- 価格帯TOPレベルの明瞭サウンド
- おしゃれで存在感抜群なデザイン
- 充実の便利機能【ANC/マルチポイント/着脱検知/ワイヤレス充電】
- イヤホンから音量を調節できない(カスタマイズは可能)
- 外音取り込み機能は前作の方が優秀だった
総合評価 |
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9.5/10 |
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こんにちは、猫居です。
今回レビューするのは2023年10月20日発売の完全ワイヤレスイヤホン、Marshall Motif II A.N.C.。
個人的に音質面で非常に評価の高かったMotif A.N.C.の後継機でMarshallのハイエンドTWSとなります。
ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を搭載し2台同時接続可能なマルチポイントにも対応。
Marshallのアンプをミニチュア化したようなイヤホンケースも魅力的です。
Motif II A.N.C.とMotif A.N.C.、新旧を使用比較してどのような変化があったのか、僕が実際に使って感じた違いを紹介します。
*本レビューは国内正規代理店の完実電気さんよりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
- Marshall Motif II A.N.C. のスペック・外観チェック
- Marshall Motif II A.N.C. 測定データ
- Marshall Motif II A.N.C. 詳細レビュー
- 総合評価
Marshall Motif II A.N.C. のスペック・外観チェック
スペック表と特徴
Motif II A.N.C. | |
価格 | 29,800 円 |
連続再生時間 | ANC OFF時 9時間 43時間(ケース込) ANC ON時 6時間 30時間(ケース込) |
ドライバー | 6mm |
コーデック | SBC/AAC/LC3 |
防水性能 | IPX5 |
ノイキャン | ○ |
マルチポイント | ○ |
専用アプリ | ○ |
低遅延モード | - |
その他の機能 | 急速充電(15分→1時間) ワイヤレス充電 着脱検知 Google Fast Pair Spotify Tap |
説明書 | 製品マニュアル(PDF) |
特徴
- Marshallシグネチャ-サウンド:クリアでバランスの取れたサウンドを再生できるように精密に設計
- 改良されたアクティブノイズキャンセリング
- デュアルマイクビームフォーミングと AIベースのノイズリダクション機能を搭載し、明瞭な通話が可能
- 2台同時接続可能なマルチポイントに対応
- サステナブルなアプローチ:バッテリーの保存性が向上し、イヤホンの寿命が大幅に延長
- イヤホンからの操作でSpotifyを起動できるSpotify Tapに対応
- 超低遅延なLE Audioに対応予定
(MOTIF II A.N.C – Marshall │ 完実電気株式会社より)
機能面の前作との主な違い
- 2台同時接続可能なマルチポイントに対応
- ノイズキャンセリング機能の強化
- 連続再生時間がUP(1回あたり1.5時間、ケース込みで合計10時間/ANC ON時)
- コーデックAAC・LC3に対応
便利機能 | S・A・B・C・D |
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外観・内容物のチェック
イヤホン本体
Marshallらしいおしゃれなデザインです。
スティックタイプのイヤホンは大抵似たような感じになりがちですが、このシリーズは他のイヤホンとは全く違います。
前作よりスティック部が少し長くなっています。
イヤホンケース
前作より少しシンプルなデザインになったイヤホンケース。
Marshallのアンプをミニチュア化したようなおしゃれなデザインです。
シボ加工っていうんですかね、レザーのような触り心地で高級感があります。
100以上の完全ワイヤレスを所持していますが、このシリーズの存在は圧倒的。
前作との比較
ぱっと見はほぼ同サイズに見えます。
(測ってみると僅かにMotif II A.N.C.の方が大きくて重いのですが)
前述の通りデザインが少し変わっており、個人的にはイヤホンケースは前作の方が好みでした。
イヤホン本体は今作のほうが好みです。
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- 説明書類
Marshall Motif II A.N.C. 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:46.7mm(46.3) 横:63.2mm(63.2) 高さ:26.8mm(26.5) 三辺合計:136.7mm(136.0) |
重さ | イヤホン:4.6g(4.2) ケース:47.2g(40.0) |
( )内は前作Motif A.N.C.の測定数値
イヤホンケースは手のひらで握って大半が隠れるくらいのコンパクトさです。
イヤホンもスティック型としてはやや小柄といった印象。
どちらもそのサイズ感の割に重さは平均的なんですが、手に取ると質感の良さを実感できます。
(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホンのケースサイズ比較表)
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 274ms(SBC) | 341ms(AAC) |
低遅延時 | - | - |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Androidでの遅延=0.274秒
- iPhoneでの遅延=0.341秒
遅延はそこそこ大きめでゲームをプレイするのはちょっと厳しいくらいの遅延。
動画視聴に関してはYoutubeやNetflixなど、アプリ側で遅延補正してくれるものは問題なく楽しめます。
(iPhoneでYoutubeアプリを使う場合を除く / 詳細⇒【iPhone】音ズレ対処法!BluetoothイヤホンでYouTube動画を観ると遅延が気になる問題の原因と解決策 )
また、今後アップデートでLE Audioに対応予定だそうです。
現状は対応機種がほとんど無いなど少なからず課題もありますが、LE Audioで接続すればゲームなどもストレス無く遊べるくらいの低遅延になるでしょう。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
- | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
- | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
- | Spinfit CP360(M) 後継→OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) 後継→Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
- |
(自分がよく使うイヤーピースとの対応表です)
傘の大きめなイヤーピースは入らないことが多かったです。
(イヤホンにイヤーピースは装着できてもケースに干渉してしまうため)
Marshall Motif II A.N.C. 詳細レビュー
音質評価
Marshallらしいバランスの取れた明瞭なサウンド。
楽器隊の描き分けがうまく、ギターの表現力の高さは言わずもがな。
前作と比較すると若干暖色寄りになっており、中音域の厚みが増しています。
これによりボーカルの情感表現がすごく上手くなった印象です。
前作はさっぱりとしたボーカルの聴かせ方でしたが、今作ではJazzyな曲もいけます。
低音は適度な量感ながらキレと深みがあり、充分な迫力を感じられる質の良いもの。
高音は明瞭で楽器の繊細なニュアンスもしっかり聴きとることができます。
全体のバランスが本当に秀逸なイヤホンで、U3万円TWSの中ではTOPクラスに高音質だと思います。
プリセットやカスタムイコライザーで味付けを変化させることも出来ます
音質 |
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9.4/10 |
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ノイズキャンセリング機能の比較
(赤線は筆者が目安として引いたものです)
アプリで「低」「中」「高」の3段階、ノイキャン強度を調節できるようになっています
前作もリリース当時の完全ワイヤレスイヤホンとしては実は優秀なノイズキャンセリング機能でしたが、今作ではさらにパワーアップしています。
周波数ごとにノイズを出して比べてみると低音ノイズの消し方は前作とそれほど変わらない印象なんですが、中音・高音ノイズの消音力が如実に上がっているようです。
低音ノイズを大きくカットし、ノイキャンが効きにくい中音・高音ノイズもかなり抑えてくれます。
ノイズの消し方としてはJBL TOUR PRO 2やHUAWEI FreeBuds Pro2に近い感じ。
よくある普通のハイブリッドANCより大きくノイズをカットしてくれる優秀なノイキャンです。
(参考:Marshall Motif II A.N.C.のノイズキャンセリングの強さを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度比較表)
ノイキャン |
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8/10 |
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外音取り込み機能の評価
外音取り込み機能もアプリで3段階の調整が可能です。
「高」ではサーっというマイクで取り込んだノイズが若干入ってきます。
取り込み量は充分で人の声も問題なく聞こえるのですが…
なんとなくフォーカスがあっていないというか遠い感じがしますね。
聞き取れるけどそのままの状態で長時間会話するには集中力がいりそう、という感じ。
「弱」にするとサーというノイズが全く無くなり、その代わり取り込み量も落ちます。
ただ、駅でのアナウンスなどは「弱」でも充分聞き取れるので会話に使う目的でなければ「弱」の方が違和感がなくて良いかも知れません。
実は外音取り込み機能に関しては前作の方が優秀でした。
Motif A.N.C.の外音取り込み機能は10%刻みで調整することが可能。
取り込み量MAXでもノイズが入らずイヤホンをしていないときとほぼ変わらない感じで会話をすることができる、とても優秀な外音取り込み機能です。
外音取り込み |
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8/10 |
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装着感評価
前作より若干厚みが増しています
イヤホンの形状はぱっと見は同じに見えますが、測ってみると前作より僅かに厚みが増しています。
厚みが増せば普通は装着感も悪くなりそうなものですが、Motif II A.N.C.に限っては逆に装着感が良くなっていました。
今作は耳の入口の溝の部分でイヤホンを支える、溝の上に置いているだけに近いような装着感。
前作はイヤーピースでバランスを取っているような感覚でイヤホンのゴツゴツした感触が耳にあたる感じが少しあったのですが、今作ではそれがありません。
圧迫感の無い、非常に軽いつけ心地です。
装着感 |
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8.5/10 |
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マイク性能・通話品質について
やや温みを感じるようなボイス。
周囲の雑音に反応してきゅっとノイズを抑えてくれる印象です。
ただし、ノイズを抑えている間はボソボソ喋っていると自分の声も言葉尻が途切れがちでした。
なるべくハキハキと喋ったほうが良さそうです。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
L側 | R側 | |
1クリック | 再生/停止 | 再生/停止 |
2クリック | 早送り | 早送り |
3クリック | 早戻し | 早戻し |
1クリック+長押し | Spotify Tap | Spotify Tap |
カスタムアクション (長押し) |
設定可能 | 設定可能 |
【設定可能項目】
長押しに当たるカスタムアクションにだけ操作を割り当てることができます。
そこに【音量調節+-】を入れるか、【ノイズコントロール&イコライザー】を入れるかという感じですね。
個人的にはノイズコントロールは外せないので、ノイズコントロールとイコライザーを入れています。
【ノイズコントロール+音量UP/DOWNの片方だけ】というのも微妙ですしね…。
着脱検知の反応もよく、タップ操作も快適なので操作性自体は良いです。
全ての操作をカスタマイズできたら最高なのですが。
『ミニ』を選ぶと最低限の操作だけになり、誤タップしやすい1タップは無効化
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【Marshall Bluetooth】の主な機能
主な機能一覧
- イコライザー
- ノイズコントロール
- 操作方法のカスタマイズ
- バッテリー保護機能
- 着脱検知のON/OFF
ホーム画面
設定可能項目
バッテリー保護機能
バッテリー保護機能をどれくらい働かせるかゲージで設定できます。
長く使いたい場合はオールチェック入れたほうが良いでしょう。
使って気付いた注意点
- マルチポイントは割り込み不可
1.
総合評価
メイン機能評価
音質 |
|
9.4/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
8/10 |
外音取り込み |
|
8/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評
Motif II A.N.C.はこんな方におすすめです。
- Marshallらしいおしゃれなデザインに惹かれた
- 高音質で高機能なTWSが欲しい
- 長時間着けっぱなしにできる軽い装着感が好み
ノイキャン・マルチポイント・イコライザー・着脱検知にワイヤレス充電。
あったら嬉しい機能をほとんど網羅し、その上おしゃれで高音質で装着感も良いという。
値段も最近4万くらいするのが当たり前になりつつあるハイエンドTWSにしては安いほうですしね。
音量調節をイヤホンから出来ないのは玉に瑕ですが、それ以外は割りと文句のつけようがないくらい良いイヤホンだと思います。
前作と比べても音質・ノイキャン・装着感というTWSの3大要素(?)が着実な進化を遂げています。
非常におすすめです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。