QCY AilyBuds Pro+(HT10) | |
発売日 | 2024年5月24日 |
価格 (発売時) |
7,480円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
ANC OFF 5時間/28時間 ANC ON 4時間/23時間 |
コーデック | SBC/AAC/LDAC |
ドライバー | 13mmダイナミックドライバー |
防水性能 | IPX4 |
Bluetooth Ver. | 5.3 |
機能 | アダプティブノイズキャンセリング&オーディオ・マルチポイント・低遅延モード・イコライザー・専用アプリ・急速充電(5分→1時間) |
資料 | 公式サイト |
- 明瞭なサウンドでインナーイヤー型ながらしっかり低音も出る
- 耳を塞がないので圧迫感が無く、長時間装着していられる軽い着け心地
- 値段の割に多機能でビルドクオリティも○
- 起動毎にノイキャン・音質の最適化をし直す必要がある
- インナーイヤー型としては強力なノイキャンだが、過度な期待は禁物
総合評価 |
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9.5/10 |
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こんにちは、猫居です。
趣味で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を集めています。
今回レビューするのはQCYのTWS、AilyBuds Pro+。
貴重なインナーイヤー型のTWSで、装着状態に応じて音質・ノイズキャンセリング機能を最適化してくれる機能を搭載。
マルチポイントやゲームモードもあり、格安TWSとは思えない多機能モデルです。
今回も先に総評を紹介します。
より詳細な内容は目次以降をご覧ください。
本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
総評 |
9.5/10点 QCYらしい非常にコストパフォーマンスの高いイヤホンです。 |
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音質 | 8/10 | 便利機能 | SABCD |
ノイキャン | 3.5/10 | 携帯性 | SABCD |
外音取り込み | 9.5/10 | 操作性 | SABCD |
装着感 | 9/10 | 通話性能 | SABCD |
- QCY AilyBuds Pro+とは
- QCY AilyBuds Pro+の外観・付属品チェック
- QCY AilyBuds Pro+ 測定データ
- QCY AilyBuds Pro+ 詳細レビュー
- QCY AilyBuds Pro+ 総評
QCY AilyBuds Pro+とは
https://qcyjapan.com/products/qcy-ailybuds-pro-1
『特徴』
音質・ノイキャン共に個人に最適化される機能が付いています。
インナーイヤー型TWSとしてはこれ以上ないくらいに高機能です。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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QCY AilyBuds Pro+の外観・付属品チェック
イヤホン本体
タッチセンサー式。
スティック部分に光沢が入っていて値段の割にスタイリッシュに見えます。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
⇠⇠⇠
イヤホンケース
5分の充電で1時間再生可能な急速充電に対応。
ケースもコンパクトで洗練された印象を受けます。
イヤホンを収納する際、少し工夫が必要です。
コツはスティック側から収めるようにすること。
頭から入れるとうまく入らずケースからこぼれてしまいます。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
⇠⇠⇠
外箱・付属品
付属品リスト
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- ユーザーガイド
QCY AilyBuds Pro+ 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:50.7mm 横:50.9mm 高さ:27.9mm 三辺合計:129.5mm |
重さ | イヤホン:4.3g ケース:28.3g |
手で握り隠せるくらいの非常にコンパクトかつ軽量なケース。
イヤホンも比較的軽め。
安っぽさは無いのにかなり軽くて小さいのが良いです。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 217ms(SBC) 267ms(AAC) 316ms(LDAC) |
267ms(AAC) |
低遅延時 | 138ms(SBC) 207ms(AAC) 186ms(LDAC) |
207ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時の最小遅延=約0.138秒
- iPhone接続時の最小遅延=約0.207秒
アプリまたはイヤホン操作で低遅延となるゲームモードに切り替えることが出来ます。
Android(SBC/ゲームモード)では音ゲー以外のゲームや動画視聴には問題ないくらいの遅延です。
iPhone(AAC/ゲームモード)ではYoutubeやNetflixなどのアプリ側で遅延を補正してくれるものは動画視聴も問題ありませんが、ゲームは厳しいでしょう。
イヤーピース一体型イヤホンカバーが一応入る
インナーイヤー型イヤホンをカナル型のようにするエレコムのEarPods用イヤホンカバー(Amazonリンク)が一応装着できました。
インナーイヤー型でも安定した装着感と低音増強効果が得られるアイテムですが、ケースには収まらなかったので都度つけ外しする必要があります。
装着感が合わない時、スポーツ等で使いたい時などに使えそうです。
QCY AilyBuds Pro+ 詳細レビュー
音質評価:アダプティブオーディオで低音が激増
装着状態に応じて音質を最適化してくれる機能の他、プリセットとカスタムイコライザーも
適応音響効果(いつの間にかAIオーディオという表示に変更されていました)で音質の最適化をはかると大きく音が変化します。
デフォルト時の音はフラット寄り。
硬質なサウンドで音場は広めです。
重低音は出ず、インナーイヤー型らしいさらっとした聴き心地といえます。
AIオーディオをONにすると低音が一気に増幅。
耳を塞がないインナーイヤー型とは思えないほどしっかりと重低音も出るようになります。
中音が少し引っ込むのが気になるところですが、高音は明瞭で刺激感も無く、値段を考えれば相当に良いのではないでしょうか。
同価格帯のインナーイヤー型TWS、SOUNDPEATS Air 4と比べても高解像で1ランク上の音と感じます。
さっぱりと聴きたいときはデフォルト、低音もしっかり欲しいときはAIオーディオという感じで使い分けても良さそうです。
AIオーディオの使い方について
ノイズキャンセリングをONにすることで音質ノイキャンの最適化が実行されます
音質の最適化はイヤホンの電源を入れるたびに測定し直す必要があります。
イコライザーの設定が【AIオーディオ】になっている場合はノイキャンをONにすれば自動で音質も最適化されるようです。
右イヤホン長押しでノイキャン切り替えなので、イヤホン操作から最適化もできるというわけです。
その他のプリセットに設定されている場合は、アプリから【AIオーディオ】を選択することで最適化されます。
音質 |
|
8/10 |
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ノイズキャンセリング機能の比較:インナーイヤー型としてはかなり強力
耳を塞がない(遮音性が稼げない)インナーイヤー型にノイズキャンセリング機能は相性が悪く、これまでレビューしてきたANC付きのインナーイヤー型TWSはノイズキャンセリングに関してはほとんどのものを評価1にしてきました。
しかし、AilyBuds Pro+はインナーイヤー型ながらそこそこの効果を実感できます。
もちろん、大きなノイズを無音化するような強力な効果は得られませんが、ある程度カットすることは可能。
特に低音ノイズへの効果が高く、-28dB評価のカナル型ANCイヤホンより低音ノイズに関しては上でした。
ただ、やはり中音以降のノイズには物理的な遮音性がない分弱いです。
カナル型とは音の消し方がだいぶ違うので評価に迷うところですが、総合的には1つ下の-25dBのイヤホンと同じくらいかなぁという感じです。
アダプティブノイズキャンセリング機能について
ノイズキャンセリング機能はデフォルトがOFFなので起動するたびにONにし直す必要があります。
右イヤホン長押し⇒ノイキャン最適化⇒ノイキャンONという感じなので、ノイキャンをONにするのに実質7~8秒くらいかかります。
また、イヤホンをつけたり外したりしているとアダプティブANCの効果が感じられなくなるときがあり、その際は再度ノイキャンの最適化を行ったほうが良いです。
(参考:QCY AilyBuds Pro+(HT10)のノイズキャンセリングを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度比較表)
ノイキャン |
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3.5/10 |
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外音の取り込み具合:耳を塞がないので自然に外音が聞ける
機能としての外音取り込み機能はありませんが、耳を塞がないインナーイヤー型なので自然と外音を取り込めます。
音量を抑えれば“ながら聴き”も可能で、BGM的に音楽をかけながら周囲の音に気を配る事ができます。
外音取り込み |
|
9.5/10 |
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装着感評価:インナーイヤー型らしい軽い着け心地
装着時の見た目
インナーイヤー型らしい圧迫感のない軽い着け心地です。
カナル型が苦手な人に最適。
同じインナーイヤー型のSOUNDPEATS Air 4と比べても装着感に大きな差は無いのですが、1世代前のノイキャン無しモデルAir3 Deluxe HSと比べると少し差を感じます。
Air3 Deluxe HSのほうが小型な分、より軽い装着感です。
ノイキャンなど機能多く積んでいる分、大きくなっているのか。
あるいは少しでも遮音性を稼ぐために大きくしているのか。
いずれにせよAir3 Deluxe HSは非常に軽い装着感なので、音質や機能性では劣るもののインナーイヤー型TWSに求める性能が軽い着け心地という方はAir3 Deluxe HSを選ぶのもアリでしょう。
AilyBuds Pro+も充分圧迫感なく快適な装着感ですけどね。
装着感 |
|
9/10 |
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マイク性能・通話品質:風切音には比較的強い
やや機械で処理した感のある声になりますが、そこそこクリアです。
風切音に結構強いようで、多少の風なら問題なく通話できました。
ただ、周囲の雑音を処理しようとすると声もビリビリと乱れがちに。
騒がしいところで使うのは避けて静かな場所で通話したほうが良さそうです。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価:
1~3タップの操作方法を変更可能
L側 | R側 | |
1タップ | - | - |
2タップ | 再生/停止 | 再生/停止 |
3タップ | 音声アシスタント | 曲送り |
長押し | ゲームモード | ノイズコントロール |
アプリから操作方法をカスタマイズ出来ます。
長押し以外の操作を変更可能です。
デフォルトでは音量調節と曲戻しが入っていないので、自分は1タップ目を音量+/-、3タップ目を曲戻し/曲送りとしています。
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【QCY】の主な機能
主な機能一覧
- 音質・ノイキャンの最適化
- 装着感テスト*
- イコライザー
- ゲームモード
- 操作カスタマイズ
- マルチポイントのON/OFF
- LDACのON/OFF
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
サウンド画面
設定画面
*装着感テスト
ノイキャンをONにすると最適化が行われます
その際、装着が適切に出来ているかの結果が表示されます
使って気付いたその他の注意点
マルチポイントとLDACは併用不可
マルチポイントとLDACを併用することはできません。
どちらかをONにすると反対側がOFFになる仕様となっています。
マルチポイントは割り込み不可
マルチポイントの挙動について。
端末Aで音を再生中に端末Bで音を出しても自動では切り替わりませんでした。
端末Aの音を止めてから端末Bで音を出す必要があります。
QCY AilyBuds Pro+ 総評
メイン機能評価
音質 |
|
8/10 |
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ノイキャン |
|
3.5/10 |
外音取り込み |
|
9.5/10 |
装着感 |
|
9/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:9.5/10
QCYにしては少しお値段高めですが、その分非常に良い仕上がりです。
音質・ノイキャン共に低価格帯インナーイヤー型としては現時点で最高の評価でした。
通常価格は7,500円弱ですが、セール機会の多いQCYなので実際はもう少し安く買えるでしょう。
コスパ重視でインナーイヤー型TWSを選ぶなら AilyBuds Pro+と言える存在となるかもしれません。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。