- 非常に重くて深い重低音を味わえる
- 優秀なプリセット:6つのイヤホンを使い分ける感覚で楽しめる
- 高音質+マルチポイント対応
- ノイズキャンセリング機能は無し
総合評価 |
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9/10 |
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TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはaudio-technicaの完全ワイヤレスイヤホン、ATH-CKS30TW。
発売時の価格は約13,000円。
結論からいってしまうと予想していたよりずっと良かったです。
大ヒットした兄弟機ATH-CKS50TWからノイズキャンセリング機能を抜き、低価格化とサイズの小型化を図ったようなミドルクラスのイヤホンなのですが‥
値段の差があまりないことからノイキャン付きのATH-CKS50TWでいいじゃんという見方が強かったと思います。
自分もあまり注目していませんでした。
でも、実際に使ってみると非常に良いです。
ATH-CKS50TWのノイキャンはかなり弱めなので、あの程度ならばっさりカットして音質と使い勝手を重視したイヤホンとして出す。
そういったコンセプトも理解できます。
個人的にはATH-CKS50TWよりおすすめです。
詳細レビューについては目次以降をご覧ください。
- audio-technica ATH-CKS30TWの外観チェック
- audio-technica ATH-CKS30TWのスペックと測定結果
- audio-technica ATH-CKS30TWの詳細レビュー
- audio-technica ATH-CKS30TWの使い方と注意点
- メリット・デメリットのまとめ
- 総合評価と代替候補
audio-technica ATH-CKS30TWの外観チェック
イヤホン本体
gif動画で雰囲気をチェック
イヤホンケース
付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- 説明書類
audio-technica ATH-CKS30TWのスペックと測定結果
ATH-CKS30TWとATH-CKS50TWのスペック比較表
ATH-CKS30TW | ATH-CKS50TW | |
価格 | 11,273円 | 14,000円 |
連続再生時間 | 7.5時間 20時間(ケース込) |
20時間 50時間(ケース込) |
コーデック | SBC AAC |
SBC AAC aptX aptX Adaptive |
防水性能 | IP55 | IPX4 |
ノイキャン | ✕ | ○ |
マルチポイント | ○ | ○ |
専用アプリ | ○ | ○ |
低遅延モード | ○ | ○ |
比較すると兄弟機ATH-CKS50TWの連続再生時間20時間は驚異的。
(ノイズキャンセリングON時は15時間)
ケースの大きいATH-CKS50TWではイヤホン単体で持ち運ぶ選択肢も出来て便利ではあります。
ATH-CKS30TWはケースがそもそも超コンパクトなので普通にケースごと持ち歩いても全く邪魔になりません。
普通に使う限りでは7.5時間も連続再生できれば十分でしょう。
また、ATH-CKS50TWのノイズキャンセリングはかなり弱いのであまり期待はしないほうが良いです。
あとは値段の差、サイズの差をどう見るかですね。
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:22.6mm 横:58.9mm 高さ:38.9mm |
重さ | イヤホン:4.4g ケース:27.7g |
ATH-CKS30TWはTWSの中でトップクラスにコンパクトで軽量です。
ATH-CKS50TWはイヤホン8g、ケース60gなのでどちらも約2倍ほど違いがあります。
遅延測定結果
- ノーマル時=308ms
- 低遅延モード時=140ms
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え記載しています。
約0.14秒の遅延です。
音ゲーなどのシビアなタイミングを要求されるゲームは厳しいですが、普通のゲームは問題なくプレイできるでしょう。
もちろん動画視聴も大丈夫です。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
○ | Spinfit CP360(M) |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) |
○ |
(自分がよく使うTWS用イヤーピース+SONYイヤピ2種の対応表です)
すべてのイヤーピースが問題なく装着できました。
個人的にはデフォルトのイヤーピースで軽さとフィット性が両立されていて気に入りました。
フィット感強めのほうが好みの場合はウレタンチップを使ってみてもいいかもしれません。
audio-technica ATH-CKS30TWの詳細レビュー
音質評価
重低音を謳うSOLID BASSシリーズですがデフォルトの状態は重低音ではありません。
Lボタン2秒長押しでイコライザーをONすることで重低音サウンドになります。
まずデフォルトの音質から。
ややクール寄りなサウンド。
低音の量感は並くらい。
控え目まではいかなくて十分存在感のある低音です。
ただ重低音とも言えない。
どちらかといえば厚みのある中音、ボーカルの明瞭さのほうが立っているかなと。
高音もミドルクラスのTWSとしては中々。
自然な伸びやかさを感じる好印象な音です。
オーテクハイエンドのATH-TWX9と比べると高音域の明瞭感に差を感じますが、ATH-TWX9は約3万円ですからね。
この価格帯では非常にバランスの取れた良い音だと思います。
次にイコライザーの初期設定となっている『BASS BOOST Deep』。
(5種類のプリセットをイコライザーにセットできるようになっています)
ATH-CKS30TWでもっとも重低音の出る設定です。
非常に重くて深い重低音が出るようになります。
中高音はその分落ちますが、それでも中華イヤホンの高音の雑さを紛らわす低音サウンドよりずっと整っていて明瞭です。
個人的には『BASS BOOST Beat』の方が中高音の明瞭感を残しつつキレのある重低音を聴かせるサウンドでSOLID BASSっぽいかなと思います。
どのプリセットもしっかりチューニングされていて色々な音を楽しめるのは大きな魅力です。
外音取り込み機能の評価
2種類の外音取り込み機能
ヒアスルーとトークスルーの2種類の外音取り込み機能が用意されています。
ヒアスルーは外音取り込み量をバーで調整できるタイプ。
『ながら聴き』に適した調整ができます。
トークスルーは人の声にフォーカスして外音を取り込む機能です。
再生中の音楽の音量も自動で落ちるので1操作ですぐにアナウンスなどを聞くことができます。
外音取り込みの質について
外音取り込みは取り込み量MAXだと高音がサーっとカサついてちょっと不自然になります。
サーっとならない程度まで取り込み量を落とすとどうでしょう。
取り込み時の違和感は減りますが、取り込む量がイヤホンをしていないときより下がります。
イヤホンをしていないときの音量を100とすると外音の取り込み量は85~90くらいかな?という聞こえ方。
テレビのアナウンサーみたいにハキハキ喋ってくれると問題ありませんが、ちょっとボソボソした喋り声だと聞こえにくいときもあるかもしれません。
装着感は圧迫感少なく快適
圧迫感のない軽いつけ心地です。
長時間つけっぱなしにしていても耳が疲れません。
装着感の軽さの割にフィット性もある程度あり。
ジョギング程度の運動なら問題なくこなせそうです。
激しい運動にはちょっと心許ないかな?
総合的に装着感はとても優秀だと思います。
マイク性能・通話品質について
マイク性能については公式であまりアピールされていませんでしたが、こちらも優秀。
クリアな音声でボソボソ喋ってもかなりはっきり相手に聞こえます。
周囲の環境音を除去するノイズリダクションはそれほど効いていないかな?
お皿が重なる音なども結構届いていました。
それ以上に声がはっきり聞こえるので問題ないという感じです。
通話品質は良好と言えるでしょう。
使える専用アプリ【Connect】の主な機能
アプリホーム画面
イコライザー機能
5種類のプリセットが用意されています。
Bass Boost Deep
デフォルトで設定されてるもっとも重低音サウンドのプリセット。
さらに強度を3種類選択することも可能。
重低音をMAXにするとこのようにグラフも変化。
Bass Boost Beat
キレの良い低音と明瞭感ある中高音が特徴。
一番ソリッドベースっぽい音はこれだと思います。
Dynamic
所謂ドンシャリの効いたサウンドに変化します。
Vocal
すっきりとした美音サウンド。
デフォルトから低音を抑えて中音・高音はぐっと明るくなります。
特にボーカルがもっとも明瞭で美しく聴けます。
個人的にかなり好き。
Clear
かなりおとなしめなサウンド。
楽器の音の響きを楽しみたいときにおすすめです。
ボリュームステップ
細かくボリュームステップを設定可能です。
左右バランス調整
左右のバランス調整まで可能。
操作のカスタマイズ
長押し操作のみ操作方法を好みに設定することが出来ます。
アプリ総評
この他に低遅延モードのON/OFFや外音取り込みモードの設定等があります。
イコライザーのカスタマイズが無いので自分で好きに調整することはできませんが、プリセットが非常に優秀。
5つのイヤホンを使い分けている感覚です。
ボリュームステップや左右のバランス調整も他のイヤホンにはあまりない機能。
音質重視派には嬉しい設計です。
また、『製品を探す』機能で最後に接続した場所がわかるようになっています。
よくイヤホンを無くす人には神機能かもしれません。
audio-technica ATH-CKS30TWの使い方と注意点
ペアリング方法
マルチポイント接続方法
2台同時接続可能なマルチポイントの接続方法です。
- 1台目のデバイスとペアリングします
- 1台目とのペアリングが完了後、30秒以内に2台目とペアリングを行います
30秒以内に2台目とペアリングしなければならないというのがポイントです。
なぜこんな仕様なのかはよくわかりませんが‥。
リセット方法
充電方法
付属の充電用ケーブルで充電できます。
接続端子はUSB Type-C。
操作方法
L側 | R側 | |
1クリック | 音量UP | 再生/停止 |
2クリック | 音量DOWN | 曲送り |
3クリック | - | 曲戻し |
長押し(2秒) <カスタマイズ可能> |
イコライザー | トークスルー |
専用アプリから長押し操作のみ操作方法を自由に設定可能です。
イコライザー・外音取り込み・低遅延モード。
多くの場合、この3つの中から2つを選ぶ形になると思います。
L側の3クリックが空いているのに‥
そこまで使用頻度の高いわけじゃない低遅延モードをそこに入れれば良かったじゃあないか‥!
と思わずにいられないのですが 笑
注意点1:デフォルトは重低音ではない
これは使う際の注意点というか試聴する際の注意点に近いかもしれませんが‥。
L側ボタン2秒長押しでイコライザーをONにしないと謳い文句の重低音サウンドにはなりません。
ソリッドベースシリーズってあまり重低音じゃないなという製品も過去にあったので、試聴段階でデフォルトだけ聴いて重低音好きに見限られてしまう可能性もありそうかなと。
メリット・デメリットのまとめ
ATH-CKS30TWを選ぶメリット
非常に重くて深い重低音を味わえる
謳い文句に違わぬ重低音楽しめます。
非常に重みのある低音からキレ重視の低音まで、種類も選べて満足度は高いと思います。
優秀なプリセット:6つのイヤホンを使い分ける感覚で楽しめる
6つのプリセットがそれぞれ良い持ち味を出してくれます。
重低音だけでなくフラット寄りの美音まで、このイヤホン1つで楽しめる。
個人的に1番気に入ったポイントです。
高音質+マルチポイント対応
最近は1万円を切るくらいの低価格帯にもマルチポイント対応TWSがいくつか出てきました。
しかし、高音質でマルチポイント対応という条件ならATH-CKS30TWよりコスパの良いイヤホンは今のところあまりないんじゃないでしょうか。
ATH-CKS30TWを選ぶデメリット
ノイズキャンセリング機能は無し
割り切った機能でコンパクト化したイヤホンなのでノイズキャンセリングはありません。
代替候補については総評にて。
総合評価と代替候補
メイン機能評価
音質 |
|
8.4/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
-/10 |
外音取り込み |
|
8.5/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 |
S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
ATH-CKS30TWは重低音サウンドもバランスの取れた音もどちらもハイレベルに楽しめる、音質と使い勝手に優れた完全ワイヤレスイヤホン。
優秀なプリセットイコライザーが非常に魅力的です。
軽い付け心地にコンパクトなケースも実用性抜群。
マルチポイントもありますし、通話もクリアです。
ノイキャン不要派には予算15000円以内のTWSではトップクラスにオススメできます。
代替候補について
ノイズキャンセリングも欲しい場合はノイキャン付きの兄弟機ATH-CKS50TWだとあまり効果を実感できず納得感のない買い物になってしまうかも。
同価格帯で重低音+マルチポイント+強力ノイズキャンセリングという条件ならAVIOT TE-D01Vあたりが良い候補かと思います。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。