Nothing Ear(a) | Nothing Ear | |
発売日 | 2024年4月22日 | 2024年4月22日 |
価格 (発売時) |
14,800円 | 22,800円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
ANC OFF 9.5時間(42.5時間) ANC ON 5.5時間(24.5時間) |
ANC OFF 8.5時間(40.5時間) ANC ON 5.2時間(24時間) |
コーデック | SBC/AAC/LDAC | SBC/AAC/LDAC/LHDC 5.0 |
ドライバー | 11mmダイナミックドライバー (PMIおよびTPU製) |
11mmダイナミックドライバー (セラミック) |
防水性能 | IP54 (イヤホン) IPX2 (ケース) |
IP54 (イヤホン) IP55 (ケース) |
Bluetooth Ver. | 5.3 | 5.3 |
機能 |
共通 |
|
資料 | 公式サイト / 説明書 |
公式サイト / 説明書 |
こんにちは、猫居です。
趣味で完全ワイヤレスイヤホンを集めています。
今回はNothingの完全ワイヤレスイヤホン、EarとEar(a)を使用比較してその違いをチェック。
どちらも前衛的でおしゃれなデザインが目を引くイヤホンですが、NothingのサブブランドCMFのBuds Proがとても良かったので本作も気になっていました。
まずは総評からみていきましょう。
詳細な比較結果や採点点数は目次以降でご覧ください。
総評 |
音質の違い Ear(a)は低音~中音にボリュームがあり、Earは全域に渡って元気な音を鳴らすイヤホンです。 機能の違い 機能面はほとんど同等です。先に挙げた音質最適化機能はEarのみ使えるというのが主な違いと言えます。 どちらがおすすめか 当然といえば当然ですが、音質・機能ともに上位機であるEarの方が少し優れている印象。 |
- Nothing EarとNothing Ear(a)の特徴・外観
- Nothing Ear / Nothing Ear(a) 測定データ
- Nothing Ear vs Nothing Ear(a) 比較レビュー
- 総評
Nothing EarとNothing Ear(a)の特徴・外観
Nothing Earの特徴
https://jp.nothing.tech/products/ear
『特徴』
誤操作の少ないピンチ操作を採用。
音質の最適化機能にノイズキャンセリングのリアルタイム補正なども備え、3万円級の高級機並に多機能な完全ワイヤレスイヤホンです。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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Nothing Earの外観・付属品チェック
イヤホン本体
ピンチコントロール式。
おしゃれで洗練されたデザインです。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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イヤホンケース
ケースもとてもおしゃれです。
Earのみワイヤレス充電に対応しています。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- ユーザーガイド
Nothing Ear(a)の特徴
https://jp.nothing.tech/products/ear-a
『特徴』
振動板の違いが主な違い。
廉価版ながら音質最適化機能以外は上位機とほとんど同じ機能を備えています。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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Nothing Ear(a)の外観・付属品チェック
イヤホン本体
ピンチコントロール式。
上位機と遜色ないビルドクオリティです。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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イヤホンケース
こちらはワイヤレス充電不可。
デメリットというほどではないですがケースの蓋が少し開けにくいので両手でしっかりと持って開けた方が良いです。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- ユーザーガイド
Nothing Ear / Nothing Ear(a) 測定データ
重さ・サイズ実測値
Nothing Ear
ケースサイズ | 縦:55.6mm 横:55.6mm 高さ:22.3mm 三辺合計:133.5mm |
重さ | イヤホン:4.7g ケース:52.3g |
Ear(a)のケースと比べると大きいですが、TWS全体ではかなりコンパクトな部類に入ります。
サイズの割に重さはそこそこあって、透明なケースでも安っぽさを感じません。
イヤホンは重さ・サイズ共に標準的。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
Nothing Ear(a)
ケースサイズ | 縦:47.5mm 横:63.3mm 高さ:22.8mm 三辺合計:133.6mm |
重さ | イヤホン:4.7g ケース:39.5g |
実物を見ているとEar(a)のケースの方がコンパクトに見えるのですが、測ってみるとほぼ同じなんですよね。
こちらのほうがちょっと軽い分、手に持ったときの印象も少しカジュアルに感じますが質感はとても良いです。
イヤホンはEarと同じ重さ・サイズ。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Nothing Ear
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 322ms(SBC) 292ms(AAC) 359ms(LDAC) |
292ms(AAC) |
低遅延時 | 194ms(SBC) 262ms(AAC) 268ms(LDAC) |
262ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時の最小遅延=約0.194秒
- iPhone接続時の最小遅延=約0.262秒
Nothing Ear(a)
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 277ms(SBC) 333ms(AAC) 264ms(LDAC) |
333ms(AAC) |
低遅延時 | 189ms(SBC) 270ms(AAC) 264ms(LDAC) |
270ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時の最小遅延=約0.189秒
- iPhone接続時の最小遅延=約0.270秒
Ear・Ear(a)ともに大体同じくらいの遅延でした。
アプリで低遅延モードに切り替えることが出来ます。
ただ、低遅延モードでもAndroid・iPhoneともにやや遅延は大きめ。
ゲームで使うには物足りない数値です。
動画視聴はYoutubeやNetflixなどのアプリ側で遅延を補正してくれるものは動画視聴も問題ありません。
また、NothingPhoneで接続した場合はEnd to Endの遅延が120ms未満と公表されており、数値通りなら動画やゲームでも問題なく使えそうです。
交換イヤーピース対応表(共通)
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
- | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
- | final TYPE E(M) |
○ |
オーディオテクニカ AT-ER500(M) |
○ | Spinfit OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+7 |
- | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
△ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
○ |
あまり余裕のなさそうなケースですが、そこそこのイヤーピースが入ります。
COREIRは一応入るものの少しケースに干渉するので△としました。
Nothing Ear vs Nothing Ear(a) 比較レビュー
音質の違い
Ear・Ear(a)ともにベースエンハンスをOFF~レベル5まで調整可能
大雑把に2つの違いを挙げると、Ear(a)は低音・Earは高音に特徴のあるサウンドとなっています。
Earは全域に渡って元気良く鳴り、【Mimi】*と提携した音質最適化機能を使うことで音の情報量が増し、中高音以降の見通しがぐっと良くなります。
*Mimiは医療機器として認証された聴力検査アプリです(CE Class 1)。これは、病院以外で実施される聴力検査機能としては、現在利用可能な最高レベルとなっています。
低音の量感はそこそこ。ちょうど良い量感という感じです。
ただ、ベースエンハンスをLv5まで引き上げるとEar(a)と同等の重低音が出るようになり、かなりインパクトのある低音にすることも出来ます。
余談ですが、サブブランドCMF Buds Proの低音もEarのベースエンハンスLv5相当でした。
- Ear ベースエンハンスLv5 = Ear(a)ベースエンハンスLv3 = Buds Pro(調整不可)
という感じです。
Buds Proでは良くも悪くも普通(値段の割には良い)という感じだった中音はかなり強化されており、非常にクリアに聴こえます。
特にEar(a)では男性ボーカルの力強さが心地良く、Earは逆に女性ボーカルのクリアさ・通りの良さが秀逸と感じました。
高音はEar(a)は癖のない自然な鳴りながら、Earと比べるとやや暗め。
EarはEar(a)よりかなり見通しの良い高音で、非常にクリアに鋭く鳴ります。
曲によっては少し刺さりが気になるでしょう。
Ear(a)は重低音の質感や男性ボーカルの力強さが魅力のサウンド。
Earは全域に渡って元気に鳴り、中高音以降の見通しの良さ・女性ボーカルが映える点が美点と言えます。
音質の差はそれほど大きくはなく、音の傾向が結構違うので好みに合いそうな方を選ぶと良いと思います。
- Nothing Ear:8.8 / 10点
- Nothing Ear(a):8.6 / 10点
イコライザーの違いについて
Ear
Earには細かい調整が可能なイコライザーが備わっています
Ear(a)
Ear(a)のイコライザーは簡易的なものとなっています
ノイズキャンセリング機能の比較
ノイズキャンセリングはEar・Ear(a)・CMF Buds Proの3つとも最大-45dBの消音力と公表されています。
しかし、実際に使ってみるとスマートANCアルゴリズム効果もあってか、やはり少し強度に差がありました。
最大は一緒でもフルレンジでは違うという感じですね。
強い順に並べるとEar>Ear(a)>Buds Pro。
Ear(a)とBuds Proは本当に僅かな差、ほとんど同じといっていいくらいでした。
Earだけはあきらかに1ランク上の効きで、Ear(a)やBuds Proで残ってしまうノイズもより消せている印象です。
ただ、Earは強くノイキャンが効いているときにホワイトノイズが発生するという欠点がありました。
これがちょっと残念なポイントで、人によってはそちらのほうが気になる可能性もあるかもしれません。
- Nothing Ear:9.0 / 10点
- Nothing Ear(a):9.0 / 10点
(参考:Nothing Earのノイズキャンセリングを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度比較表)
外音取り込み機能は微差
外音取り込み機能はどちらも同程度の性能です。
機能をONにしてもサーというノイズが入ったりすることもなく、違和感なく周りの音を聞くことができます。
取り込み量はイヤホンをしていないときを100とすると85~90くらいでしょうか。
少し小さくなる感じですが、充分な取り込み量。
イヤホンをしたまま会話をすることもできました。
- Nothing Ear:9.0 / 10点
- Nothing Ear(a):9.0 / 10点
装着感は同等
装着時の見た目
イヤホンが同形同サイズなので装着感もほぼ同等です。
耳のくぼみにフィットして添えるだけに近い感覚。
圧迫感を感じにくい軽い着け心地なので長時間装着しっぱなしにしてもストレスになりません。
- Nothing Ear:8.5 / 10点
- Nothing Ear(a):8.5 / 10点
マイク性能・通話品質の差
EarとEar(a)、どちらも非常にクリアな音声です。
周囲のノイズや風にも負けず、はっきりとクリアな通話が可能でした。
使い比べてみると、Earの方が僅かに周囲のノイズをよりカットできている印象。風切音にも強いです。
ただ、その分強くノイズをカットしているときは音声のこもり感も出るような気がするので総合的にはイーブンかなと感じました。
- Nothing Ear:S 評価
- Nothing Ear(a):S 評価
操作方法について(共通)
Ear・Ear(a)共通
L側 | R側 | |
1つまみ | 再生/停止 | 再生/停止 |
2つまみ | 曲送り | 曲送り |
3つまみ | 曲戻し | 曲戻し |
長押し | ノイズコントロール | ノイズコントロール |
2回つまんで長押し | - | - |
スティック部分をピンチすると反応する疑似物理ボタン式。
アプリから操作方法をカスタマイズすることも出来ます。
『2回つまんで長押し』の項目にデフォルトでは何も入っていません。
デフォルトのままでは音量調節が出来ないのでここに入れてあげると良いでしょう。
タッチセンサー式のような誤タッチが無く操作性は良好です。
ただ、カスタマイズ性は高くはないので、好みの配置に自由に変えられるわけではありません。
割り当てできる操作は限定的
- Nothing Ear:S 評価
- Nothing Ear(a):S 評価
専用アプリ【Nothing X】の主な機能
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- イコライザー
- ベースエンハンス
- 低遅延モード
- 操作カスタマイズ
- 装着感テスト
- 装着検出のON/OFF
- ハイレゾコーデックのON/OFF
- ファームウェアアップデート
- 音質最適化機能*(Earのみ)
ホーム画面
(共通)
設定画面
(赤囲いはEarのみ)
*音質最適化機能
簡易版(左)と詳細テスト(右)の2種類用意されています
使って気付いた注意点(共通)
ハイレゾコーデックへの切り替えは再起動が必要
マルチポイントは割り込み不可
マルチポイントの挙動について。
端末Aで音を再生中に端末Bで音を出しても自動では切り替わりませんでした。
端末Aの音を止めてから端末Bで音を出す必要があります。
総評
Nothing Earの評価まとめ
メイン機能評価
音質 |
|
8.8/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
9/10 |
外音取り込み |
|
9/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:9/10
明瞭で元気の良いサウンドに強力なノイズキャンセリング機能。
操作性やマイク機能も良く、見た目良し・性能良し・使い勝手良しの完全ワイヤレスイヤホンです。
高音の刺さりやノイキャンのホワイトノイズなど、ちょっと気になる点もありますが…
物価高な昨今、完全ワイヤレスイヤホンもどんどん値上がり傾向にある中で2万円そこそこでこの性能はかなりコストパフォーマンスが良いと思います。
Nothing Ear(a)の評価まとめ
メイン機能評価
音質 |
|
8.6/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
9/10 |
外音取り込み |
|
9/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:9.5/10
上位機のEarより廉価ながら決して劣らない性能を持つ完全ワイヤレスイヤホンです。
ベースエンハンスを調整することで標準的な低音~激重の重低音までコントロール可能。
中高音以降の見通しの良さや明瞭感ではEarに劣りますが、Earの尖った部分も無いのでこちらのほうが使いやすいと感じるところもあります。
コストパフォーマンスの観点ではEarをさらに上回る非常に優秀なイヤホンです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。