- TWS最上位の高音質
- イコライザー・デジタルフィルター等、音質調整の幅が広い
- 音質特化型ながらマルチポイントやゲームモードにも対応
- ノイズキャンセリング機能は無し
- 装着感は並程度
総合評価 |
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9/10 |
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TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはFiiOの完全ワイヤレスイヤホン、FW5。
FiiOはコスパ高で人気の中国オーディオメーカーです。
有線イヤホンをワイヤレス化するハイパワーなBluetoothレシーバーアンプ、FiiO『UTWS5』(Amazonリンク)は有線派が出先で使うアイテムとして人気。
その『UTWS5』に自ら高性能イヤホンをくっつけてTWSにした感じなのがFW5です。
これでもかというほど高音質化が図られた完全ワイヤレスイヤホンを詳しくみていきます。
FiiO FW5の外観チェック
イヤホン本体
gif動画で雰囲気をチェック
イヤホンケース
付属品
付属品リスト
- 標準シリコンイヤーピース
- HS18イヤーチップ(Amazonリンク)
- USB Type-C充電ケーブル
- 説明書類
FiiO FW5のスペックと測定結果
スペック表
FiiO FW5 | |
価格 | 33,000円 |
連続再生時間 | 7時間 21時間(ケース込) |
コーデック | SBC AAC aptX aptX Adaptive (96kHz/24bit) LHDC (96kHz/24bit) |
防水性能 | IPX4 |
ノイキャン | ✕ |
マルチポイント | ○ |
専用アプリ | ○ |
低遅延モード | ○ |
Qualcomm製のフラッグシップBluetoothチップ「QCC5141」を採用。
「Snapdragon Sound」に対応しています。
音質全振りのイヤホンなのでノイズキャンセリングはありません。
それでも2台同時接続可能なマルチポイントとゲームモードを搭載しているのは嬉しいところ。
aptX Adaptive(96kHz/24bit)接続時の連続再生時間・電池残量の推移
aptX Adaptive(96kHz/24bit)接続で1時間鳴らしてみた結果
15~17%程度の減りでした。
5時間くらいはもちそうでなので電池切れはあまり気にせず使えそうです。
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:44.1mm 横:68.4mm 高さ:32.5mm |
重さ | イヤホン:6.4g ケース:42.9g |
ケースサイズの3辺合計値はそれほどではないのですが、高さがある分すこしポケットに入れたときに存在感を感じます。
遅延測定結果
- SBC=278ms
- SBC(ゲームモード)=177ms
- aptX Adaptive(高音質時)=307ms
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考えます。
177-52=125ms。
SBCゲームモード時の遅延が約0.125秒の遅延です。
aptX Adaptiveが低遅延モードに切り替わった時は100ms前後の遅延になります。
(ゲームモードとaptX Adaptive 低遅延モードは別物)
どちらも音ゲーはやや厳しいですが、普通のゲームや動画視聴には問題ないレベルの遅延です。
ただ、通常はaptX Adaptiveを任意に低遅延モードにすることはできません。
(接続が不安定になった時・ゲームなどアプリ側で低遅延モードに切り替えてくれる場合に低遅延モードになる)
基本はaptX Adaptiveで運用し、遅延が気になるようだったらSBC接続のゲームモードを使うという感じが良いかと思います。
aptX Adaptiveでゲームモードにするのはほとんど効果がないのでおすすめしません。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
✕ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
✕ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
✕ | Spinfit CP360(M) |
✕ |
NUARL Magic Ear+(M) |
✕ |
(自分がよく使うTWSイヤーピース+SONYのイヤピ2種との対応表です)
太くて長めなノズルなのでMだと適合するイヤーピースがあまりありませんでした。
付属品にイヤーピースが2種類各サイズ用意されているのでまずはそちらで合うものを探すのが良いと思います。
FiiO FW5の詳細レビュー
音質評価
旭化成エレクトロニクス製のDACアンプ一体型チップ「AK4332」を左右独立搭載。
ドライバーはKnowles製バランスド・アーマチュア2基+DLCダイナミック1基の2BA+1DDハイブリッド構成。
現状のTWSではこれ以上ないほどのハイスペックな構成に心躍った方も少なくないでしょう。
実際に視聴してみるとFiiOらしい硬質で明瞭なサウンドです。
ワイヤレスイヤホンということを完全に忘れさせるほど高音質。
音の傾向は弱ドンシャリ。
音場は果てしなく思えるほど広く、壁がどこにも感じられ無い程。
低音は非常にタイト。
量感は適量くらいですが深みは結構あります。
ボーカルは自然な距離感で突っ込みすぎず遠すぎず。
バランス重視の立ち位置。
情感はあまり感じませんが、明瞭で透明感は抜群。
抜けの良い美しい歌声が聴けます。
高音は非常にキラキラしていて突き抜けるほど伸びやか。
刺さるか刺さらないかぎりぎりの刺激感ですね。
人によっては多少刺さりを感じるかもしれません。
その場合はアプリで調整すると良いでしょう。
出力の高さを実感できる音の厚み、明瞭感、伸び。
満足感は非常に高いです。
SBCやAACとaptX Adaptiveではかなり高音域の明瞭感に差を感じるので出来ればaptX Adaptiveで聴いたほうがいいと思います。
装着感について
装着感は最近のTWSにしては平凡。
イヤホン自体が大きいこともあり、耳での存在感は結構あります。
長時間つけていると耳が疲れてきます。
フィットも少しにくくて、ベストポジションを探るのに毎回調整する必要がある感じです。
マイク性能・通話品質の評価
非常に明瞭で肉声のよう。
喋っている声はすごく聞き取りやすいです。
かなり小声で喋ってもちゃんと相手に聞こえます。
一方周囲の雑音もかなり拾ってしまう模様。
あまりガヤガヤしたところでの通話には向いていないかもしれません。
専用アプリ【Fiio Control】の主な機能
ホーム画面
Bluetoothコーデックの選択
イコライザー機能
イコライザーはかなりきめ細やかな調整が可能です。
プリセットにハーマンターゲットカーブがあるのが面白いですね。
カスタムは3つまで登録可能。
Audio設定
デジタルフィルター
各フィルターの効果について
Sharp Roll-Off Filter:サウンドはクリーンで軽快、軽くシャープでありながら繊細で、高解像度のパフォーマンスを備え、複雑なサウンドトラックやペースの速い音楽ソースに適しています。
Slow Roll-Off Filter:音は雄大な傾向があり、位置は比較的後方にあって、残響が強めになります。ポップミュージックに適しています。
Short Delay Sharp Roll-Off Filter:サウンドはまろやかで、倍音や低音が豊富、自然な残響といった印象です。スロービートやその他の音楽に適しています。
Short delay Slow Roll-Off Filter:サウンドはクリーンで純粋、位置は比較的前方にあって、没入感があり、クリアで原音忠実の印象です。クラシック音楽に適しています。
[FiiO Control] UTWS5のアプリコントロール概要 – Fiio Japanより
アプリ総評
音質特化イヤホンだけに機能も音質方面のものが多いです。
デジタルフィルターは音像の遠近を調整するのに役立ちます。
イコライザーもかなり細かい調整ができますし、使い勝手はかなり良いと感じました。
FiiO FW5の使い方と注意点
ペアリング方法
マルチポイントできない時の対処法
イヤホンをアップデートするとマルチポイント接続できるようになるのですが‥
自分の環境では何度試してもなかなかできませんでした。
そこで両イヤホンの物理ボタン(突起がついている方)を同時押し8秒。
これで設定が一度リセットされます。
リセットしたあとに2つの機器それぞれとペアリングしたら2台同時接続可能となりました。
アップデートしたのにマルチポイントできない場合に試してみてください。
リセット方法
上記の通り。
充電方法
付属の充電用USB Type-Cケーブルで充電できます。
急速充電・ワイヤレス充電には未対応。
操作方法・操作性について
A (L/S) |
B (L/P) |
C (R/P) |
D (R/S) |
|
1クリック | 音量DOWN | 再生/停止 | 再生/停止 | 音量UP |
2クリック | - | 音声アシスタント | 音声アシスタント | - |
長押し(1秒) | 曲戻し | - | - | 曲送り |
長押し(2秒) | - | 電源ON | 電源ON | - |
長押し(5秒) | - | 電源OFF | 電源OFF | - |
長押し(8秒) | リセット | - | - | リセット |
物理ボタン式です。
合計4つのボタンを備えているのにやたらと悠長な操作方法。
しかもこれだけ枠が余っているのにゲームモードはアプリからしかONにできません‥。
基本操作はすぐに覚えられますし快適に使えます。
あまり使わない操作は説明を見返さないと忘れてしまいそうです。
音量を独立して操作できるのはGood。
注意点1:デバイス側の音量はMAXで使用することが推奨されている
音質劣化を防ぐため、FW5はイヤホン本体に独立したボリューム調整機能を搭載しています。
送出側の音量を最大にして使用することが推奨されています。
(32段階の音量調節が可能)
注意点2:マルチポイント・イコライザー利用にはアプリからアップデートが必要
マルチポイントとイコライザーはあとから追加された機能。
なので専用アプリからファームウェアアップデートする必要があります。
メリット・デメリットのまとめ
FiiO FW5を選ぶメリット
TWS最上位の高音質
Knowles製バランスド・アーマチュア2基+DLCダイナミック1基というドライバー構成に旭化成のハイエンドDACチップに左右それぞれに搭載。
ハイレゾ再生可能なaptX Adaptive(96kHz/24bit)に対応するなど、ごりごりの高音質仕様。
ワイヤレスイヤホンにありがちな音の薄さが全然なく、出力の高さを実感できます。
イコライザー・デジタルフィルター等、音質調整の幅が広い
イコライザーはFiiOらしい細やかな調整が可能。
旭化成のDACを積んでいるのでデジタルフィルターも設定できます。
その他、32段階の音量調節・左右バランスの調整など。
音質に拘った完全ワイヤレスイヤホンだけあって非常に充実した内容です。
音質特化型ながらマルチポイントやゲームモードにも対応
音質特化のTWSというとどうしても機能面はイマイチな印象が強いですが、FW5はかなり実用性の高いイヤホンとなっています。
2台同時接続可能なマルチポイントに対応。
マイク性能も素晴らしく通話は非常にクリアなので待受としても優秀です。
aptX Adaptiveの低遅延モードやゲームモードで動画視聴やゲームも快適。
FiiO FW5を選ぶデメリット
ノイズキャンセリング機能は無し
音質特化型なので仕方がないともいえますが、この音質でノイズキャンセリングまであったら最高でしたね。
装着感は並程度
イヤホンが大きい上にフィッティングがちょっと癖あり。
長時間着用しているとちょっと耳が疲れてきます。
総合評価と代替候補
メイン機能評価
音質 |
|
9.8/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
-/10 |
外音取り込み |
|
-/10 |
装着感 |
|
7/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 |
S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
FiiO FW5はハード面で他を圧倒するくらいの高音質構成。
完全ワイヤレスイヤホンでは最上位の高音質であり、他のライバル高音質TWSと比べれば少しお手軽な値段。
最上位の音質をなるべくコストパフォーマンス良く‥と考えるなら1番の候補となるでしょう。
非常に解像度の高い明瞭なサウンドを楽しめます。
代替候補について
装着感やノイズキャンセリングが無いことが気になる場合。
代替候補にはAVIOT TE-Z1PNK(ピヤホン6)が挙がるかなと。
明瞭なドンシャリサウンドという点で音質的傾向が近く、高音質で装着感も良くノイズキャンセリングも搭載しています。
その分高いですが‥
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。