- 音声通話に特化!クリアでストレスのない通話が可能
- トランスミッター機能でBluetooth機能のない機器もワイヤレス化
- 挿すだけですぐ接続!ドングル接続で2台同時接続できる
- ボーカルの聴きやすさ重視でボーカル以外の音がやや遠い
- ケースに厚みがありポケットに入れると存在感大きめ
総合評価 |
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7.5/10 |
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更新日:2023年6月19日 一部スペックに誤りがあったのでスペック表を修正しました。
TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはビデオ会議デバイスの大手POLYからリリースされた完全ワイヤレスイヤホン『VOYAGER FREE 60シリーズ』。
“仕事にも日常にも使える”をコンセプトとしたVOYAGER FREE 60シリーズは以下の3種類が販売されています。
- VOYAGER FREE 60
- VOYAGER FREE 60 UC
- VOYAGER FREE 60+ UC
このうちの最上位機種VOYAGER FREE 60+ UCのサンプルをお借りしたのでこちらを紹介していきます。
VOYAGER FREE 60+ UCはタッチスクリーン付きケースやトランスミッター機能、ドングル接続と非常に多くの機能を搭載したTWS。
シリーズの違いについても触れつつ、音質や機能など詳しくチェックしていきます。
本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
なお、今回レビューするVOYAGER FREE 60+ UCはAmazon専売パッケージです。
他の量販店パッケージや業務用パッケージとはパッケージ内容に若干違いがあるそうです。
- POLY VOYAGER FREE 60・FREE 60 UC・FREE 60+ UCの違い・スペック比較表
- POLY VOYAGER FREE 60+ UCの外観チェック
- POLY VOYAGER FREE 60シリーズ共通部分に関するレビュー
- VOYAGER FREE 60 UC・FREE 60+ UCで使える機能に関するレビュー
- VOYAGER FREE 60+ UCでのみ使える機能に関するレビュー
- 総評
POLY VOYAGER FREE 60・FREE 60 UC・FREE 60+ UCの違い・スペック比較表
FREE 60 | FREE 60 UC | FREE 60+ UC | |
価格 (Amazon) |
29,700円 | 34,100円 | 41,800円 |
連続再生時間 | 8時間 (ANC利用時) 16時間 (ケース込) |
8時間 (ANC利用時) 16時間 (ケース込) |
8時間 (ANC利用時) 16時間 (ケース込) |
防水防塵 | IP54 | IP54 | IP54 |
コーデック | SBC aac aptX |
SBC aac aptX |
SBC aac aptX |
ノイキャン | ○ | ○ | ○ |
専用アプリ | ○ | ○ | ○ |
マルチポイント* | ○ | ○ | ○ |
スマート充電ケース | ✕ | ✕ | ○ |
Bluetoothトランスミッター機能** | ✕ | ✕ | ○ |
ワイヤレス充電 | ○ | ○ | ○ |
音質や連続再生時間などオーディオ性能は共通です。
2台同時接続可能なマルチポイント接続はドングル(BT700C Bluetoothアダプター)が付属するFREE 60 UCとFREE 60+ UCで可能。
FREE 60+ UCのみスマート充電ケースが付属するので、以下のケース独自の機能はFREE 60+ UCだけが利用できます。
- Qiワイヤレス充電機能
- Bluetoothトランスミッター機能
- イヤホンケース内にドングル収納
追記:ワイヤレス充電はスマート充電ケース・通常ケースのどちらも対応でした
*マルチポイントは最大2台までの接続をサポート。Bluetoothで2台同時接続でき、ドングルが付属する場合はBluetooth+ドングルによる同時待受が可能となります。
**Bluetoothトランスミッター機能はBluetooth LEでの接続となり、接続範囲は最大3m。端末からあまり離れずワイヤレス化する使い方、例えば飛行機の機内エンターテイメント端末をワイヤレスで利用といった使い方が想定されます。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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POLY VOYAGER FREE 60+ UCの外観チェック
イヤホンケース
イヤホン本体
重さ・サイズ 実測値
ケースサイズ | 縦:54.4mm 横:71.9mm 高さ:33.1mm |
重さ | イヤホン:5.8g ケース:65.4g |
ディスプレイを搭載していることもあってイヤホンケースはサイズ・重量ともにかなり大きめの数値になっています。
ポケットに入れた時かさばるのがやや気になりました。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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外箱・付属品
付属品リスト(amazon専売パッケージ)
- BT700C Bluetoothアダプター
(イヤホンケース内に収納) - USB TypeA 変換アダプタ
- USB-3.5mm オーディオケーブル
- USB 充電ケーブル
- イヤーピース
- クイックスタートガイド
POLY VOYAGER FREE 60シリーズ共通部分に関するレビュー
遅延測定結果(Bluetooth接続時)
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 231ms(SBC) 257ms(aptX) |
284ms(AAC) |
低遅延時 | - | - |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Androidでは約0.231~0.257秒の遅延
- iPhoneでは約0.284秒の遅延
Bluetooth接続時は低遅延モードがないのでそれなりに遅延します。
YoutubeやNetflixなど、アプリ側で遅延補正してくれる物なら動画視聴も問題ありません。
ゲームはやや厳しいかなという印象です。
音質評価
通話に特化したイヤホンなだけあり、ボーカルの聴きやすさを重視した音です。
情感はあまりなく、スッと耳に入ってくるクリアな音声。
高音もかなり綺麗に鳴りますし、低音も結構な量感があります。
しかし、低音も高音もボーカルの後ろで鳴るので遠く感じるのがちょっと気になります。
ボーカルのポジションは前のめりということもなく、比較的真ん中くらいの立ち位置。
なので割りと癖の強い音を鳴らすイヤホンといえそうです。
なお、イコライザーは【バス・フラット・ブライト】の3種類が用意されています。
バスはあまり変化を感じず、ブライトは高音域の明瞭感が僅かにあがるくらいの印象。
あまり低音の迫力を追求するタイプのイヤホンではないのでフラットかブライトで運用するのがいいかなぁと思います。
音質評価 |
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7.0/10 |
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ノイズキャンセリング機能の比較
ノイズキャンセリングはAdaptiveモードとStandardモードの2種類を選択できます。
ノイズキャンセリングの効果は結構高めです。
低音ノイズは大きくカット。
ノイキャンの効きにくい中音・高音ノイズもそれなりに遠ざけてくれます。
他のノイズキャンセリングTWSと比べてみると-42db評価のJBL TOUR PRO 2より高音ノイズをカットできているようです。
-43db評価のAnker Liberty 4と比べるとおおよそ同じような消音効果と感じました。
VOYAGER FREE 60+ UCのノイキャン効果も-43db相当と評価しておきます。
(参考:ノイズキャンセリングイヤホンの最強がわかる強度比較表)
ノイキャン |
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8.5/10 |
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外音取り込み機能評価
外音取り込み機能はEnvironmentモードとSpeechモードを選択できます。
Speechモードは人の声を聞き取りやすくするモードだと思いますが、やや雑味も強め。
Environmentモードはマイクで拾ったようなカサついた音はせず、比較的自然に外音が耳に入ってきます。
ただ、イヤホンをしていないときの音量を100とすると80くらいの音量で聞こえる感じ。
イヤホンをしたままアナウンスなどを聴くには問題ないのですが、人の声の場合は声量が小さいとちょっと聞き取りにくいかなと。
また、“ながら聴き”もかなり音楽の音量を抑えないと外音をかき消してしまうので最小音量に抑える必要がありました。
外音取り込み |
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8.5/10 |
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装着感評価
浅い位置でしっかりフィットする構造になっています。
カナル型特有の圧迫感を感じにくい付け心地です。
会議などで使うことを1番に想定されたイヤホンなのである程度長時間の着用でも耳疲れしないようになっています。
逆に運動などに使うことはあまり想定されていなさそうで、激しい動きにはちょっと不安があるかなと感じました。
装着感 |
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8/10 |
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マイク性能・通話品質について
通話機能が売りのイヤホンなだけに非常にクリアな音ではっきりと相手に声が届きます。
周囲の雑音も的確にカット。
ガサガサとした周囲の雑音は全く会話に乗らずに通話可能でした。
WindSmart テクノロジーのおかげか風切り音にも非常に強く、ちょっとやそっとの風はものともせずに通話可能。
ただ、リモコンのピッという高音だけは異様に鮮明に拾っていたのでパトカーや救急車が通過する瞬間などは割りと煩く感じるかもしれません。
通話中に自分の声が聞こえるサイドトーンの調整など通話関連の機能も豊富でヘッドセットとしての機能はTWSの中でも随一と感じました。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法・操作性評価
- スティック上部のスワイプ操作
- スティック下部の物理ボタン押し込み
この2箇所でコントロールします。
左右共通 | |
物理ボタン | 再生/停止 |
スワイプ (曲再生中) |
音量UP/DOWN |
スワイプ (待機中) |
モード切替 ・ノイキャン ・外音取り込み |
デフォルトでは曲送り/曲戻しが設定されていません。
専用アプリの操作カスタマイズで音量調節⇒曲送り/曲戻しに変更可能なので変えたほうが個人的には使いやすいかなと感じました。
音量の変更はスマホ(VOYAGER FREE 60+ UCならスマート充電ケース)から行えばいいですし、曲変更できないと何かと不便なので。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ『Poly Lens』の主な機能
Android用・iOS用・PC用、それぞれアプリが用意されています。
VOYAGER FREE 60+ UCの場合、スマート充電ケースでアプリ機能のほぼ全てを操作可能(イコライザーと操作カスタマイズ以外)。
スマート充電ケースで操作したほうが早くて便利でした。
ホーム画面
イコライザー機能
音質評価の項目でも書いた通り、イコライザーはバス・フラット・ブライトの3種類が用意されています。
操作方法のカスタマイズ
操作カスタマイズは左右別々には出来ず、選択肢も少ないです。
カスタマイズ性は低めですね。
ANC・外音取り込み機能のモード変更
VOYAGER FREE 60 UC・FREE 60+ UCで使える機能に関するレビュー
Qiワイヤレス充電
スマート充電ケースのみワイヤレス充電が可能となっています。
追記:スマート充電ケースだけでなく通常ケースでもワイヤレス充電が可能でした
置くだけで充電できるのは当然便利ですし、ケーブルを抜き差ししてケースを傷つけることもなくなります。
ドングル(BT700C Bluetoothアダプター)接続確認
Androidスマホ
USB Type-Cに対応したスマートフォンで使用可能です。
BT700C Bluetoothアダプターを接続すればすぐに使用できました。
PC
付属するTypeAアダプタとBT700C Bluetoothアダプターを繋いでパソコンと接続します。
こちらも問題なく使用できました。
ゲーム機(ニンテンドーSwitch・PlayStation 5)
ニンテンドースイッチに接続すると『PC CONNECTED』と接続を認識した音声案内が入るのですが、イヤホンから音が再生できませんでした。
PS5では問題なく使用可能でした。
ドングル(BT700C Bluetoothアダプター)使用時の遅延
スマホにBT700C Bluetoothアダプターで接続した時の遅延について。
ドングル接続時は遅延測定ツールが使えないので音が出る瞬間をカメラで撮影。
撮った動画をaviutlでコマ送りして音と映像の誤差をチェックします。
結果、Bluetooth接続時とほぼ変わらないくらい、約0.2秒ほど遅延しているのを確認しました。
VOYAGER FREE 60+ UCでのみ使える機能に関するレビュー
タッチスクリーン付きスマート充電ケース
イヤホンケース上のタッチスクリーンを使って様々な操作が可能です。
同様の機能を有しているJBL TOUR PRO 2はライトとして使える機能やスクリーンの壁紙を変更できる機能など遊びの要素もありましたが、VOYAGER FREE 60+ UCはシンプルにイヤホン関連の操作が詰め込まれています。
Bluetoothトランスミッター機能
例えばポータブルテレビなど、Bluetooth機能を備えていない物とスマート充電ケースを接続。
Bluetoothイヤホンでテレビの音を聞くことができます。
総評
メイン機能評価
音質 |
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7.0/10 |
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ノイキャン |
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8.5/10 |
外音取り込み |
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8.5/10 |
装着感 |
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8/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
ノイズキャンセリング・スマート充電ケース・ドングル接続・トランスミッター機能…
非常に多彩な機能を搭載しているだけにオールラウンダとして使いたくなるイヤホンですが、やはり一番の強みはマイク性能・通話品質の高さ。
- 完全ワイヤレスながら通話用ヘッドセットにも劣らないクリアな通話が可能
- ノイズに強く、TWSの利便性を活かしてどんな場所・場面でも活躍できる
これこそが VOYAGER FREE 60シリーズの最大のメリット。
FREE 60 UC・FREE 60+ UCではその上に便利な機能が追加されていくといった感じです。
音楽再生をメインに考えるとあまりコストパフォーマンスが良いとは言えませんが、通話をメインに使いたい方には超多機能で非常に便利なイヤホンだと思います。
TWSにマイク性能を求める方におすすめです。