- 格安ながらSnapdragon Sound対応
- 2台同時接続可能なマルチポイントにも対応
- クリアな中音域
- イコライザーが全く役に立たない
- 通話はクリアながら環境ノイズに弱い
- おもちゃのようなチープな質感
総合評価 |
|
7.5/10 |
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TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはQCYの完全ワイヤレスイヤホン、T18。
5000円以下の格安ながら2台同時接続可能なマルチポイントとSnapdragon Soundに対応。
(Snapdragon Sound=aptX Adaptive(96kHz/24bit)+高音質音声通話aptX Voiceの両対応パッケージ)
スペック上はおそろしいコストパフォーマンスにみえるTWSです。
個人的にはaptX Voiceとマルチポイントに対応している点が気になって購入してみました。
格安で2台同接×高い通話性能となれば、ビジネスマンには良い選択肢となりそうです。
QCYには同じような価格帯でHT05というノイズキャンセリングを搭載した人気モデルがあるので、そちらと比較しつつ紹介していきます。
(定価はHT05の方がお高いですが今では同程度の値段)
QCY T18の外観チェック
イヤホン本体
gif動画で雰囲気をチェック
イヤホンケース
QCY HT05とのサイズ感比較
付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用USB Type-Cケーブル
- 説明書類
QCY T18のスペックと測定結果
QCY T18とHT05のスペック比較表
T18 | HT05 | |
価格 | 4,280円 | 4,580円 |
連続再生時間 | 7時間 30時間(ケース込) |
8時間 30時間(ケース込) |
ドライバー | 10mmダイナミック | 10mmダイナミック |
コーデック | SBC AAC aptX Adaptive (96kHz/24bit) |
SBC AAC |
防水性能 | IPX5 | IPX5 |
ノイキャン | ✕ | ○ |
外音取り込み機能 | ✕ | ○ |
マルチポイント | ○ | ✕ |
専用アプリ | ○ | ○ |
低遅延モード | ○ | ○ |
(価格はAmazon 2023/3/21 タイムセール中の価格)
T18はQualcommのQCC3050チップスを搭載し、Snapdragon Soundに対応しています。
これは低価格帯では破格といえます。
一方でHT05は高機能なノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能を搭載。
その代わりハイレゾやマルチポイントには未対応です。
機能的にはどちらも甲乙つけがたい感じになっています。
あとは音質の差はどの程度あるのか、通話品質はどうなのか。
このへんは実際に使い比べてチェックしていきます。
aptX Adaptive(24bit/96kHz)接続を時の連続再生時間・電池残量の推移
aptX Adaptive(24bit/96kHz)で音楽を再生。
30分経過で残量100%、1時間経過で90%という表示でした。
これはアプリでの電池残量表記ですが、余り正確な数値を刻んではくれないようです。
10数パー減っていると考えると6~7時間の再生が可能ということになりますね。
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:58.6mm 横:53.7mm 高さ:26.3mm |
重さ | イヤホン:4.7g ケース:33.4g |
イヤホン・ケース共にかなり軽くてコンパクトです。
落としたりしたら一発で壊れそうなチープさが気になるところですが‥。
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 226ms/252ms (SBC)/(aptX Adaptive高音質モード) |
287ms (AAC) |
低遅延時 | 約100ms (aptX Adaptive低遅延モード) |
- 100ms=0.1秒です。
- この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。 - aptX Adaptive低遅延モードのみトランスミッターを使用。
アプリで測定できないため簡易的な遅延測定を行っており、約○msと表記しています。
aptX Adaptiveで接続できる端末では動画やゲームも問題ないでしょう。
音ゲーはやや厳しいくらいの遅延です。
SBC接続の場合やAACで接続されるiPhoneではやや遅延が気になる数値。
ただ、YoutubeやNetflixなどアプリ側で遅延補正してくれるものに関しては動画視聴も大丈夫です。
(iPhoneはYoutubeアプリの遅延補正が効かないのでブラウザから観る必要があります)
詳細⇒【iPhone】音ズレ対処法!BluetoothイヤホンでYouTube動画を観ると遅延が気になる問題の原因と解決策
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
△ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
△ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
○ | Spinfit CP360(M) |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) |
△ |
(自分がよく使うTWSイヤーピース+SONYのイヤピ2種との対応表です)
楕円形のノズルですが手持ちのどのイヤーピースも装着できました。
付属のイヤーピースがペコペコなので装着感がイマイチと感じたら変えてあげるとだいぶ違うと思います。
個人的にはfinal TYPE Eがよく馴染みました。
△としたイヤーピースはケース内で少し浮きます。
ただ、ケースのフタを閉めれば普通に充電可能です。
QCY T18の詳細レビュー
音質評価
aptX Adaptive(24bit/96kHz)で再生。
バランス型のHT05と比べて中音域にフォーカスした音作りになっています。
HT05よりかなり中音域が明るく、aptX Adaptiveの効果もあってか声に生々しさも感じられます。
しかし、低音の量感は控えめで締まりも不足気味。
にじむような感じでもわっとしています。
高音域もハイレゾの恩恵を余り感じないですね。
さほど伸びてきませんし繊細さも感じ取れません。
せっかくのSnapdragon Sound対応イヤホンですが、同程度の値段ならHT05の方が楽しく聴けるかなぁというのが正直な感想です。
装着感の評価
比較的軽めの付け心地です。
ただ、イヤーピースの項目でも触れましたが付属のイヤーピースがぺこぺこでフィット感がちょっと不足気味かなと。
激しく動いたりすると外れてしまいそうになります。
合わないと感じたらイヤピの交換を視野に入れてみてください。
マイク性能・通話品質について
aptX Voiceに対応しているだけあって声の質は生にかなり近いです。
非常にクリアといえるでしょう。
ただ、CVC8.0ノイズキャンセリングの処理があまりうまくいっていない様子。
周囲で大きなノイズが発生すると処理するたびに人の声も消してしまうし通話自体も乱れます。
静かな部屋の中で使う分には非常に快適ですが、雑踏の中ではその性能をうまく発揮できない印象でした。
マルチポイントの使用感について
T18のマルチポイントは割り込みが可能なタイプです。
多くのTWSのマルチポイントは以下のような仕様のものが多いです
- デバイスAで音楽を再生中にデバイスBで音楽を再生しようとしても出来ない
- デバイスAの音楽を止めてからデバイスBの音楽を再生する必要がある
デバイスBで再生するためには一度待機状態にしないといけないわけです。
低価格帯でマルチポイント対応という点でライバルとなるEarFun Air Sなどもそうです。
T18の場合は
- デバイスAで音楽を再生中にデバイスBの音楽を再生可能
- ⇒デバイスAの音楽は自動停止してデバイスBの音楽が流れる
このように待機状態にしなくても割り込んで再生することが可能です。
専用アプリ【QCY】の主な機能
ホーム画面
イコライザー機能
5つのプリセットとカスタムイコライザー。
イコライザーはONにすると一気に音質が低下するので使用はおすすめしません。
カスタムで何もいじらない状態でもモヤがかかったかのような音質になります。
HT05でも同様の現象が起きます。
その他の機能
操作のカスタマイズは自由に設定可能
アプリ総評
ゲームモードはイヤホンから呼び出せますしイコライザーが役に立たないので、余り使う機会はないかもしれません。
最初に操作のカスタマイズだけ済ませたら用済みかなぁという印象です。
QCY T18の使い方と注意点
【クリックで表示】
ペアリング方法
マルチポイント接続方法
- デバイスAと接続します
- イヤホンをケースに収納しフタを閉じます
- デバイスAのBluetoothを一旦OFFにします
- イヤホンケースを開くとペアリングモードに入るのでデバイスBと接続します
- デバイスAのBluetoothをONにし繋ぎ直します
- 2台同時接続完了です
リセット方法
充電方法
付属の充電用ケーブルで充電できます。
5分の充電で1時間再生可能な急速充電に対応しています。
操作方法
L側 | R側 | |
1クリック | - | - |
2クリック | 再生/停止 | 再生/停止 |
3クリック | ボイスアシスタント | ゲームモード |
長押し | 曲戻し | 曲送り |
専用アプリから操作方法を自由に設定可能です。
デフォルトでは1クリックが無効になっています。
なのでそこに音量調整を入れてあげるとすべての操作をイヤホンから操作可能となります。
注意点:アプリの利用には会員登録が必要
専用アプリをダウンロードして開くと以下の画面が出てきます。
アプリくらい会員登録なしで使わせてほしいものですね‥。
僕は少し前から登録していますが、今のところ広告メールがきたり迷惑メールがきたりといったことはありません。
総合評価
メイン機能評価
音質 |
|
7/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
-/10 |
外音取り込み |
|
-/10 |
装着感 |
|
7/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 |
S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
QCY T18はSnapdragon Sound対応の格安完全ワイヤレスイヤホン。
自分としてはマルチポイントとaptX Voiceに対応した安価な通話特化型を期待して購入しました。
しかし周囲の雑音に弱すぎるのが特化というにはちょっと使いにくいかなぁと。
静かなところでしか通話しないのであれば想定通りの良い仕事をしてくれますが‥。
音質面でもドライバー性能的な限界かハイレゾの恩恵を充分には感じられませんでした。
HT05と比べた時にどちらが良いかと言われたら
- そもそも96kHz/24bitのaptX Adaptiveは導入ハードルが高い
- 注目の音質・通話性能の面で期待したほどのインパクトはなかった
- HT05のノイキャン・外音取り込み機能が優秀
以上のような理由でHT05の方が良いかなと思います。
代替候補について
格安マルチポイント対応TWSとしての代替候補について。
QCY T18は価格の面では最安クラスですが、総合力ではEarFun Air Sの方がおすすめです。
1000円ほど高くなってしまいますが、ノイズキャンセリング付きや外音取り込み機能も有り。
低音の量感もしっかりしていて切れの良いサウンドを聴かせてくれます。
今回は以上です。
また次回のレビューでお会いしましょう。