- 音質・ノイキャンなど全ての機能のレベルが高い
- 非常に多機能、これ1つでなんでもこなせる
- シックで高級感のあるデザイン
- センサーの感度が高すぎて誤作動が起きやすい
総合評価 |
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9/10 |
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こんにちは、猫居です。
今回レビューするのは2023年9月22日発売のワイヤレスヘッドホン、JBL TOUR ONE M2。
TOUR ONEの後継機となるJBLの新たなフラッグシップモデルですね。
自分に合う自分だけのヘッドホンにパーソナライズできる機能を豊富に揃え、JBL独自のサウンドテクノロジーを惜しみなく搭載したとのこと。
各機能の使い勝手や音質、装着感など詳しくチェックしていきます。
JBL TOUR ONE M2のスペック・外観チェック
スペック表と特徴
TOUR ONE M2 | |
定価 | 39,600円 |
連続再生時間 | 30時間(ANC/ON) 50時間(ANC/OFF) |
ドライバー | ハイレゾ対応40mm(PU+LCP) |
コーデック | SBC AAC (LC3/LC3+対応予定) |
防水性能 | - |
ノイキャン | ○ |
マルチポイント | ○ |
専用アプリ | ○ |
低遅延モード | ○ |
その他の機能 |
急速充電(10分→5時間) Personi-Fi 2.0 パーソナルサウンドアンプリフィケーション機能 スマートトーク JBL空間サウンド |
【TOUR ONE M2】の特徴
-
パーソナライズ機能「Personi-Fi 2.0」で自分に合ったサウンドを提供
- 周囲の環境音を敢えて15~20dB増幅する電子補聴器的機能「パーソナルサウンドアンプリフィケーション機能」
- 振動板に軽量でありながら剛性の高さを誇る素材、PU(ポリウレタン)とLCP(液晶ポリマー)を採用した40mm径ドライバーを搭載
- ノイズキャンセリングレベルをリアルタイムで補正する「リアルタイム補正」機能を搭載。前モデルと比較し最大約3倍のノイズキャンセリング性能
- 音声に反応し自動でトークスルーモードに移行する「スマートトーク」機能
- 劇場・コンサート・スタジオにいるような感覚が味わえる独自技術「JBL空間サウンド」
- 2台同時接続可能なマルチポイントに対応
メモ
JBLのフラッグシップモデルに相応しい超多機能モデル。
2023年10月時点ではハイレゾ再生は有線接続のみという点に注意ですね。
今後アップデートでLC3+に対応したときにBluetooth接続でもハイレゾ相当の再生が可能になります。
ただし現時点では次世代規格であるLE Audio(LC3、LC3+)で接続できるスマホがほとんどない上に接続が安定しないなど問題も多い模様。
あまりLC3やLC3+を当てにして購入するものではないと思います。
外観・内容物のチェック
ヘッドホン本体
JBLのトレードマークといえるオレンジカラーなし。
らしからぬシックさ。
非常に高級感があって素敵です。
クッションは合皮ですかね。
非常にしっとりとした柔らかさで質感は良いです。
ヘッドバンドは12段階の調整が可能。
折りたたむとかなり小さくなります。
キャリングケース
キャリングケースもシックでカッコ良く仕上がっています。
付属品はケース内に全て収納可能。
外箱・付属品
付属品リスト
- オーディオケーブル(3.5mm)
- フライトアダプター
- USB Type-C充電用ケーブル
- 説明書類
JBL TOUR ONE M2 測定データ
重さ・サイズ実測値
サイズ | 縦:20.4cm 横:15.0cm |
重さ | 278.1g |
多機能なハイエンドヘッドホンとしては結構コンパクトなサイズ感です。
重さはこのクラスのヘッドホンとしては標準的。
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 251ms(SBC) | 264ms(AAC) |
低遅延時 | 120ms(SBC) | 198ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Androidでの遅延:約0.12秒
- iPhoneでの遅延:約0.198秒
TOUR ONE M2ではビデオモードにすることで低遅延化することができます。
Androidでは動画やゲームプレイにほぼ支障がないレベルの遅延。
音ゲーはちょっと厳しいですが。
iPhoneではゲームをするには遅延が気になるかなというところ。
動画視聴はNetflixなどの動画アプリではアプリ側で遅延補正されるので問題ありません。
(iPhoneでYoutubeアプリを使う場合を除く)
詳細⇒【iPhone】音ズレ対処法!BluetoothイヤホンでYouTube動画を観ると遅延が気になる問題の原因と解決策
なお、ビデオモードはアプリから切り替え可能です。
JBL TOUR ONE M2 詳細レビュー
音質評価
フラッグシップモデルに相応しい高解像でライブ感あるサウンド。
Bluetooth接続時と有線接続時でわりと表情の違う音になります。
Bluetooth接続時はやや寒色系でフラット寄り。
低音・中音・高音と非常にバランスが良いです。
適度な量感でぐっと引き締まった低音は余韻よりもレスポンス重視。
中音は厚く、ボーカルや楽器の表現力はかなり高いと感じます。
高音域もハイレゾ無しにも関わらず粒立ち良く明瞭です。
音場はそこそこ広く、ある程度空間を感じられるくらいの音場感。
優等生な感じの低音で均整の取れた音。
高級機に相応しい雰囲気を持った上質なサウンドながら、若干JBLっぽくはないかな?とも感じられます。
しかし有線接続すると“らしさ”がぐっと顔を出します。
有線接続してハイレゾ再生すると全体的に熱量がUP。
特にベースの力強さ、ボーカルの生々しさ、高音域の明瞭感はやはり有線のほうが聴きごたえがあります。
有線→無線で単純に音が痩せてしまうのではなく、それぞれに特徴を持たせてあるのが良いですね。
それぞれに良さがあるので気分や曲によって使い分けていけそうだと感じました。
音質 |
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9.2/10 |
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「JBL空間サウンド」について
- ムービー
- ミュージック
- ゲーミング
の3種類を選べるJBL独自の空間オーディオ的な機能。
ムービーやゲーミングでは低音の臨場感が増し、残響感なども出てかなり迫力が増します。
ミュージックは…
TOUR PRO 2のレビューでも同じことを書きましたが、かなり違和感の強い空間表現。
不自然に音場が広がる感じが自分は好みではないので使っていないです。
こちらはいまいちと言わざる得ないですね。
ノイズキャンセリング機能の比較
前モデルの約3倍になったというノイズキャンセリング機能。
試してみると確かにかなり強力です。
特にノイキャンで残りやすい中音・高音に対する効果が強めな印象。
大きなノイズも大幅にカットして気にならないレベルまで抑えてくれます。
ただ最強クラスのノイキャンとまではいかないですね。
普段つけているノイキャンランキングでいうとBeats Studio Buds+と同じくらい。
Studio Buds+よりわずかに高音ノイズへの処理がうまく、逆にわずかに低音ノイズへの処理は甘いといった感じです。
ノイキャン |
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8.5/10 |
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(参考:おすすめがわかる!ノイズキャンセリングイヤホンのノイキャン強度ランキング)
外音取り込み機能の評価
アンビエントアウェアとトークスルーの2種類の外音取り込みモードが用意されています。
マイクで取り込んだ感が少ない、かなり自然な取り込み音です。
取り込み量も充分。
ヘッドホンをしたまま会話をしたりTVを見たりすることができます。
厳密に言えば少しだけ高音部分にカサつくところがあり、その点がAirPods Proのような全く違和感のない外音取り込みとの差といえます。
外音取り込み |
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9/10 |
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「スマートトーク」について
自分の声に反応して自動でトークスルーモードに入る機能。
ソニーのヘッドホンやイヤホンでも「スピーク・トゥ・チャット」という名前で同様の機能がありますね。(例:WF-1000XM5,WH-1000XM4)
ちょっと感度が高すぎて咳払いをしたり鼻をすすっただけでONになってしまい、その度にトークスルーモードになってしまうので使いにくいかなという印象。
イヤホンと違ってヘッドホンをしたまま会話をするということが自分の場合はまず無いのでこの機能はすぐにOFFにしてしまいました…。
装着感評価
側圧もそれほど強くなく、イヤーパッド・ヘッドバンドのクッションの質感も良いため装着感は非常に良好です。
長時間つけていてもそれほど頭が疲れることもなかったです。
結構前のヘッドホンになりますが、JBLのEVEREST 300の頃は側圧きつくて自分は合わないなあと思っていたので、その頃と比べて装着感はめちゃくちゃ進化していますね。
装着感 |
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9/10 |
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マイク性能・通話品質について
非常にクリアな音声です。
ぼそぼそ喋ってもしっかりクリアに相手に届いていました。
周囲のノイズにも強く、どこで通話するにも使っていける感じでした。
2台同時接続可能なマルチポイントにも対応しているのでヘッドホンで通話したい場合にも大活躍するでしょう。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
ANC操作 (L側) |
TAP操作 (R側) |
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1クリック | モード入り替え ・ノイズキャンセリング ・アンビエントアウェア |
再生/停止 |
2クリック | トークスルー | 曲送り |
3クリック | 曲戻し | |
長押し(2秒) | SilentNow (電源OFFで長押し) |
音声アシスタント |
左がノイズコントール関連、右が再生関連となっています。
タップ操作はボタンを手探りする必要がないという点で非常に便利です。
ただ、感度が高すぎるせいかちょっと手が当たっただけで再生/停止が反応してしまうという困った一面も。
アプリでタッチの感度を調整できたらもっと良かったかなぁという印象です。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【JBL Headphones】の主な機能
アプリで使える主な機能一覧
- ノイズコントール
- Personi-Fi 2.0
- イコライザー
- 低音量ダイナミックEQ
- 空間サウンド
- スマートトーク
- ボイスアウェア
- スマートオーディオ&ビデオ
- SilentNow
- 自動再生&一時停止
- パーソナルサウンドアンプリフィケーション
- 左右のサウンドバランス
- 最大音量リミッター
ホーム画面
Personi-Fi 2.0
聴力テストを行って音質を個人に最適化する機能です。
音は結構明確に変化します。
↑のスクリーンショットにあるようにある程度静かなところで行う必要があるようです。
イコライザー
5つのプリセットとカスタムEQで自分好みに設定することもできます。
低音量ダイナミックEQ
低音量にすると痩せてしまいがちな低音域と高音域を増強。
低音量でもしっかりと芯のあるサウンドが聴けるようになります。
ヤマハ TW-E7Bのリスニングケアと同じような機能。
あちらはON/OFF切り替えはできませんが、TOUR ONE M2はアプリで制御可能。
SilentNow
新幹線や飛行機で寝るときに使う機能ですね。
BluetoothをOFFにし音楽も止めてノイズキャンセリング機能だけをONにします。
パーソナルサウンドアンプリフィケーション
周囲の音を増幅し、ヘッドホンをしていないときよりむしろ周囲の音が聞こえやすくなるという機能。
左右バランスを調整できるところもただの外音取り込み機能とは違うところですね。
使って気付いた注意点まとめ
- マルチポイントの挙動
- 有線接続時のノイズキャンセリング・ハイレゾの挙動
1.
TOUR ONE M2のマルチポイントは割り込み不可でした。
Bで音楽を流したい場合はAの音楽を止めてから出ないといけません。
2.
有線接続時もノイズキャンセリング機能が使えます。
ただし、ノイズキャンセリング機能をONにするとハイレゾ再生はできなくなるようです。
ハイレゾ再生するならノイキャンOFFということですね。
総合評価
メイン機能評価
音質 |
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9.2/10 |
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ノイキャン |
|
8.5/10 |
外音取り込み |
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9/10 |
装着感 |
|
9/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評
JBLらしく全ての機能をしっかり高レベルに仕上げてきたという印象です。
スマートトークやタッチ操作の感度が高すぎて誤作動してしまう点は玉に瑕ですが、スマートトークはOFF、タッチ操作は慣れである程度カバーが可能。
他社の全部入りハイエンドBluetoothヘッドホン(SONYやゼンハイザーなど)が軒並み4万円を大きく上回る中、3万円台で買えるというのもポイントかと思います。
高機能Bluetoothヘッドホンをコスパ良く楽しみたいという方におすすめの一品です。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。