- 価格帯最高クラスの高音質
- 3台同時接続可能なマルチポイントに対応
- 装着感・使い勝手・デザイン◎
- ノイキャンはあまり強力とは言えない
- LDAC+ノイキャンON時の再生時間が3.5時間と短め
総合評価 |
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9.5/10 |
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こんにちは、猫居です。
今回レビューするのは2023年10月19日発売の完全ワイヤレスイヤホン、Technics EAH-AZ40M2。
Technicsはパナソニックの高級オーディオブランドで、AZ40M2はエントリーモデルながら約1,5万円とこのブログの分類上はミドルクラスTWSの価格帯となります。
ノイズキャンセリング機能にマルチポイント(3台)、ハイレゾ再生と欲しい機能が全部入り。
特に3台同時接続可能なマルチポイント対応TWSとしては最安となるため、この一点だけでも価値がありそうです。
今年発売のTechnicsのハイエンドTWS【EAH-AZ80】は現時点でもっとも完成度の高い完全ワイヤレスイヤホンといえるほどの出来栄えでしたが、AZ40M2の方はどうでしょうか。
詳しくチェックしていきます。
Technics EAH-AZ40M2のスペック・外観チェック
スペック表と特徴
EAH-AZ40M2 | |
価格 | 15,000円 |
連続再生時間 | AAC・ANC ON 5.5時間 18時間(ケース込) LDAC・ANC ON 3.5時間 12時間(ケース込) |
ドライバー | 6mm |
コーデック | SBC・AAC・LDAC |
防水性能 | IPX4 |
ノイキャン | ○ |
マルチポイント | ○ (3台まで可) |
専用アプリ | ○ |
低遅延モード | ○ |
その他の機能 | 急速充電(15分→1時間) Google Fast Pair Swift Pair |
特徴
- 直径6 mmのPEEK振動板を採用し、自然で厚みのある高音質を実現
- ハイエンドモデルにも採用、テクニクスの高音質技術を継承した独自の音響構造「アコースティックコントロールチャンバー」「ハーモナイザー」を搭載
- 周囲の雑音を打ち消すアクティブノイズキャンセリング機能搭載
- LDAC対応でハイレゾ音質も楽しめる
- イコライザー回路を経由せず音質劣化を低減するダイレクトモード搭載
- 3台同時接続可能なマルチポイント機能
(公式ページ:https://jp.technics.com/products/tws/az40m2/より)
前作EAH-AZ40との主な違い
- ハイレゾ再生に対応(LDAC)
- 上位モデルにも採用されたダイレクトモードを搭載
- ノイズキャンセリング機能を搭載
- マルチポイントの同時接続台数が増加(2→3)
- JustMyVoiceテクノロジーに非対応となった
メモ
全体的に前作から機能・性能の両面で向上が見込めます。
ただし、発話者の声だけを高精度に検出する音声解析テクノロジー『JustMyVoice』には非対応となりました。
これにより音声通話の品質はどの程度のものとなるのか。
その辺りもしっかりチェックしていきます。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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外観・内容物のチェック
イヤホン本体
イヤホンは値段の割にかなり高級感が感じられて格好良いです。
触ると上位機種とはやはり質感に差はあるんですが、ぱっと見た感じではほとんどわからないのではないでしょうか。
イヤホンケース
高級感の感じられるイヤホンに比べてケースはお値段なりな質感でしょうか。
ただ非常にコンパクトで軽いです。
上位機種AZ80との比較
イヤホン・ケース共に上位機種よりかなりコンパクトなのがわかります。
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- 説明書類
Technics EAH-AZ40M2 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:32.2mm 横:67.5mm 高さ:27.1mm 三辺合計:126.8mm |
重さ | イヤホン:4.4g ケース:30.5g |
イヤホン・ケース共に非常に軽量かつコンパクト。
完全ワイヤレスイヤホン全体を見渡してもTOPクラスに小型です。
(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホンのケースサイズ比較表)
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
自動 | 256ms(LDAC) 270ms(SBC) |
342ms(AAC) |
音切れ抑制 | 524ms(LDAC) 525ms(SBC) |
592ms(AAC) |
低遅延 | 180ms(LDAC) 273ms(SBC) |
341ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時の最低遅延:約0.18秒(LDAC)
- iPhone接続時の最低遅延:約0.341秒(AAC)
AZ40M2には音切れ・遅延を抑制するための3種類のモードが用意されています。
上位機種のAZ80でもそうなのですが、低遅延モードにしてもコーデックがSBC・AACの場合は効果が感じられません。
LDAC接続のときだけ明らかに遅延が減ります。
また、LDACの低遅延モードでもゲームプレイや動画視聴でぎりぎり許容範囲の遅延といったところ。
それ以外のコーデックでは明らかな遅延を感じるのでゲームは厳しいです。
ただ、動画視聴はYoutubeやNetflixなどアプリ側で遅延補正してくれるものは問題ありません。
(iPhoneでYoutubeアプリを使う場合を除く)
詳細⇒【iPhone】音ズレ対処法!BluetoothイヤホンでYouTube動画を観ると遅延が気になる問題の原因と解決策
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
- | Spinfit CP360(M) 後継→OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) 後継→Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
○ |
(自分がよく使うイヤーピースとの対応表です)
ほとんどイヤーピースが装着できました。
ただ、AZ40M2はAZ80と同等のイヤーピースがデフォルトで着いています。
これが結構優れものなので付属品が耳に合えば充分良いと感じます。
LDAC+ノイキャンON時の連続再生時間・電池残量の推移
LDAC+ANC ONで1時間音楽を再生して約20%の電池消耗。
- 0-30分で7%減
- 30-60分で13%減
といった感じでしたので、概ね公称値通りの連続再生時間3.5時間くらいといえそうです。
平日は問題ないでしょうが休日使いっぱなしだと途中で充電が必要になる場合もありそうです。
また、急速充電も15分で1時間再生分。
最近では5分で1時間再生可能な急速充電を備えたTWSもあるのでやや遅いと言えます。
Technics EAH-AZ40M2 詳細レビュー
音質評価
試聴機で事前に視聴していた友達からコレは良いぞ!と言われていたので期待していたのですが…
…本当に良いですね!
1万円台の完全ワイヤレスイヤホンとは思えないほど高解像で澄んだ音。
ややクール寄りでバランスの良いサウンドといえます。
音場はそこそこ広めです。
全域に渡って力強く、ハキハキと鳴ります。
しかし刺さりや荒っぽさは全然なく、エントリーモデルといえどもTechnicsらしい上質なサウンドに仕上がっています。
特に中高域・女性ボーカルの表現力が非常に高く、凄く綺麗です。
上位機種のAZ80と聴き比べると高音域の明瞭感や繊細な表現力などは劣ります。
ただ、モニターライクなAZ80よりリスニング向けのサウンドになっているので人によってはAZ40M2の方が楽しく聴ける可能性もあるかなと。
余韻を楽しむタイプではないのでジャズやクラシックを良く聴く方は同価格帯ではゼンハイザー CX Plus True Wirelessの方が良いと思いますが、総合的にはこの価格帯で最高峰と言える出来栄えです。
音質 |
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9.1/10 |
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ノイズキャンセリング機能の比較
AZ80が強力なノイズキャンセリングだったので勝手に期待していたのですが、思ったほどではありませんでした。
小さなノイズは消せますが大きいノイズに対しては多少和らげるのが精一杯。
あまり強力なノイズキャンセリングとは言えません。
他のイヤホンとの比較では同価格帯のVictor HA-FX150Tとあまり変わらないくらい。
公称値で-28dBを謳うノイキャンイヤホンと同程度といった感じでした。
Technicsの公式ではAZ80がノイキャン★5なのに対してAZ40M2はノイキャン★4と書かれていましたが…
それは無いんじゃないかな~という印象です。
★2~3くらいが妥当ではないでしょうか。
https://jp.technics.com/products/tws/az40m2/
(参考:Technics EAH-AZ40M2のノイズキャンセリングを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度ランキング)
ノイキャン |
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4/10 |
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外音取り込み機能の評価
2種類の外音取り込みモードが用意されています。
外音取り込み時に音楽を一時停止するかどうか選択できるのが便利です。
外音取り込み機能は違和感は多少ありますが、実用的に使えるレベルです。
イヤホンをしていない状態ときの音量を10とすると、外音取り込みモード時の音量は9くらいに落ちる印象。
また、多少音がカラッとした感じにはなり、サーっというマイクで集音したようなノイズも少し入ります。
ただ、イヤホンをしたままアナウンスを聞くことはもちろん会話をすることも問題なく出来ました。
上位機種ほどの滑らかさはありませんが、この価格帯のヒアスルーとしては悪くない方だと思います。
外音取り込み |
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8.5/10 |
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装着感評価
非常にコンパクトなイヤホンなので耳にすんなり収まってくれます。
フィット感良く、圧迫感も感じにくい良質な付け心地です。
装着感に関しては明らかに上位機種のAZ80よりAZ40M2の方がいいと感じます。
装着感 |
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9/10 |
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マイク性能・通話品質について
前作では対応していたJustMyVoiceテクノロジーに非対応になったことでどうなるかと思いましたが…
やや加工したような音声でしたが充分クリアに通話が可能でした。
風切り音に非常に強く、扇風機を直当てしても問題なし。
周囲のノイズは通話ノイズキャンセリング『ふつう』だと結構ダイレクトに拾ってしまう印象。
状況に応じて切り替えて使うといいかと思います。
通話時のノイキャン強度を選択可能
通話ノイキャンが強いと自分のようにぼそぼそ喋るタイプの人は言葉尻が途切れがち
なので強度を選べるのは凄くありがたい機能です
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
L側 | R側 | |
1クリック | 再生/停止 | 再生/停止 |
2クリック | 音量- | 曲送り |
3クリック | 音量+ | 曲戻し |
長押し |
音声アシスタント | モード切り替え ノイキャン 外音取り込み |
基本操作を全てイヤホンから操作可能。
また、操作方法をカスタマイズすることもできるので好みの配置に変えることもできます。
メモリをたくさん使う必要があるとかで割当できる操作の種類を絞っているイヤホンも少なくないのですが、AZ40M2は割当できる操作の種類も豊富で非常に優秀と言えます。
操作性 | S・A・B・C・D |
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マルチポイントの挙動について
AZ40M2のマルチポイントは割り込み可能でした。
デバイスAで音楽を鳴らしている最中にデバイスBから音を出すと自動でデバイスAの音が止まり、デバイスBから音が出ます。
専用アプリ【Technics Audio Connect】の主な機能
主な機能一覧
- 外音コントロール
- イコライザー
- マルチポイント
- 接続モード
- 「探す」機能
- 通話ノイキャンの強度選択
- 音切れ・遅延の抑制機能
- 操作方法のカスタマイズ
ホーム画面
外音コントロール
上位機種のようにノイキャン強度や外音取り込みの量を調整することはできません。
(↓AZ80の外音コントロール画面)
イコライザー
基本のダイレクトモードの他、5つのプリセットとカスタムEQが用意されています。
マルチポイント
3台まで同時接続が可能。
3台同時接続時はLDACを使用できない点に注意です。
接続モード
LDACに対応しているデバイスを使っていても接続モードでLDACをONにしないとLDAC接続になりません。
「探す」機能
使って気付いた注意点
- マルチポイント3台同時接続中はLDACを使えない
- LDAC+ノイキャンONでの連続再生時間について
1.
便利な3台同時接続マルチポイント機能ですが、3台同時接続を選ぶとLDACで接続することはできません。(=ハイレゾ再生不可)
2.
LDAC+ノイキャンONでは連続再生時間が3.5時間しかもたないため、長時間利用にはやや不安があります。
出先で長い時間利用するときは連続再生時間が5時間以上になるSBCやAACに切り替えて使うというのも選択肢の1つかなと思います。
総合評価
メイン機能評価
音質 |
|
9.1/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
4/10 |
外音取り込み |
|
8.5/10 |
装着感 |
|
9/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評
Technics EAH-AZ40M2はこんな方におすすめです。
- なるべく安価に上質なサウンドを楽しみたい
- 装着感や使い勝手も犠牲にしたくない
- マルチポイントで3台同時接続したい
1万円台の高音質完全ワイヤレスイヤホンといえばfinalのZE3000が定番ですが、あちらは機能は何もない・タッチ操作に癖があるといった感じで使い勝手が良いとは言い難い部分がありました。
それに比べてAZ40M2は高音質で使い勝手も良い、とても優秀なイヤホンです。
ノイズキャンセリングの強度はやや期待外れでしたが、音質重視で選ぶTWSとしては1万円台で最高峰の出来栄えだと思います。
非常におすすめです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。