズ処理の強度を調整できたりと機能面でも優れています。
WF-1000XM5は機械で処理した感じのボイスですが、クリアで無難な仕上がりといったところ。
EAH-AZ80>WF-1000XM5>>Falcon Max
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
L側 | R側 | |
1クリック | 再生/停止 | 再生/停止 |
2クリック | 音量DOWN | 曲送り |
3クリック | 音量UP | 曲戻し |
長押し | Siri | モード切替 ・ノイキャン ・外音取り込み ・ノーマル |
基本的な操作は全てイヤホンから行うことができます。
アプリで操作方法のカスタマイズができるようになったら、個人的には音量UPとDOWNの配置を入れ替えたいです。
あとはRの長押しでノイキャンと外音取り込みを切り替えるのですが、切り替えるのに結構時間がかかるのが少しだけ気になりました。
2秒の長押しのあと、ガイダンスが入って実際に切り替わるまで5秒くらいでしょうか。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリの機能
- 動作モード設定
- ノイズコントロール
- マスターゲイン調整
- 動作モード調整
- イコライザー設定
- タッチセンサー操作設定
- ファームウェアアップデート
2024年1月現在、まだアプリは配信されていません。
今後提供予定のようです。
使って気付いた注意点
Xperia 5 IV(LE Audio対応機種?)で音量調整ができない点と対処法
Xperia 5 IVとFalcon Maxをつなぐと音量を前後させても音量が全く変化しませんでした。
Pixelなど他のスマホでは問題なし。
ただ、マルチポイント接続した状態でサブ機で音量を変化させてみたらXperiaのほうでも音量が調整できるようになりました。
それに伴って?接続できるコーデックからLC 3が消えていたので、もしかしたらLE Audioに対応している端末でこの不具合が起きるのかなぁと思ったり。
特定のコーデックで接続できなくなる
急にLDACでしか接続できなくなったりします。
aptX Adaptiveで繋いでも低遅延モードで固定されてしまうことがあったり、コーデックの挙動はかなり怪しいです。
おかしくなるたびにリセットしないと治らないのが中々辛いところ。
たぶんアプリが配信されれば解決する問題だとは思いますが…。
マルチポイントは割り込み不可
マルチポイント中の割り込みはできませんでした。
Aで音を出している最中にBで音を出しても自動で切り替わることはありません。
Aの音を止めてからBで音を出すという感じです。
Falcon Max 総合評価
メイン機能評価
音質 |
|
9.8/10 |
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ノイキャン |
|
9/10 |
外音取り込み |
|
8/10 |
装着感 |
|
8/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
比較結果
Falcon Max | EAH-AZ80 | WF-1000XM5 | |
音質 | 9.8/10 | 9.7/10 | 9.6/10 |
ノイキャン | 9/10 | 9/10 | 10/10 |
外音取り込み | 8/10 | 9.5/10 | 9.5/10 |
装着感 | 8/10 | 8.5/10 | 9/10 |
総評 | 8.5/10 | 10/10 | 10/10 |
総評
Falcon Maxはこんな方におすすめです。
- はっとするような綺麗な高音が好み
- 音質とノイキャンを両立したものが良い
- 話題のMEMSドライバーを試したい
音はとても良いです。
しかし、ノイズが入ることがあったりコーデックが安定しなかったりと粗が目立つのが残念。
イヤホンがケースから取り出しにくいのも地味にストレスですしね。
その辺、そつなく仕上がっているTechnics EAH-AZ80やSONY WF-1000XM5と比べるとどうしても総合力は見劣りすると感じます。
そしてそれを補うほど図抜けた高音質かというと…個人的にはそうでもないかなと。
音質最重視という方や綺麗な高音が好みな方には良いとは思いますが、買うにしてもアプリが出てからでも良いかもです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。