QCY MeloBuds Pro (HT08) | |
発売日 | 2024年7月12日 |
価格 (発売時) |
6,980円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
ANC OFF 8.5時間/34時間 ANC ON 7.5時間/30時間 |
コーデック | SBC/AAC/LDAC |
ドライバー | 12mmダイナミックドライバー |
防水性能 | IPX5 |
Bluetooth Ver. | 5.3 |
機能 | ノイズキャンセリング・外音取り込み機能・マルチポイント・低遅延モード・着脱検知機能・イコライザー・空間オーディオ・専用アプリ・急速充電(10分→2時間) |
資料 | 公式サイト |
- 値段の割にバランスの取れた良い音を鳴らす
- 1万円以下最高峰のノイズキャンセリング
- デザインも従来製品から大幅進化
- 外音取り込み機能はアプリで取り込み量を調整した方が良い
- 着脱検知機能の精度がイマイチ
総合評価 |
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9.5/10 |
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こんにちは、猫居です。
趣味で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を集めています。
今回レビューするのはQCYのTWS、MeloBuds Pro(HT08) 。
ノイキャンやマルチポイントなどのほしい機能全部入りで定価6,980円。
セール機会の多いQCYなら5,000円台が実売価格といったところでしょうか。
QCYには5,000円前後の価格帯で非常に人気の高いHT05というTWSがあるので、今回はHT05と比較してどのような変化があったのかを重点的にチェックしていきます。
今回も先に総評から紹介します。
より詳細な内容は目次以降をご覧ください。
本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
総評 |
9.5/10点 音の傾向は評価の高かったHT05を引き継いでおり、バランスの取れたサウンドとなっています。音質はHT05から大幅に進化したわけではありませんが、低音の締りが良くなるなど細かい部分で改善がみられます。ただ、空間オーディオ機能は音に囲まれるというよりは音が遠のく感じで個人的にはイマイチかなと思いました。 |
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音質 | 7.7/10 | 便利機能 | SABCD |
ノイキャン | 9/10 | 携帯性 | SABCD |
外音取り込み | 8/10 | 操作性 | SABCD |
装着感 | 8.5/10 | 通話性能 | SABCD |
- QCY MeloBuds Proとは
- QCY MeloBuds Proの外観・付属品チェック
- QCY MeloBuds Pro 測定データ
- QCY MeloBuds Pro 詳細レビュー
- QCY MeloBuds Pro 総評
QCY MeloBuds Proとは
https://qcyjapan.com/pages/qcy-melobuds-pro
『特徴』
コスパの高さで人気だったHT05と機能面を比較すると
- マルチポイントに対応
- ノイキャン強化(-40dB→-46dB)
- アダプティブANC搭載
- 空間オーディオ機能
ざっと見てもこれだけパワーアップしています。
5,000円周辺どころか1万円以下でもTOPクラスの多機能っぷりです。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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QCY MeloBuds Proの外観・付属品チェック
イヤホン本体
タッチセンサー式。
若干チープさのあったHT05と比べると洗練されたデザインに進化しています。
【ブラック 画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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【ホワイト 画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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イヤホンケース
イヤホンケースも同様にデザインが大幅進化。
【ブラック 画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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【ホワイト 画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- 説明書類
QCY MeloBuds Pro 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:51.0mm 横:56.2mm 高さ:27.8mm 三辺合計:135.0mm |
重さ | イヤホン:4.4g ケース:32.8g |
イヤホンケースは手のひらで握って隠れるくらいのサイズ感です。
イヤホン・ケース共にHT05より小さくて軽くなっています。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 216ms(SBC) 267ms(AAC) 342ms(LDAC) |
267ms(AAC) |
低遅延時 | 139ms(SBC) 204ms(AAC) 184ms(LDAC) |
204ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android(SBC/ゲームモード)での最小遅延=約0.139秒
- iPhone(AAC/ゲームモード)での最小遅延=約0.204秒
アプリまたはイヤホン操作でゲームモードにすることで低遅延に切り替えることができます。
Android(SBC/低遅延モード)では音ゲー以外のゲームや動画視聴で許容範囲といえる遅延です。
iPhoneだとゲームはちょっと厳しいかもしれません。動画視聴はNetflixなどアプリ側で遅延を補正してくれるものは問題ありません。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
△ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
△ | final TYPE E(M) |
○ |
オーディオテクニカ AT-ER500(M) |
○ | Spinfit OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
- |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
○ |
割と多くのイヤーピースが入りました。
ハイブリッドイヤーピースとトリプルコンフォートイヤーピースは指で押してあげないときちんと充電できないことがあったので△。
COREIRは一応収まりますが、ケースを開け締めするたびにイヤホンにフタが当たって傷つきそうなので✕としました。
QCY MeloBuds Pro 詳細レビュー
音質評価
バランスの良いサウンドです。
フラットで高評価だったHT05の傾向を引き継いでいます。
HT05と聴き比べて劇的な変化はありませんが、細かい部分が改善されていると感じました。
まず、低音は締まりが良くなりましたね。
HT05は少し緩さを感じるところがありましたが、引き締まったように思います。
そしてHT05にはなかったハイレゾ相当のLDAC対応のおかげか、高音の明瞭感も増しています。
全体としてすっきり感が増してボーカルが聴きやすくなった印象です。
細かいことを言えば高音は自然な音の出というよりは持ち上げてるなという感じがありありと伝わってきたりはしますが、音のバランスが良いので5,000円クラスのTWSとしてはかなりの高音質と言えるでしょう。
(上)プリセット/(下)カスタムEQ
音質 |
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7.7/10 |
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空間オーディオについて
空間オーディオを利用するにはLDACをOFFにする必要があります
空間オーディオは違和感はそれほどないのですが全体の位置を後ろにずらして空間を広げたような…
音に囲まれる感覚というよりは音が下がっていく感じですかね。
せっかくボーカルが良いイヤホンなのにボーカルが遠のいて薄い感じになるので個人的にはイマイチかなと思います。
ノイズキャンセリング機能の比較
モード選択でアダプティブにするか強度を選ぶことも出来ます
-46dBのノイキャンを搭載。
個人的には手動でノイキャン強度MAXにするよりアダプティブにしたほうがより効いているように感じました。
低音ノイズをものすごく良くカットし、中音ノイズ・高音ノイズにもある程度の効果を実感できます。
使い比べてみると-40dBだったHT05よりかなり消音力が上がっているのはもちろんのこと、先日レビューしたばかりの-45dB SOUNDPEATS Capsule 3 Pro+やレビュー予定の-50dB Earfun Air Pro 4よりも強力にノイズカットできていました。
自分の手持ちではCMF by NOTHING Buds Proを超えて現時点で1万円以内の完全ワイヤレスイヤホンでもっとも強力なノイキャンイヤホンと言えそうです。
1万円どころか実売価格は5,000円の方が近い値段でこれは凄いと思います。
(参考:QCY MeloBuds Pro (HT08) のノイズキャンセリングを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度比較表)
ノイキャン |
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9/10 |
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外音取り込み機能の評価
外音を取り込む量を『透明度』で調整可能。
人の声を強調する「ボーカル強調」モードもあり。
一方で外音取り込み機能は結構大雑把な感じになっています。
『透明度6』だと実際の外音よりめちゃくちゃ大音量で取り込み、ノイズもかなり入ります。
違和感すごくて疲れるので、抑えたいところですが…
『透明度3』だとまだ大きくて、『透明度2』くらいで実際の外音よりちょっと音量低めくらいの集音力。
これくらいだと使いやすいかなと思います。
小声で喋られない限りは人の声も聞き取れます。
外音取り込み |
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8/10 |
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装着感評価
装着時の見た目
装着感もHT05から進化しており、スリムなったことで耳に触れる部分が減って軽い着け心地になりました。
がっちりフィットというよりは軽さ重視という感じで、長時間着けっぱなしにしていても疲れません。
反面、普通に使う分には問題ありませんが激しい運動にはあまり向かないかなという感じがします。
個人的には好みの着け心地です。
装着感 |
|
8.5/10 |
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マイク性能・通話品質
及第点といった感じのクリアさ。
風切音はしっかりカットしてくれました。
声にややこもり感は出ますが、きちんと聞き取れる範囲です。
周囲の騒音にも素早く反応してガッツリ除去。
ただ、同時に声が機械音っぽくなりビビリもはいってちょっと聞き取りにくいかなと感じました。
騒がしいところでも使えなくないですが、なるべく静かなところで使ったほうが無難かなという印象です。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
(左)デフォルト操作|(右)割り当て可能な操作
L側 | R側 | |
1タップ (カスタマイズ可) |
無効 | 無効 |
2タップ (カスタマイズ可) |
再生/停止 | 再生/停止 |
3タップ (カスタマイズ可) |
音声アシスタント | 曲送り |
長押し |
ゲームモード | ノイズコントール |
1~3タップ目までをカスタマイズ可能です。
割り当てもかなり自由度が高く、だいたいの方が好みの操作方法を実現できるのではないでしょうか。
また、このイヤホンは着脱検知機能*を搭載しており、アプリでON/OFFを切り替えることができます。
*イヤホンを外すと音楽を自動停止し、装着しなおすと音楽の再生を再開するというもの
あまり精度はよろしくないようで、デスクにイヤホンを置いただけで勝手に再生が再開されてしまったりします。
対策としてはイヤホンのイヤーピース側を上に向けて置くことで防げますが…
指でイヤーピースを持っただけで暴発したりもするので個人的にはOFFでも良いかなと思いました。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【QCY】の主な機能
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- イコライザー
- 空間オーディオ
- 操作方法のカスタマイズ
- 着脱検知
- ゲームモード
- マルチポイント
- LDACのON/OFF
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
サウンド画面
設定画面
使って気付いたその他の注意点
マルチポイントとLDACは併用不可
LDACとマルチポイントは併用できません。
音質評価の項目でも触れましたが、空間オーディオとLDACも併用不可です。
マルチポイントは割り込み不可
マルチポイントの挙動について。
端末Aで音を再生中に端末Bで音を出しても自動では切り替わりませんでした。
端末Aの音を止めてから端末Bで音を出す必要があります。
QCY MeloBuds Pro 総評
メイン機能評価
音質 |
|
7.7/10 |
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ノイキャン |
|
9/10 |
外音取り込み |
|
8/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:9.5/10
MeloBuds Proは定番的人気を得ていたHT05から更に進化したTWS。
音質は微UPといった感じですが、ノイキャンはかなりパワーアップしていますしマルチポイントに対応したのも大きいですね。
個人的にはチープ感がなくなってデザインが良くなったのが◎。
予算5,000円前後で完全ワイヤレスイヤホンを探している方に非常におすすめです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。