
| TANCHJIM MINO | |
| 発売日 | 2023年12月22日 |
| 価格 (発売時) |
8,500円 |
| 連続再生時間 (単体/ケース込) |
ANC OFF 6時間/37時間 |
| コーデック | SBC/AAC |
| ドライバー | 10mmダイナミックドライバー |
| 防水性能 | IPX4 |
| Bluetooth Ver. | 5.3 |
| 機能 | ノイズキャンセリング・外音取り込み機能・ゲームモード・イコライザー・着脱検知・専用アプリ |
| 資料 | 公式サイト |
- 安価なTWSでは貴重な優しい音色
- 装着感も軽めで着けやすい
- おしゃれなデザイン
- Bluetooth接続の安定性にやや欠ける
- ファームウェアアップデートするとゲームモードが使えなくなる
- アプリが使いにくい
| 総合評価 |
|
7.5/10 |
|---|
こんにちは、猫居です。
趣味で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を集めています。
今回レビューするのはTANCHJIMの完全ワイヤレスイヤホン、MINOです。
TANCHJIMは高音質な有線イヤホンで人気を博している中国メーカー。
ちょっと前に発売された有線のTANCHJIM FISSIONも結構良かったです。

有線を主戦場とするメーカーが完全ワイヤレスイヤホンを作るとどんなものが出来上がるのか。
発売から結構経っているイヤホンではありますが、詳しくチェックしてみます。
TANCHJIM MINO 外観・付属品チェック
イヤホン本体
イヤホンはとてもシンプルなデザイン。
高級感まではないですが、安っぽくも見えず、良い感じです。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
⇠⇠⇠
|
|
|
|
|
|
イヤホンケース
ケースはちょっと個性的でおしゃれなデザインです。
上蓋部分がスケルトンで中が見えるようになっています。
ちょっと手脂がつきやすいのが気になるポイントでしょうか。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
⇠⇠⇠
|
|
|
|
|
|
外箱・付属品

付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- Back up filter
- 説明書類
フィルターが付属しているのはかなり珍しいです

TANCHJIM MINO 測定データ
重さ・サイズ実測値

| ケースサイズ | 縦:50.0mm 横:62.9mm 高さ:27.5mm 三辺合計:140.4mm |
| 重さ | イヤホン:4.2g ケース:38.2g |
イヤホンケースはそこそこコンパクトといった感じのサイズ感。
重さに関してはイヤホン・ケース共にかなり軽いです。
| 携帯性 | S・A・B・C・D |
|---|
(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
遅延測定結果

| Android・PC その他 | iPhone | |
| 通常時 | 235ms(SBC) 217ms(AAC) |
217ms(AAC) |
| 低遅延時 | - | - |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
元々はゲームモードが搭載されていて、ゲームモードをONにすることで低遅延化できたはずなのですが…
使用前にファームウェアを最新のものにしたら無くなっていました 笑
というわけで、ゲームモードなしの測定結果はといいますと、0.2秒以上の遅延があるので、まぁゲームに使うのは厳しいですよね。
動画視聴はNetflixなどアプリ側で遅延補正してくれるものは問題なく試聴できます。
実連続再生時間のチェック・バッテリー残量の推移

ノイズキャンセリングON・AAC・音量40%で再生
上の画像は4時間45分再生時点でのスクリーンショットです。
公称の5時間より随分長く保ちそうだなぁなんて思っていたら…
ちょうど5時間再生したところでバッテリー0となり、アプリが遮断されてしまいました 笑
どうもアプリの表示は実態をあまり反映していないようですね。
急にアプリ落ちしたりして割と挙動も不安定だったりします。
しかし、ちょうど公称値通りの5時間は再生することができたので、その点は良かったのかなと思います。
最近のTWSとしてはロングバッテリーとは言えませんが、5時間も連続再生できればまず困ることはないでしょう。
交換イヤーピース対応表

| SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
| SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
- | AZLA SednaEarfit Crystal 2(M) |
- |
| オーディオテクニカ AT-ER500(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
| NUARL Magic Ear+7 |
- | Spinfit OMNI |
○ |
| COMPLY TWo-220-C(M) |
- | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
- |
| radius HP-DME2(M) |
- |
楕円形で太めのノズル+ケースの溝に余裕がなく干渉しやすい構造。
背の高いイヤーピースはほぼケースに干渉して充電できない感じでした。
あまり交換イヤーピースの選択肢は多くないと思います。
TANCHJIM MINO 詳細レビュー

音質評価
完全ワイヤレスイヤホンの、特に低価格帯では非常に珍しいフラット寄りのサウンド。
低音の量感は必要最低限あり、やや暖かみと広がりが感じられます。
低価格帯のTWSとしてはかなり低音成分は少なめなので、TWSの派手めな音に慣れている方は面食らわないように注意です。
中音はそこそこの厚みがあり、特に女性ボーカルは中々聴かせてくれます。全体的に繊細さが感じられる音ということもあってしっとりとした曲でのボーカルは非常に聴き応えがあると感じました。
逆に男性ボーカルで迫力がほしいときにはやや物足りない印象ですかね。
高音は明瞭ながら刺さりや刺々しさもなく、優しい鳴り。
ただ薄いだけのすっきりした音とは違い、繊細さや柔らかさが感じられる良い音だと思います。
ただ、完全ワイヤレスのこの価格帯ではドンシャリや低音をブイブイいわせたような派手なサウンドが主流であり、実際人気があるんですよね。
そういった音とは全く違う種類になるので、好みでないかたには物足りないと感じる可能性が高いと思います。
| 音質 |
|
7.8/10 |
|---|
アプリのイコライザー画面
通常のプリセットだけでなくゲーム向けの設定やカスタムEQも搭載
ノイズキャンセリング機能のチェック
公称値-45dBのノイズキャンセリングを搭載。
実際に試してみると、低音ノイズを中心に中音・高音ノイズもある程度遠ざけてはくれますね。
ただ、ガッツリとカットしてくれるかというとそこまではいきませんでした。
低音ノイズも大きなノイズに対してはある程度残ってしまう感じ。
中音以上のノイズはカットというよりは遠ざける感覚となります。
効き方としては標準的なハイブリッドノイズキャンセリングの効果と同じかそれよりちょっと上くらいの効き目かなと。
過度な期待は禁物ですが、効果が実感できるくらいには効いてくれます。
(参考:最強~コスパ機までわかるノイズキャンセリングイヤホンの強度比較表)
| ノイキャン |
|
8/10 |
|---|
外音取り込み機能の評価
機能をONにするとサーというのノイズが若干入ります。
外音の取り込み方はかなり自然な方で、イヤホンをしていないときの聞こえ方に近く、違和感は少ないです。
人の声は若干マスクされた聞こえ方で、元の音量10とすると8.5~9くらいでしょうか。
小声でなければイヤホンをしたままの聞き取りも問題なさそうです。
普通に使いやすいと思います。
| 外音取り込み |
|
8.5/10 |
|---|
装着感評価

装着時の見た目
音だけでなく装着感も優しいです。
一般的なカナル型イヤホンと比べて圧迫感・閉塞感が少なめ。
イヤホンを耳の入口のくぼみに置くような感覚で、イヤーピースを深く差し込まずとも安定します。
なので閉塞感がなく、とても快適な着け心地です。
| 装着感 |
|
8.5/10 |
|---|
マイク性能・通話品質
値段の割に非常にクリアな音声。
すっきり明瞭な声でとても聞きやすいです。
ただ、風切音には弱く、何を喋っているのかわからなくなってしまいました。
周囲のノイズも結構拾ってしまっていたので、室内など静かな環境で使うようにしたほうが良さそうです。
| 通話品質 | S・A・B・C・D |
|---|
操作方法と操作性評価

初期設定の操作方法
操作方法はカスタマイズ可能
操作方法はアプリを通じてカスタマイズ可能です。
ただ、ちょっと仕様が変わっているんですよね。
一般的なTWSでは
【イヤホンの操作箇所】→【操作方法の割当】
(例)【L側・シングルクリック】→【再生/停止】
【L側・ダブルクリック】→【曲送り】
【L側・トリプルクリック】→【音量+】
といった感じで割り当てるんですが、このイヤホンの場合は
【操作方法】→【イヤホンの操作箇所の割当】
で選ぶようになっています。
どっちでも大差無いように思われるかもですが、上画像のデフォルト操作設定を見るとちょっとわかりにくくないでしょうか。
個別の操作はすぐにわかるけど、ぱっとみただけで全体の操作を理解しにくいと言いますか。
まぁ、自分好みの設定にしたらあとは操作を忘れない限りは特に面倒なことはないと思います。
また、このイヤホンは低価格帯では珍しく、着脱検知機能を搭載。
イヤホンを外すと自動で音楽再生を停止し、イヤホンを着け直すと自動で再生再開してくれます。
この機能もアプリでON/OFFが可能です。
が…
OFFにしても着脱検知してしまうこともあったりして、やはりアプリの挙動はちょっと不安定なようでした。
そして、個人的に残念だったのがノイズキャンセリングの設定が保存されないこと。
ノイズキャンセリングをONにしても電源をOFFにしたら再度使うときにはまたONにしなおさないといけません。
タッチセンサーの感度などの基本的な部分は問題無く、操作感自体は快適です。
| 操作性 | S・A・B・C・D |
|---|
専用アプリ【tanchjim app】の主な機能
(注意)Google Playストアなどには置いていないので、TANCHIJIMの公式サイトからDLする必要があります。
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- イコライザー
- 操作方法のカスタマイズ
- 着脱検知のON/OFF
- ファームウェアアップデート
ホーム画面

サウンド画面

気になった点や注意点
Bluetooth接続の安定性にやや欠ける
最近の完全ワイヤレスイヤホンとしてはややBluetoothが弱いかな…という印象です。
朝の通勤・通学時などの人混みの激しい場所ではかなりの頻度で途切れが発生してしまっていました。
ファームウェアアップデートでゲームモードが消える
特に何も考えずにまず最初にファームウェアアップデートしちゃったんですが、ファームウェアを最新にすることでゲームモードが無くなります。
アプリはインストールが手間&挙動が不安定
Google Playストアなどに置いていないので公式サイトからダウンロードする必要があり、アプリ自体の挙動もやや不安定とちょっと使いにくさを感じます。
まとめ

メイン機能評価
| 音質 |
|
7.8/10 |
|---|---|---|
| ノイキャン |
|
8/10 |
| 外音取り込み |
|
8.5/10 |
| 装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
| 操作性 | S・A・B・C・D |
|---|---|
| 携帯性 | S・A・B・C・D |
| 便利機能 | S・A・B・C・D |
| 通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:7.5/10
今回はTANCHJIM MINOの使用感をレビューしてみました。
音質は結構良く、安価なTWSでは貴重な音を出すイヤホンという、これだけで結構価値はあると思います。
各機能の性能も値段を考えれば割と及第点はとれており、デザインもおしゃれでいいですね。
ただ、Bluetooth接続がちょっと途切れやすかったり、ゲームモードが消失したり、アプリが安定しなかったりとかなり注意点が多めなのも事実。
正直最近のTWSとしてはやや使いにくいと言わざるを得ないでしょう。
その点を予め理解の上、音質目当てで購入する分には満足度は高いと思います。
ゲームモードの件なんて何も知らなかったら結構びっくりしちゃいそうですね。(実際びっくりした)
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。










