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TWSコレクターによるイヤホン/ヘッドホン レビューブログ

QCY Crossky C30S レビュー|前作C30と使い比べて違いをチェック【イヤーカフ型イヤホン】

Author:猫居こうた

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QCY Crossky C30S レビュー

  QCY Crossky C30S
発売日 2025年5月9日
価格
(発売時)
7,880円
連続再生時間
(単体/ケース込)
6時間/40時間
コーデック SBC/AAC/LDAC
ドライバー 10.8mmデュアルマグネットドライバー
防水性能 IPX5
Bluetooth Ver. 6.0
機能

マルチポイント・低遅延モード・イコライザー・空間オーディオ・専用アプリ

資料  公式サイト
  • イヤーカフ型で最高クラスの装着感の良さ
  • 前作から音質が大幅にアップ
  • 音量の微調整が可能になる等、前作の欠点を多数改善
  • タップ操作がしにくいのは相変わらず
総合評価
 
9/10

こんにちは、猫居です。

趣味で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を集めています。

今回レビューするのはQCYのオープンイヤー型イヤホン、Crossky C30S。

イヤーカフ型のワイヤレスイヤホンで、2024年10月にレビューしたQCY Crossky C30の改良版にあたります。

非常に良好な装着感が印象的だった前作ですが、良い部分はキープされているのか、音質面はどう変わったのか。

前作と使い比べて違いをチェックしていきます。

本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。

QCY Crossky C30S 外観・付属品チェック

イヤホン本体

前作と同じタッチセンサー式。

デザインも基本的には同じようで、値段の割にビルドクオリティは良いです。

QCY Crossky C30SとC30の比較

 

【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】

 

イヤホンケース

イヤホンケースは前作の欠点が改善。

前作は傷が付きやすいのがデメリットでしたが、今作では少しざらっとした加工がついて傷がつきにくくなっています。

QCY Crossky C30SとC30の比較

 

【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】

 

外箱・付属品

QCY Crossky C30S 外箱・付属品

付属品リスト

  • 充電用 USB Type-C ケーブル
  • 説明書類

QCY Crossky C30S 測定データ

重さ・サイズ実測値

QCY Crossky C30S 重さ・サイズ 実測値

ケースサイズ 縦:49.0mm
横:66.0mm
高さ:25.6mm
三辺合計:140.6mm
重さ イヤホン:5.2g
ケース:32.8g

重さ・サイズともに前作とほぼ同じでした。

イヤーカフ型は普通のオープンイヤー型に比べてケースがかなりコンパクトなのが良いですね。

 

(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)

遅延測定結果

QCY Crossky C30S 遅延測定結果

  Android・PC その他 iPhone
通常時 334ms(SBC)
399ms(AAC)
314ms(LDAC)
399ms(AAC)
低遅延時 135ms(SBC)
201ms(AAC)
114ms(LDAC)
201ms(AAC)

100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。

アプリまたはイヤホン操作でゲームモードに切り替えることができます。

前作はゲームモードにしてもちょっと遅延が気になるかな?という値でしたが、今作ではAAC以外の接続ではストレスなくゲームなども遊べそうです。(音ゲーは厳しいですが)

ただ、AAC接続時の遅延は大きめなので、AACでしか接続できないiPhoneの場合はゲームはもたつく感覚があると思います。

動画視聴はNetflixなどアプリ側で遅延補正してくれるものは問題なく楽しめるでしょう。

音漏れ測定結果

音量何%まで音漏れしないのかチェック。

パーソナルスペース(45cm)分の距離をあけて家族にイヤホンを装着してもらい、自分の耳と計測器で確認しました。

音漏れチェック

音量26%から僅かな音漏れを確認。

静かな環境でも全く音漏れしたくない場合には音量23%までに抑えると良さそうです。

音量23%でも喧騒の中でなければ“ながら聴き”するには充分な音量が出ると思います。

なお、前作は音量13%から音漏れしていましたが、最小音量が大きすぎたというか音量の刻み幅がかなり大雑把なのが原因でした。

今作ではそのあたりが修正されて細かく音量を刻めるようになっています。

実連続再生時間のチェック・バッテリー残量の推移

QCY Crossky C30S バッテリーチェック

LDAC・音量40%で再生

  • 1時間再生⇒電池残量90%
  • 2時間再生⇒電池残量60%
  • 3時間再生⇒電池残量40%
  • 3時間50分再生⇒電池残量0%

3時間50分再生することが出来ました。

C30の実再生時間テストでは4時間40分再生できたので少なくなっているじゃないかと思われるかもしれませんが、今回のテストは消費の激しいLDACでの再生。

SBCやAACならもっと長く再生できると思います。

QCY Crossky C30S 詳細レビュー

QCY Crossky C30S

音質評価

前作はぼわっとした緩い音を鳴らすイヤホンでしたが、今作ではそのあたりはかなりスッキリして改善。

フラット寄りのサウンドとなっています。

低音は前作と比べて抑えめになって標準的な量感に。レスポンスは良くなっていて、すっきりとした鳴りです。

前作は中低音が漠然と滲む感じでかなりゆるめでしたが、今作では大幅に改善。明瞭さがアップして聴きやすくなっています。また、ボーカルはかなり前のめりに主張。

高音も前作よりクリアになっていますが、やや固まりで鳴る印象で、分離感や明瞭度はお値段なりといった感じでしょうか。

同じ価格帯のイヤーカフ型イヤホンで人気ありそうなSOUNDPEATS CCと比べると低音は圧倒的にCCのほうが出るものの、中音はC30Sのほうが明瞭。高音はどっこいどっこいといった感じ。

前作より確実に音質アップしており、価格帯TOP層と勝負できるレベルになっていると思います。

アプリのイコライザー画面

カスタムイコライザー

空間オーディオ機能について

アプリから空間オーディオ機能をONにすることができます。

前作はタップ操作で空間オーディオをONにできたのですが、今作は割り当てできなくなっていました。

この点はちょっと残念。

音の広がりに関しては前作だとちょっと広がりが増すくらいの感覚でしたが、今作はより横の広がりを大きく感じることができるように。

臨場感が欲しい時に良いと思います。

装着感評価

QCY Crossky C30S 装着時の見た目

装着時の見た目

装着感は前作と同じでとても良いです。

オープンイヤー型としては最高レベルの軽い着け心地と安定したフィット感。

C30は自分が使ったイヤーカフ型で1番装着感が良かったので、変わっていなくて安心しました。

ライバルとなるSOUNDPEATS CCはちょっとズレやすいところがデメリットなので、この点は大きな差別化ポイントとなります。

操作方法と操作性評価

デフォルトの操作方法

1タップ~3タップまでそれぞれ好みの操作を割り当てる事ができます。

ただ、操作性は前作同様やや難ありという印象です。

普通にタップしても反応しないことが割とよくあるというか、ちょっとコツがいります。

上のイラストのように、後ろ側にタッチセンサーがついています。

これが耳の後ろに人差し指をやってトントンとしようとしてもうまく反応しないことが多くて…

前の部分を人差し指で押さえながら親指でトントンしてやると少しはマシに操作できました。

それでもたまに反応しないことがありますが、人差し指だけでトントンするよりはだいぶ良いと思います。

割り当て可能な操作方法一覧

前作は空間オーディオを割り当てできたのに何故か今作では出来なくなっています

マイク性能・通話品質

ややぼんやりした、湯船につかったような音声。

風切音は喋っていないときはしっかりカット。喋ると声と一緒に少し混じってしまう感じ。

ノイズ処理も比較的カットしてくれますが、声も圧迫されたように少し劣化します。

音声のクリアさについては前作とあまり変わりないように感じますが、ノイズ処理は上手になったと言えそうです。

専用アプリ【QCY】の主な機能

主な機能一覧

  • イコライザー
  • 空間オーディオ
  • ゲームモード
  • LDACのON/OFF
  • 操作方法のカスタマイズ
  • ファームウェアアップデート

ホーム画面

サウンド画面

設定画面

その他の挙動について

LDACとマルチポイントが併用可能

LDACとマルチポイントが併用できます。

どちらかしかONにできないイヤホンが多いので併用できるイヤホンは貴重ですね。

特に1万円以下のワイヤレスイヤホンではかなりレアだと思います。

マルチポイントの挙動について

Crossky C30Sのマルチポイントは割り込み再生可能でした。

総評

QCY Crossky C30S

総評:9/10

前作は自分が使ったイヤーカフ型ではベストと言える装着感の良さでしたが、その良い部分は変わらずに良好でした。ブレにくく安定した着け心地で普通のオープンイヤー型イヤホンよりもずっと耳への負担も少ないです。

一方でだいぶ変わったなと感じたのが音質。前作はややぼんやりした音でしたが、すっきりとしてボーカルの映えるサウンドに。音質面はかなりレベルアップしたと思います。

その他、音量調整の刻み幅が細かくなって微調整しやくなっていたりと細かい部分の改善も多数みられ、全体的な満足度もしっかりアップ。

課題のあった部分であまり変わっていなかったポイントはタッチセンサーの感度というかタップ操作の正確性。構造上どのイヤーカフ型イヤホンも概ね同じ問題を抱えている感じもありますが、タップしても反応しないことがたまにあって操作性は普通のオープンイヤー型イヤホンに劣るかなと。

次回作ではこの点を改善してもらえるとより使いやすくなるように思います。

あとは見栄え的な部分はあまり評価の対象にはしていないのですが、着けた時の見た目もすっきりしていて個人的には好きですね。(他のイヤーカフ型はもっとサイズがあって存在感大きめ)

装着感の良いイヤーカフ型イヤホンが欲しい方、低音寄りの音よりはスッキリしたサウンドの方が好みという方におすすめです。

今回は以上となります。

また次回のレビューでお会いしましょう。