JBL LIVE BUDS 3 | |
発売日 | 2024年7月18日 |
価格 (発売時) |
26,950円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
ANC OFF 10時間/40時間 ANC ON 8時間/32時間 |
コーデック | SBC/AAC/LDAC/LC3(対応予定) |
ドライバー | 10mmダイナミックドライバー |
防水性能 | IP55 |
Bluetooth Ver. | 5.3 |
機能 | スマートタッチディスプレイ・ノイズキャンセリング・外音取り込み機能・マルチポイント・空間オーディオ・低遅延モード・着脱検知機能・イコライザー・専用アプリ・急速充電(10分→4時間)・ワイヤレス充電 |
資料 | 公式サイト/説明書(PDF) |
- ボーカルの表現力が高い中音重視のサウンド
- 超多機能:スマートタッチディスプレイなどJBLならでは機能を搭載
- ショートスティック型には無い非常に軽い着け心地
- (実質的に)イヤホンで音量調整できない
- LDAC接続時は使える機能に制限がある
総合評価 |
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9/10 |
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こんにちは、猫居です。
趣味で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を集めています。
今回レビューするのはJBLのスマートタッチディスプレイ搭載TWS、LIVE BUDS 3。
1万円台で定番といえる存在だったLIVE FREE 2の後継機となります。
個人的に前作LIVE FREE 2は装着感がとても良くて性能的にも今でも通用するくらいバランスの取れた名機だったと思っているので、その後継機にあたる本作には注目しておりました。
前作からどのような進化を遂げたのか?使い比べて違いを確かめていきます。
今回も先に総評から紹介します。
より詳細な内容は目次以降をご覧ください。
総評 |
9/10点 スマートタッチディスプレイを搭載したことでガジェット的な面白さを獲得。それ以外の部分も前作とはいろいろな点でずいぶんと異なるイヤホンとなっていました。 |
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音質 | 8.6/10 | 便利機能 | SABCD |
ノイキャン | 9/10 | 携帯性 | SABCD |
外音取り込み | 9/10 | 操作性 | SABCD |
装着感 | 9/10 | 通話性能 | SABCD |
- JBL LIVE BUDS 3とは
- JBL LIVE BUDS 3の外観・付属品チェック
- JBL LIVE BUDS 3測定データ
- JBL LIVE BUDS 3 詳細レビュー
- LIVE BUDS 3総評
JBL LIVE BUDS 3とは
https://jp.jbl.com/LIVEBUDS3.html
『特徴』
今だと2万円台はミドルハイといった位置付けですが、3万円オーバーのハイエンド機に引けを取らない多機能モデルとなっています。
前作LIVE FREE 2との機能的な違い
- ハイレゾコーデックのLDACに対応
- スマートタッチディスプレイの採用
- 空間オーディオ機能やサウンドパーソナライゼーション機能の追加
前作より1つ上の価格帯になっていることもあって、装着感・ノイズキャンセリング機能や音質など全面的にグレードアップしているようです。
実際どの程度違ったかは後述します。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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JBL LIVE BUDS 3の外観・付属品チェック
イヤホン本体
タッチセンサー式。
デザインは前作同様ですが、10%小型・軽量化されているそうです。
写真でみるとよくわからないかもですが、実感としてはかなり小さくなったなぁと感じます。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
⇠⇠⇠
イヤホンケース
イヤホンケースはスマートタッチディスプレイを採用し、見た目にも大きな変化。
ワイヤレス充電・急速充電にも対応しています。
こちらはイヤホンとは違い、やや厚みが増して重くなっています。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
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外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- 説明書類
JBL LIVE BUDS 3測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:50.8mm 横:61.0mm 高さ:30.6mm 三辺合計:142.4mm |
重さ | イヤホン:5.0g ケース:69.0g |
同じスマートタッチディスプレイを搭載したハイエンド機のTOUR PRO 2(三辺合計150.7mm・重さ72.7g)よりかなり小型化。
ディスプレイ付きながらもある程度コンパクトなサイズ感に収まっているといえます。
イヤホンは標準的な重さです。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 321ms(SBC) 361ms(AAC) 284ms(LDAC) |
361ms(AAC) |
低遅延時 | 162ms(SBC) 197ms(AAC) 277ms(LDAC) |
197ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
アプリでビデオモードにすることで低遅延に切り替えることができます。
ただ、LDACではビデオモードにしてもほぼ遅延が減っていませんでした。
SBCやAACでもゲームに使うには少し厳し目な数値。
動画視聴に関してはYoutubeやNetflixなど、アプリ側で遅延補正してくれるものは問題なく楽しめます。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
△ | final TYPE E(M) |
○ |
オーディオテクニカ AT-ER500(M) |
○ | Spinfit OMNI |
- |
NUARL Magic Ear+7 |
- | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
- |
トリプルコンフォートイヤーピースは一応入りましたが、抜けやすかったので△としました。
JBL LIVE BUDS 3 詳細レビュー
音質評価
聴力テストで音質を最適化する「Personi-Fi 3.0」とハイレゾコーデック「LDAC」は併用できません
ノリ良く聴けるという点では相変わらずJBLらしい音作りですが、音の傾向はだいぶ変化していました。
前作LIVE FREE 2はJBLらしいドンシャリ型だったのに対してLIVE BUDS 3はボーカル重視で聴ける中音域に厚みのあるサウンドとなっています。
着け心地が軽めのためか低音は量感こそあれど、若干軽めなイメージ。ハイエンド機のTOUR PRO 2のような分厚い低音は出ない印象。
(自分の場合はですが、音質最適化機能であるPersoni-Fiで補正すると低音がやや肉厚になったので、低音が物足りないと感じた場合はPersoni-Fiを試すのもアリかと思います)
中音域は厚みがかなり増していて、ボーカルはかなり近め。
息遣いなどの表現力も随分と良くなっています。
LDACだと透明感も増して尚良し。
高音はシャリ感が減りつつも明瞭度はUP。地味ながらレベルアップしていると感じます。こちらもやはりLDAC接続の方が良いので…
低音を伸ばしたい場合はPersoni-FI、中音・高音を伸ばしたい場合はLDACが良いかなぁという感じでしたが、個人的には中音の表現力が高い元々の個性を伸ばしてLDACで聴くのが良いように思いました。
プリセット&カスタムイコライザーも搭載
音質 |
|
8.6/10 |
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空間サウンドについて
ムービー・ミュージック・ゲーミングの3モードが用意されています
ハイエンド機TOUR PRO 2の空間サウンドは正直イマイチでしたが…
LIVE BUDS 3の空間サウンドは積極的に使いたくなるほど効果的とは言えないものの、違和感はだいぶ減っていて使いやすくなりました。
ミュージックモードではめちゃくちゃ音場が広くなるというわけではありませんが、奥行きが増す感じに。
ムービーモードでは映画館で鑑賞している感覚になる音のポジションで結構臨場感を味わえます。
ゲーミングモードは音の広がりの変化というよりは音の強調感の変化が大きいです。低音の響きが良くなり、迫力を感じやすい・足音を探知しやすいといった具合。
ノイズキャンセリング機能の比較
アダプティブノイズキャンセリング機能を搭載
手動で強度を設定することもできます
前作LIVE FREE 2より消音力は結構アップしています。
それどころかハイエンドのTOUR PRO 2よりもノイキャンの効きは良いように思いました。
特にノイキャンの効きにくい中音・高音ノイズへの効きが良くなっています。
色々なANCイヤホンと使い比べてみましたが、LIVE BUDS 3のノイキャンは同価格帯のBeats Studio Buds+とほぼ同等の効き目でした。
中々優秀だと思います。
(参考:JBL LIVE BUDS 3のノイズキャンセリングを他社ANCイヤホンと比較|ノイキャン強度比較表)
ノイキャン |
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9/10 |
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外音取り込み機能の評価
外音の取り込み量を調整可能
外音取り込みは取り込み量を7段階調整できます。
MAXの7だとイヤホンをしていない時よりやや大きく外音を拾います。
その分、余計なノイズも拾ってしまってエアコンの音などが気になる印象でした。
個人的には取り込み量5くらいで使うと自然で良いかなと思います。
アンビエントアウェアとトークスルーの違い
外音取り込み |
|
9/10 |
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装着感評価
装着時の見た目
前作LIVE FREE 2も軽めの着け心地でしたが、LIVE BUDS 3はイヤホンがよりスリムになってさらに圧迫の少ない着け心地となりました。
非常に軽い装着感のため、長時間着用しっぱなしにしていても耳が疲れにくいです。
一方で、その分フィット感は落ちている印象。
普段遣いでは特に問題を感じないものの、大きな動きの中で使うには少し心許ない感じ。
耳が大きい人やがっちりフィット感を得たい人は前作やショートスティック型のTOUR PRO 2・LIVE BEAM 3の方が合うかもしれません。
装着感 |
|
9/10 |
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スマートタッチディスプレイについて
スマートタッチディスプレイを使うことでアプリを使うことなく様々な機能を呼び出すことができます。
ガジェットとしての面白さに価値を見いだせる人にはたまらない機能。
ただ、冷静になるとめちゃくちゃ便利かっていうとそうでもなくて(笑)音量なんかはスマホのサイドボタンをカチカチした方が早いですし…
あれば便利かなぁくらいの感じです。
表示する機能も選択可能です
ライト機能ON時
マイク性能・通話品質
クリアな音声です。
風を当てると風切音をしっかり処理しつつ声はわずかにこもり感が出る程度の影響。
周囲の雑音もしっかり処理。
通話先にノイズをほとんど通さず、声はしっかりクリアさを保っていました。
外で通話するのに耐えうる優秀なマイク性能だと思います。
どこでも問題なく通話可能です。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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操作方法と操作性評価
(左)操作カスタマイズ画面|(右)割り当て可能な操作パターン
アンビエントS | 再生C | 音量C | |
1タップ |
ノイズコントール | 再生/停止 | 音量+ |
2タップ |
トークスルー | 曲送り | 音量- |
3タップ |
- | 曲戻し | - |
長押し |
音声アシスタント | 音声アシスタント | 音声アシスタント |
3種類の操作パターンから2つを左右に割り振ることになります。
「再生コントロール」と「アンビエントサウンドの操作」がデフォルトで設定されており、ほとんどの方はこのまま使うことになるでしょう。
なので実質イヤホンから音量の調節はできません。
一応、補助的にスマートタッチディスプレイで音量を調節することは可能ですが…。
すべての操作箇所を自由にカスタマイズできるイヤホンも増えてきているので、もう少し柔軟にカスタマイズできるようになって欲しいところではあります。
なお、このイヤホンはスマートオートメーションという着脱検知機能*を搭載しており、アプリでON/OFFを切り替えることができます。
*イヤホンを外すと音楽を自動停止し、装着しなおすと音楽の再生を自動再開する機能
操作性 | S・A・B・C・D |
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専用アプリ【JBL Headphones】の主な機能
主な機能一覧
- ノイズコントロール
- イコライザー
- 空間サウンド
- ビデオモード
- 操作方法のカスタマイズ
- 着脱検知(スマートオートメーション)
- 接続コーデックの切り替え(LDAC)
- スマート充電ケースの設定
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
オーディオ設定画面
その他の設定画面
スマート充電ケースの設定画面
使って気付いた注意点まとめ
LDAC接続時は機能制限有り
LDACで接続中はPersoni-Fi、空間サウンドが利用できません。
この他、自分の測定結果ではビデオモードによる低遅延効果も得られていませんでした。
マルチポイントは割り込み可能
マルチポイントの挙動について。
LIVE BUDS 3のマルチポイントは割り込み再生が可能でした。
LIVE BUDS 3総評
メイン機能評価
音質 |
|
8.6/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
9/10 |
外音取り込み |
|
9/10 |
装着感 |
|
9/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:9/10
LIVE FREE 2との違いまとめ
- スマート充電ケースを採用
- 音の傾向はドンシャリ型から中音に厚みのあるボーカル重視のサウンドに
- 装着感は軽さがUPし、フィット感はDOWN
- ノイズキャンセリング機能がレベルアップ。上位機種TOUR PRO 2以上に
- 空間サウンドなど様々な機能を追加
- 1万円台から2万円台の価格帯に
価格帯・音の傾向・装着感と重要な要素に随分変化があったため、前作とは別物と考えたほうが良さそうです。
全体的な完成度は相変わらず高いので、このイヤホンの特性と好みがマッチすれば楽しく快適にリスニングできる良き相棒となるでしょう。
スマート充電ケースに魅力を感じる方・ボーカル重視で聴きたい方・軽めの装着感が好みの方におすすめです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。