Shokz OpenDots ONE | |
発売日 | 2025年6月12日 |
価格 (発売時) |
27,880円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
10時間/40時間 |
コーデック | SBC/AAC |
ドライバー | 16mmのカスタムドライバーに相当するデュアルドライバーシステム (11.8mm丸型スピーカー×2) |
防水性能 | IP54 |
Bluetooth Ver. | 5.4 |
機能 |
マルチポイント・Dolby Audio・イコライザー・専用アプリ・着脱検知・ワイヤレス充電・急速充電(10分→2時間) |
資料 | 公式サイト/説明書 |
- イヤーカフ型としてはTOPクラスの高音質
- 柔らかい装着感と悪目立ちしないシックなデザイン
- 他のオープンイヤー型イヤホンと比べて非常に音漏れが少ない
- 操作方法をカスタマイズできる範囲が限定的
- 遅延はそこそこあるのでゲームには向かない
総合評価 |
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9.5/10 |
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こんにちは、猫居です。
趣味で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を集めています。
今回レビューするのはShokzのオープンイヤー型イヤホン、 OpenDots ONE。
Shokzブランドとしては初となるイヤーカフ型のイヤホンです。
Shokzといえば骨伝導イヤホンのイメージが強いと思いますが、2月にレビューしたオープンイヤー型イヤホンのShokz OpenFit 2がとても良かったんですよね。
なのでイヤーカフ型の本作にも個人的にはかなり期待しておりました。
ベーシックなオープンイヤー型であるOpenFit 2とどのような違いがあるのか、実際に使い比べてチェックしてみます。
本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
Shokz OpenDots ONE 外観・付属品チェック
イヤホン本体
イヤーカフ型なのでOpenFit 2と比べると非常にコンパクトになっています。
L/Rを自動検出してくれるので、左右を気にせず装着することが可能です。
どちらも肌に触れる部分のシリコンがとても柔らかく、質感は良好です
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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イヤホンケース
シックで高級感のあるデザイン。
ケースがコンパクトなのでポケットにも入れやすいサイズ感です。
OpenFit 2のケースでは非対応だったワイヤレス充電に対応しているのが大きな違いとなっています。
また、OpenFit 2はちょっとケースに傷がつきやすそうなのが気になりましたが、OpenDots ONEのケースはその心配が無いのも◎。
ケースは機能だけでなく質感もOpenDots ONEの方が◎
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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外箱・付属品
付属品リスト
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- 説明書類
Shokz OpenDots ONE 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:49.4mm 横:63.8mm 高さ:27.0mm 三辺合計:140.2mm |
重さ | イヤホン:6.5g ケース:39.0g |
OpenFit 2は
- 三辺合計→161.6mm
- 重さ→イヤホン:9.4g・ケース:51.6g
だったのでイヤホン、ケース共にかなり軽量化・小型化されています。
普通の完全ワイヤレスイヤホンと比べても遜色ない感じですね。
(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 244ms(SBC) 303ms(AAC) |
303ms(AAC) |
低遅延時 | - | -- |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
OpenFit 2と同様に低遅延になるゲームモード系の機能はありません。
したがってそれなりに遅延はあります。
測定結果もゲームで使うにはやや厳しいかなという値です。
ただ、動画視聴はNetflixなどアプリ側で遅延補正してくれるものは問題なく楽しめるでしょう。
実連続再生時間のチェック・バッテリー残量の推移
AAC・音量50%で再生
- 1時間再生⇒電池残量100%
- 2時間再生⇒電池残量90%
- 3時間再生⇒電池残量80%
- ~
- 10時間21分再生⇒電池残量0%
10時間を超えるバッテリー保ち。非常に長時間再生することができました。
Dolby AudioをONにして使った場合はもう少し短くはなるとおもいますが、本当に1日中使えるくらい電池保ちは良いです。
“ながら聴き”イヤホンだとつけっぱなしにしている時間も長くなりがちなので、これだけロング再生できるのは助かります。
音漏れ測定結果
音量何%まで音漏れしないのかチェック。
パーソナルスペース(45cm)分の距離をあけて家族にイヤホンを装着してもらい、自分の耳と計測器で確認しました。
音漏れチェック
結果、36%で極小の音漏れを確認。
音漏れを防ぐShokz DirectPitch™テクノロジーが採用されているそうなんですが、これは本当に音漏れしにくいです。
オープンイヤー型イヤホンを出している各社、なんちゃらテクノロジーとかいって音漏れしにくいことを謳っているじゃないですか。
でも、音漏れしにくいとはいっても毎回テストをするとやはり音量をあげればそれなりに音漏れはしてしまっていました。
でもこのOpenDots ONEは全然音漏れしないのがすごいです。
OpenFit 2も音漏れは少ない方でしたが、OpenDots ONEはさらにその上をいっています。
36%で音漏れというのも全くの静かな部屋でのテストなので、テレビがついているような環境なら音量50%くらいまであげてもほぼ気になりません。
音漏れしない音量でも十分なボリュームでリスニングできるので、真面目に他のオープンイヤー型とは一線を画す使用感だと感じました。
Shokz OpenDots ONE 詳細レビュー
音質評価
オープンイヤー型らしく音場は広め。
弱ドンシャリで割とどんな音楽も鳴らすタイプです。
OpenFit 2は先代OpenFitから数段パワーアップして非常に音質が良くなったとレビューしましたが、OpenDots ONEはOpenFit 2と音質的なレベルは肉薄していて、オープンイヤー型としてはトップクラスに高音質だと思います。
大きな違いはOpenFit 2の方が低音がかなり太く、迫力があるという点。
ボーカル域や高音にもOpenDots ONEよりちょっと強調感があり、重心はやや下寄りで力強くダイナミックに鳴るという印象。
それと比べてOpenDots ONEはもう少しバランス寄り。下に引っ張られる感は無く、OpenFit 2よりすっきりとしつつもしっかりと量感はあってハキハキと鳴ります。
OpenFit 2より低音がスッキリしている分、中域~高域にかけてはOpenFit 2の方が聴きやすいかなと。
特に高音はOpenFit 2より力感無く綺麗に伸びると感じました。
ただ、やはり選ぶ際の大きなポイントは低音の差でしょうね。
オープンイヤー型でも力強い低音が聴きたいという場合はOpenFit 2のほうを視野にいれると良いと思います。
アプリのイコライザーモード
カスタムEQ画面
Dolby Audioについて
1個前にレビューしたAnker Soundcore Liberty 5にもDolby Audioがあって、そちらでも言及したのですが、横への広がりだけでなく立体的な音の広がりを感じられてとても良いです。
しかも普通の完全ワイヤレスであるLiberty 5よりイヤーカフ型であるOpenDots ONEの方が構造的な有利もあるのか、OpenDots ONEの方がより大きく空間を感じられますね。
音もこちらのほうが綺麗に鳴るのでかなり実用的に使えると思います。
スマホ側でDolby AtmosをONにする必要がある点には注意
装着感評価
装着時の見た目
左右をつなぐJointArc™は柔軟なチタン合金で出来ており、しなやかに耳にフィット。シリコンも柔らかく、耳あたりはとても良好です。
ただ軽い着け心地というだけでなくて、筒状のバッテリーコンパートメントが耳の裏でしっかりと支えになってくれるので安定感があります。
左右の両方が球状のイヤーカフ型だとブレやすいものも中にはありますが、この方式だとブレにくくて良いですね。
OpenFit 2も快適な着け心地でしたが、OpenDots ONEはより軽くて小さいのでさらにその上という感じ。
軽いジョギングで使用したり、大げさに頭を振ってみたりもしましたが全然ブレなかったのでスポーツなどでも使えそうです。
操作方法と操作性評価
タップしたりつまんだりと2種類の操作方法が用意されています
OpenFit 2は物理ボタンとタッチセンサーの両対応で非常に操作性が良いのが特徴だったのですが、OpenDots ONEではつまみ操作とタッチ操作の両対応になっています。
これ自体は素晴らしいのですが…
なんとカスタマイズできるのはつまみ操作の長押しのみ。
タップ操作とつまみ操作はON/OFFしか選べませんし、それぞれ再生/停止しか割り振られていません。
つまり、長押しに【音量±】か【曲送り/戻し】のどちらか入れて、もう片方は諦めざるを得ないということに。
今後のアップデートでタップ操作とつまみ操作で別々の操作を割り振れるようになったり、1回つまみ(あるいは3回つまみ)に操作割当できるようになったりしたら嬉しいのですが…。
ここまでほぼ完璧と言えるくらい素晴らしい出来栄えだったので、この操作性の部分だけはちょっと残念かなぁと。
OpenFit 2はオープンイヤー型イヤホンで1番といえるほど操作性良好だったのでなおさらそのように感じます。
*追記
メーカーさんに伺ったところ、現在カスタムジェスチャーの操作性向上に向けたアプリのテストを行っているそうです。操作性の改善に期待大。
割り当て可能な操作方法一覧
マイク性能・通話品質
やや加工された感のある声ではありますが、通話には困らないくらいのクリアさはあります。
風切音はやや入っていたので、強風は避けたほうが良さそうです。
周囲のノイズは完全にはカットしきれていませんでしたが、ある程度は抑えられていました。
よほどうるさい環境でなければ大丈夫かと思います。
専用アプリ【Shokz】の主な機能
主な機能一覧
- イコライザー
- Dolby Audio
- 操作方法のカスタマイズ
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
設定画面
使って気付いたその他の注意点
使用前にファームウェアアップデートを
結構重要な内容のアップデートが最初に来ていたのでまずはアプリからアップデートしてから使ったほうが良いでしょう。
マルチポイントの挙動について
OpenDots ONEのマルチポイントは割り込み再生不可でした。
総評
総評:9.5/10
OpenDots ONEの方が良い点
- Dolby Sound対応
- 中音~高音の聴きやすさ
- イヤホンケースの質感・機能性
- 音漏れの少なさ
- 抜群の装着感(どちらも優秀ですが)
OpenFit 2の方が良い点
- 低音の迫力
- 抜群の操作性
- マイク性能
- 価格
Shokz OpenDots ONEは耳を塞がない“ながら聴き”イヤホンとして非常にレベルの高いイヤホンでした。
オープンイヤー型ながら音質が良く、装着感も抜群。
バッテリー保ちも良くて、何より音漏れが物凄く少ないのが良かったです。
音漏れしない音量に抑えてもしっかりリスニングできるだけのボリュームをキープできるので使い勝手が他のオープンイヤー型とはまるで違います。
気になった点は操作性だけですね。
今後のアップデートでカスタマイズできる範囲がもう少し増えてくれると最高なのですが。
OpenFit 2との主な違いは上にまとめたとおりで、低音重視で聴きたい方・操作性が良い方がストレス無く使えて好みという方はOpenFit 2を選ぶと良いでしょう。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。