- ゲーム時の音の迫力・遅延を感じない快適さ
- リスニング用としても優れたイヤホン性能
- ノイキャンや外音取り込みで通常TWSとしても活躍
- 低遅延目的のゲーム専用として使うなら若干割高
- イヤホンから音量調節出来ない(カスタマイズは可)
総合評価 |
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9/10 |
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更新日:2024年4月4日 最新の基準に合わせて総合評価を修正
TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはJBLの完全ワイヤレスイヤホン、Quantum TWS。
ゲーム中の小さな足音から爆発による轟音までリアルに再現するJBLのゲーミング用音響技術『Quantum Sound』を搭載。
さらに超低遅延な2.4GHz USBワイヤレスドングルで接続が可能。
まさにゲーミング特化といえる完全ワイヤレスイヤホンです。
しかし、通常の完全ワイヤレスイヤホンとしてもノイズキャンセリング機能など欲しい機能が充実。
ゲームだけでなく普通のTWSとしても十分に使えそうなスペックを備えている点が気になって購入してみました。
ドングルタイプの超低遅延TWSとしてはAnker Soundcore VR P10。
通常の完全ワイヤレスイヤホンとしては同じJBLのLive Free 2。
これらが同じくらいの価格帯に当たるのでそれぞれ比較しながらレビューしていきたいと思います。
- JBL Quantum TWSの外観チェック
- JBL Quantum TWSのスペックと測定結果
- JBL Quantum TWSの詳細レビュー
- JBL Quantum TWSの使い方と注意点
- メリット・デメリットのまとめ
- 総合評価と代替候補
JBL Quantum TWSの外観チェック
イヤホン本体
gif動画で雰囲気をチェック
イヤホンケース
付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用USB Type-Cケーブル
- 説明書類
JBL Quantum TWSのスペックと測定結果
ゲーミングTWSスペック比較表
JBL QUANTUM TWS |
Anker Soundcore VR P10 |
|
価格 | 18,000円 | 14,990円 |
連続再生時間 | 8時間 24時間(ケース込) |
6時間 24時間(ケース込) |
コーデック | SBC AAC |
SBC AAC LC3 (ドングル接続時のみ) |
防水性能 | IPX4 | IPX4 |
ノイキャン | ○ | ✕ |
2台同時接続 | ○ | ○ |
専用アプリ | ○ | ○ |
低遅延モード (Bluetooth接続時) |
○ | ✕ |
公称遅延値 | 50ms | 30ms |
(価格は2023/2/22のAmazon販売価格を参考)
- ノイズキャンセリングの有無
- 遅延の差
- 価格差
この3つが主な違いとなります。
通常イヤホンとしても使いたい場合はノイズキャンセリングの有無は大きな違いとなるでしょう。
ゲーミング性能を追求したい場合は僅かでも遅延を小さくしたいところでしょうか。
実際の使用感については後述します。
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:41.5mm 横:76.4mm 高さ:29.0mm |
重さ | イヤホン:5.6g ケース:41.7g |
ケースは手のひらに収まるくらいのサイズ感です。
単純なケースサイズはSoundcore VR P10の方が小さいのですが‥
VR P10は丸っこいデザインなのでノーマルな形状のQuantum TWSの方が持ち運びやすく感じます。
遅延測定結果
ドングル接続時の遅延
ドングル接続していると普段測定に使っているアプリが反応しないため数値が出せません。
そこでオーディオテスターを使った遅延テストの様子を動画撮影。
aviutlで動画をコマ送りして音が鳴った瞬間をみてみることにしました。
色々雑な検証で正確な測定とは到底いえないのですが‥
ちょっとした目安としてご覧ください。
まずは有線イヤホン時の遅延結果
Quantum TWS(ドングル接続時)の遅延
比較参考:Soundcore VR P10の遅延
体感遅延について
実際にゲームで使ってみましたが少なくとも自分では遅延があることがわからないレベルの遅延です。
オンラインでの対戦などでも快適にゲームがプレイできました。
ただ、ほんの僅かな遅延が命取りになるようなガチ勢の世界でプレイしている方にはより遅延が少ないSoundcore VR P10ほうが良いのかもしれません。
Bluetooth接続時の遅延
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 309ms (SBC) |
372ms (AAC) |
低遅延時 | 280ms (SBC ゲームモード) |
347ms (AAC ゲームモード) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
この測定データはBluetooth接続時の遅延結果です。
ドングル接続時とは違いBluetooth接続時はかなり遅延大きめ。
ゲームモードにしてもAndroid・iPhone共にゲームで使うには厳しい数値。
Youtubeなどアプリ側で遅延補正してくれるものなら動画視聴は問題無いです。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
✕ | Spinfit CP360(M) |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) |
✕ |
(自分がよく使うTWSイヤーピース+SONYのイヤピ2種との対応表です)
楕円形のノズルなので一部のイヤーピースはかなり強引に装着する必要がありました。
JBL Quantum TWSの詳細レビュー
Quantum TWSのゲーミング性能をSoundcore VR P10と比較
ドングル接続時の遅延の違い
公称遅延値の差は20ms(0.02秒)。
実際にゲームで使ってみると‥
正直自分にはどちらも全く遅延があるのがわかりませんでした。
なので使用感に差は感じないというのが正直な感想です。
ただ遅延測定結果の項目で載せた画像の通り、やはり若干ですがSoundcore VR P10の方が遅延は少ないようです。
物凄いシビアなタイミングを競うガチ勢ならSoundcore VR P10。
一般人にはどちらも充分に実用レベルだと思います。
どちらも遅延を感じないほど低遅延
マイク・通話性能比較
どちらも非常にクリアな音声。
Quantum TWSの方が明るくハキハキした声に聞こえます。
Soundcore VR P10のほうはリアルな声にちかいトーン。
どちらが聞き取りやすいかでというとQuantum TWSかなぁ。
周囲の雑音をカットする能力もQuantum TWSの方が高かったです。
通話性能はQuantum TWSの方が優秀
操作性・使い勝手の比較
ドングル接続時の操作性
Quantum TWSはマイクのON/OFFをイヤホン操作で可能。
一方で再生/停止・曲送りや音量調整は行えません。
ゲーム操作に特化した操作方法と言えます。
Soundcore VR P10は再生/停止、音量調整、マイクなど好きな操作を設定可能。
ゲームだけでなく様々な用途での操作に最適化できます。
ドングル接続時の操作性はSoundcore VR P10の方が優秀
ゲーム中の通話
ゲーム中にスマートフォンに電話がかかったきた場合。
通話がかかってくるとQuantum TWSは通話が優先されます。
Soundcore VR P10は選択可能。
ゲームをしながら通話することもできますし、通話を優先することもできます。
ゲーム中に電話がかかってきた時の柔軟性はSoundcore VR P10の方が優秀
装着感の差
どちらも快適なつけ心地。
長時間着用していても疲れにくい構造になっています。
ただ、どちらがより軽い装着感かといえばSoundcore VR P10ですかね。
より軽くて疲れにくいつけ心地だと思います。
装着感はSoundcore VR P10の方が僅かに優れている
ゲームの臨場感・迫力
Quantum TWSは足音や爆発音の迫力を臨場感たっぷりに表現するQuantum Soundを搭載。
Soundcore VR P10はスーパーヒアリングという足音や銃声を強化するゲーム用モードがあります。
実際に聴き比べてみると‥
音の臨場感が段違いでQuantum TWSの方が良いです。
音の広がり・迫力があって方向性もわかりやすい。
じっくり比べるまでもなくQuantum TWSの方が優れているとわかります。
ゲームの臨場感・迫力はQuantum TWSの方が相当優れている
電池もち・連続再生時間について
公称値に違いはありますが、どちらも3時間くらいで切れますね。
自分もかなりゲームする方なので3時間だともたないんですよね‥。
ただQuantum TWSは急速充電15分でかなり電池が回復します。
少し休憩を挟む使い方なら問題なく運用可能です。
Soundcore VR P10は急速充電がないので素直に回復を待つしかありません。
バッテリーもちはQuantum TWSの方が優秀
ドングルの取り出しやすさ
ケース手前でさっと取り出せるQuantum TWS。
対してSoundcore VR P10はケースの奥側にあり、ちょっと取り出しにくいです。
指が太い人だと苦戦するかもしれません。
Quantum TWSの方がドングルを取り出しやすい
Quantum TWSとSoundcore VR P10の比較、総評
自分には遅延の差を感じないというのが大前提ですが、ゲーミングイヤホンとしての性能はQuantum TWSの方が優れていると感じました。
音の迫力があってどこから音が鳴っているか把握できる能力が高いのが良いです。
通話の待受をしながらゲームをする機会が多い場合やコストパフォーマンスを気にするならSoundcore VR P10の方が良いですかね。
個人的にはゲーミングイヤホンとしてはQuantum TWSの方が気に入りました。
Quantum TWSのオーディオ性能をLive Free 2と比較
ここからは普段通り、完全ワイヤレスイヤホンとしての性能をチェックしていきます。
音質評価
JBLらしい明瞭かつノリの良いサウンドであるLive Free 2との比較です。
Live Free 2の低音より深くて広がりのある低音になっています。
この辺はゲーミングイヤホンらしい、低音の特徴が出ているかなと感じます。
ただ低音を盛ってもしっかり中音・高音も埋もれず出ています。
その分、Live Free 2に比べて少し高音にキツさを感じますが‥
気になる場合はイコライザーで調整してあげるといいでしょう。
ボーカルはあまり情感こそ感じませんがクリアで量感もあり、Live Free 2より少し前のめりな印象。
全体的にLive Free 2より押し出しが強く、迫力・勢い重視な感じがします。
率直に言えば少し値段の安いLive Free 2の方が良い音だと思いますが、ゲーミング用途ではない通常のリスニングイヤホンとしても十分にレベルの高い音と言えるでしょう。
ノイズキャンセリング機能の比較
期待通りLive Free 2と同等のノイズキャンセリング性能でした。
低音ノイズをしっかりカット。
中音・高音にはそこそこの効き目ですが、-40db相当の効き目といえます。
1万円台の完全ワイヤレスイヤホンなら-40dbあれば全然合格ライン。
ゲーミングTWSながらノイズキャンセリングもしっかり実用レベルにあります。
<参考記事>
⇒【ノイキャン完全ワイヤレスイヤホンのおすすめと最強がわかる比較表】
外音取り込み機能の評価
こちらもLive Free 2とほぼ同じ使用感でした。
外音取り込み量を調整できるのでイヤホンをしてない時に近い、自然な外音取り込みにすることができます。
非常に使いやすく“ながら聴き”にも使えるレベルです。
専用アプリ【JBL Headphones】の主な機能
ホーム画面
ノイズキャンセリングの最適化
外耳道のテストをして最適化することができます。
手動でノイキャン強度の設定も可能です。
外音取り込みモードの設定
外音取り込み量も調整可能です。
イコライザー機能
6つのプリセットとカスタムイコライザーで好みの音に調整可能です。
操作方法のカスタマイズ
3つの操作パターンから2つを選択するタイプ。
好みの操作を割り振れるわけではありません。
詳細は後述の操作方法で説明します。
サイドトーン
通話中に聞こえる自分の声の音量を調節できます。
その他の機能一覧
アプリ総評
とにかく機能がてんこ盛りです。
イコライザーはもちろんのこと、装着感チェックやノイズキャンセリングの最適化もやって損はないと思います。
ノイキャンや外音取り込みの量が調節できるのもありがたいですし、非常に有用なアプリだと思います。
一方、操作方法のカスタマイズが自由に設定できるわけでは無いのは残念ポイント。
JBL Quantum TWSの使い方と注意点
クリックで詳細表示
ペアリング方法
ドングルとBluetoothで2台同時接続可能
例えばドングルでゲーム機と接続し、Bluetoothでスマホに接続といった使い方ができます。
電話がかかってくると電話のほうが優先されます。
PS5とドングルできることを確認
ニンテンドースイッチとドングル接続できることを確認
Androidスマートフォンとドングル接続できることを確認
iPhoneやPC・PS4との接続方法
PC・PS4ではUSB-C-USB-Aコンバーター(別売り)を使えば接続可能です。
iPhoneはUSB-C変換OTGアダプタで使えるようになります。
再ペアリング方法
イヤホンのセンサー部をタップしてから5秒間長押しで再ペアリング可能です。
充電方法
付属の充電用USB Type-Cケーブルで充電できます。
15分の充電で3時間再生可能な急速充電にも対応。
ワイヤレス充電には対応していません。
操作方法
Bluetooth接続時の操作方法
以下の3パターンの操作方法を左右に割り振って使う形になります。
デフォルトは
- L側=アンビエントサウンドの操作
- R側=再生の操作
となっています。
①アンビエントサウンドの操作
- 1タップ=音量UP
- 2タップ=音量DOWN
- 3タップ=ドングル・Bluetooth切替
- 長押し=音声アシスタント
②再生の操作
- 1タップ=ノイキャン・外音取込の切替
- 2タップ=トークスルー
- 3タップ=ドングル・Bluetooth切替
- 長押し=音声アシスタント
③音量コントロール
- 1タップ=再生/停止
- 2タップ=曲送り
- 3タップ=曲戻し
- 長押し=音声アシスタント
ドングル接続時の操作方法
L側 | R側 | |
1クリック |
モード切替 |
モード切替 ・ノイキャン ・外音取込 ・ノーマル |
2クリック | トークスルー | トークスルー |
3クリック | - | - |
長押し | マイクのON/OFF | マイクのON/OFF |
ドングリ接続時は曲送りも音量調整もできません。
アプリで操作を割り振ることも出来ません。
音量などは端末側から操作する必要があります。
注意点:イヤホンケースが傷つきやすいので要注意
3000円くらいのイヤホンケースみたいにすぐ傷がついてしまいます。
ちょっとしたことで細かい傷がすぐにつくのでサードパーティ製のケースをつけてみました。
1000円くらいでしたが結構有りかなと思っています。
説明書
メリット・デメリットのまとめ
クリックで詳細表示
JBL Quantum TWSを選ぶメリット
ゲーム時の音の迫力・遅延を感じない快適さ
本当にイヤホンか?と思うほどの迫力。
そして遅延を感じないのでコードがない快適さだけを享受できて非常に快適です。
リスニング用としても優れたイヤホン性能
深くて広がりのある低音とボリュームのある中音。
リスニング用としても迫力のあるサウンドが楽しめます。
ノイキャンや外音取り込みで通常TWSとしても活躍
ノイズキャンセリングに外音取り込み機能・イコライザー。
ドングル接続でマルチポイント的に2台同時接続もできます。
普通の完全ワイヤレスイヤホンとしても完成された性能です。
JBL Quantum TWSを選ぶデメリット
低遅延目的のゲーム専用として使うなら若干割高
低遅延具合とコストだけをゲーミング完全ワイヤレスイヤホンに求めるならSoundcore VR P10が15000円くらいですから、少し割高となります。
ただゲームプレイ時の音響性能も高いので値段差はあまり気にならないと思いますが‥
イヤホンから音量調節出来ない(カスタマイズは可)
ノイキャンや外音取り込みのモード切替操作が左。
再生関連の操作が右。
実質的に音量調整の操作を入れるスペースがありません。
もう少し細かくカスタマイズできるともっと便利に使えるのですが。
総合評価と代替候補
メイン機能評価
音質 |
|
8/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
8/10 |
外音取り込み |
|
9/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 |
S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
普通のTWSに搭載されている低遅延モード・ゲームモードではどうしても遅延を感じてしまいます。
しかしQuantum TWSがドングル接続ならではの超低遅延で遅延を感じません。
迫力のある音響効果もあってゲーミングイヤホンと呼ぶに相応しい出来栄え。
非常に臨場感があって楽しくゲームができます。
それだけにとどまらず、通常の完全ワイヤレスイヤホンとしても使える音質・性能なのが嬉しいところ。
見た目的にもゲーミングっぽさがなくて(ここ非常に重要)使いやすいと思います。
めっちゃゲームするって人じゃなくてもこれなら通常のTWSとして使いつつたまのゲームでも活躍するという感じで幅広い人にとって良きパートナーとなりそうです。
代替候補について
遅延の少なさを最優先にしたい・音ゲーなどを本格的にプレイするガチ勢の方にはより低遅延なSoundcore VR P10の方が最適でしょう。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。