- U1万円TWSでは上位に入る音質の良さ
- 低音の深みが増すBassモードが秀逸
- 超コンパクトで装着感抜群
- ノイキャンはそこまで強力ではない
- 操作方法に少し慣れが必要
- 説明書に一部の操作方法が載っていない
総合評価 |
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9/10 |
---|
投稿日:2022年5月28日
更新日:2022年9月1日 写真などの追加
完全ワイヤレスイヤホンコレクターの猫居です。
コレクターならではの『比較』を意識した視点でイヤホンの特徴をお伝えしていきます。
今回レビューするのはVictorの完全ワイヤレスイヤホン、HA-A30T。
Victor産でノイズキャンセリング機能付きながら1万円を切るエントリーモデルのTWSとなります。
“イヌホン”と呼ばれるかわいらしいデザインの良さも魅力です。
今回も評価・結論からみていきましょう。
メイン機能評価
音質 |
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7.8/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
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4/10 |
外音取り込み |
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8/10 |
装着感 |
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8/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
音質は1万円以下の完全ワイヤレスイヤホンの中では2022年8月時点でトップ3に入る良さだと思います。
充実した低音に整った中音・高音。
無闇に低音の量感を盛るのではなく深みを足してくれるBASSモード。
レベル高いです。
一方ノイズキャンセリングは1万円弱ということを考慮してもイマイチ。
5000円くらい出せば同レベルのノイキャン完全ワイヤレスイヤホンが手に入るのが現状です。
しかしアンダー1万円で音質の良い完全ワイヤレスイヤホンはこれまでノイキャン非搭載モデルしかありませんでした。
なのでHA-A30Tは音質が良くてノイキャンもついているU1万TWSとして価値ある存在となりそうです。
超コンパクトで使い勝手も良く、総合的に満足感ある買い物となるでしょう。
詳細な評価については目次より各項目をご覧ください。
Victor HA-A30T 詳細レビュー
スペックチェック
連続再生時間 |
約7.5時間(ANC使用時) |
コーデック | SBC |
防水性能 | IPX4 |
機能 |
ノイズキャンセリング機能 |
専用アプリで出来ること |
専用アプリ無し |
HA-A30Tの基礎スペックについて。
優秀なBASSモードに動画視聴等の遅延問題を解消してくれる低遅延モード。
ANC利用時の連続再生時間も長めで音質重視の完全ワイヤレスイヤホンとしては値段の割に頑張っているといえます。
専用アプリがあればなお良かったですが、Victorはハイエンド機HA-FW1000Tもアプリなしだったので仕方がないですかね。
遅延測定結果について
対応コーデックはSBCのみです。
iPhone・Android共にSBC接続となります。
遅延の測定結果を見てみましょう。
- 通常時287ms
- 低遅延モード時156ms
この測定環境ではスピーカー出力時に52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考えます。
156-52=104ms。
低遅延モード時の遅延が約0.104秒ということになります。
動画視聴やゲームもいけるくらいの遅延です。
音ゲーのようなシビアなタイミングを要求されるとちょっと有線には劣るといった感じですね。
しかし遅延に関してかなり優秀な結果と言えるでしょう。
外観チェック
HA-A30Tの外箱から。
なんということはない普通の外箱に見えますが‥
手で持つとわかる小ささ。
外箱の時点で超ミニサイズです!
中身も当然コンパクトで‥
イヤホンケースは握りつぶせるほど小さいです。
そしてブランドロゴのニッパー君がかわいい。
ケースの開閉。
イヤホンのケースからの取り出し。
どちらもスムーズに行えます。
他の完全ワイヤレスイヤホンと比べるとそのコンパクトさが際立ちます。
軽量かつコンパクト。
かさばらず非常に使い勝手の良いイヤホンです。
同梱物は以下の内容となります。
付属品リスト
- 充電用ケーブル
- イヤーピース
- 取扱説明書
充電方法について
HA-A30TのUSBはType-C。
付属のケーブルで充電できます。
充電中は↑画像部分が点灯。
急速充電もあるので充電し忘れたときでも10分の充電で75分間の再生が可能です。
通勤・通学時間の時間なら充分カバーできる再生時間ですね。
なお、Qiによるワイヤレス充電には対応していません。
サイズ・重量
三辺合計値:125.1mm
- 縦:37.6mm
- 横:53.8mm
- 高さ:33.7mm
- 重さ:イヤホンケース 28.2g・イヤホン 4.2g
イヤホン・ケースともに完全ワイヤレスイヤホンの中でもTOPクラスのコンパクトさ・軽量さです。
操作性評価と説明書に書かれていない操作方法について
全ての操作をイヤホンから行うことが出来、タップの反応も問題ありません。
しかし、相変わらずのVictor仕様なところも。
低遅延モードへの切り替えがL側5回タップだとか、ノイキャンと外音取り込みの切り替えがそれぞれ別操作だとか‥
操作方法を覚えるまではちょっと苦労しそうです。
また、説明書に全ての操作方法が書かれていないのは不親切だなと感じました。
付属の取扱説明書をみてもBASSモードと低遅延モードへの切り替え方法がわかりません。
- BASSモード L側1秒長押し
- 低遅延モード L側5回タップ
WEB版の取扱説明書の方には書いてありました。
不満点をつらつらと書き綴ってきましたが‥
慣れてしまえば基本操作からモード切替まで全てイヤホンで完結しているので使いやすいです。
専用アプリが無いことにあまりデメリットを感じません。
音質評価
音質 |
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7.8/10 |
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HA-A30Tは比較的ウォーム系の音です。
低音域・中低音域にボリュームあり。
BASSモードにしなくても低音はかなり量感がありますし男性ボーカルも迫力を感じます。
それに比べると女性ボーカルはややおとなしめに聞こえますが、低音域にマスクされることなくしっかり主張してきます。
高音域は刺激が少なく角の取れた仕上がりですね。
BASSモードにすると低音の量感はそのままに深みがぐっと増します。
重低音が出るようになるので、好みや楽曲によって積極的に切り替えて使いたくなります。
他社イヤホンではBASSモードにすると低音をもりすぎて破綻してしまう物も多い中、これは非常に良い調整がなされていると思います。
ノイズキャンセリング機能の評価
ノイキャン |
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4/10 |
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HA-A30Tのノイズキャンセリングの効き目は大きめな換気扇などの低音ノイズを半減させるくらいの効果です。
これは同価格帯の他のノイキャンイヤホンと比較すると明らかに見劣りします。
色々使って比べてみた結果、上画像のEarFun Free Pro(5000円台)と同程度のノイキャン効果でした。
-28dBの消音効果を謳うイヤホンと同程度ということです。
ある程度の効果はある、でも値段の割には弱め。
そんな評価です。
ノイズキャンセリングを重視して買うイヤホンではないということですね。
ノイズキャンセリング重視でTWSをお探しの方は以下の記事をご覧ください。
⇒ノイキャン完全ワイヤレスイヤホンのおすすめと最強がわかる比較表
外音取り込み機能の評価
外音取り込み |
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8/10 |
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HA-A30Tの外音取り込み機能はやや強調感のある音。
イヤホンをしていないときの自然な外音に比べて少し音量アップして耳に届く感じです。
あと高音がややカサつきますね。
この程度の強調感なら自然な外音との違いからくる違和感もあまり感じ無いので耳疲れも起きないでしょう。
外音を取り込みながら音楽の音量をBGMレベルまで自動で落としてくれるので『ながら聴き』に使いやすいです。
装着感についての感想
装着感 |
|
8/10 |
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HA-A30Tの付け心地自体はベーシックなカナル型イヤホンと言った感じですが、コンパクトで非常に軽量なイヤホン本体のおかげか圧迫感はあまり感じません。
↑の写真のようにフィット位置を調整してつけます。
コンパクトなおかげで耳への収まりが良く簡単にフィッティングできます。
IPX4と防水性能もあり、多少走ったりしても不安になることの無い安定感です。
激しいスポーツに向くほどのフィット感はありませんが、日常使いには充分。
装着感は良い方と言えるでしょう。
総評
メイン機能評価
音質 |
|
7.8/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
4/10 |
外音取り込み |
|
8/10 |
装着感 |
|
8/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
HA-A30Tは個人的にイチオシのイヤホンです。
アンダー1万円ではトップクラスの音質と装着感。
そして全完全ワイヤレスイヤホンの中でもトップクラスのコンパクトさ。
音質のモード切替で重低音好きも楽しめますし、見た目のかわいらしさも良いですね。
幅広い層にアピールできる万能なイヤホンだと思います。
とてもおすすめです。
今回は以上となります。
かなりの長文になりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また次回のレビューでお会いしましょう。