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TWSコレクターによるイヤホン/ヘッドホン レビューブログ

EarFun Tune Pro レビュー|Wave Proと使い比べて違いをチェック【ワイヤレスヘッドホン】

Author:猫居こうた

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EarFun Tune Pro

  EarFun Tune Pro
発売日 2024年12月26日
価格
<発売時>
8,990円
連続再生時間
(ANC ON時)
120時間(80時間)
コーデック SBC/AAC
ドライバー 40mm径PET複合膜ドライバー
+
10mm径LCP複合膜ドライバー
防水性能 -
Bluetooth Ver. 5.4
機能 マルチポイント・ノイズキャンセリング・外音取り込み・空間オーディオ・イコライザー・低遅延モード・急速充電(10分→15時間)
資料 公式サイト / 説明書
  • 前作より低音の量感が増して迫力のあるサウンドに
  • 低音ノイズの処理能力が向上し、総合的な消音力が向上
  • 最大連続再生時間が120時間と非常に長く使える
  • 前作では付属していたハードケースが無くなった
  • ワイヤレスではハイレゾ接続できなくなった
総合評価
 
8.5/10

こんにちは、猫居です。

今回レビューするのはEarFunのワイヤレスヘッドホン、Tune Pro。

以前レビューした同社のワイヤレスヘッドホンWave Proは発売時の価格が9,990円だったので今作の方が若干安い価格設定となっています。

スペックを見比べてみるとノイキャンの公称値は一緒ですが、それ以外はドライバーや対応コーデックまで色々と変わっているようですね。

実際に2つのヘッドホンを使い比べて主な違いをチェックしてみました。

今回も先に総評から紹介します。

より詳細な内容は目次以降をご覧ください。

EarFun Tune Pro vs Wave Pro

本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。

総評

8.5/10点

音の傾向が前作と大きく異なるヘッドホンとなっています。
Wave Proはボーカルが映えるバランス重視の音造りでしたが、Tune Proでは迫力重視のドンシャリサウンドに変化。大人しめだった低音がかなりの量感となり、ヘッドホンらしい臨場感が味わえるようになりました。一方で中音・高音はWave Proの方が綺麗に鳴ります。音のレベルにはそれほど差はないと思うので、音の傾向の違いに注目すると良さそうです。
ノイズキャンセリングは同じ公称値ながら低音ノイズの処理が明らかにTune Proの方が上手くなっており、総合的な消音力はTune Proの方が上と感じました。前作は低音ノイズがどうしても残ってしまいがちだったので、ノイキャン重視でワイヤレスヘッドホンを選びたい場合はTune Proの方が良いです。
定価1,000円安いのに中身は結構いい感じのTune Proですが、ビルドクオリティはWave Proの方が明らかに良いと思います。Tune Proも値段の割に充分なビルドクオリティなのですが、Wave Proは1万円以上のヘッドホンと比べても遜色ないレベルなので、それと比べるとワンランク落ちるかなと。付属品もハードケースがあるWave Proの方が豪華です。
ビルドクオリティに関連しますが、Wave Proの方がイヤーパッドに厚みがあり、その分装着感も良いです。
ノイキャンがしっかり効く方が良い、低音の迫力がある方が良いという方はTune Pro。
外見や付属品も大事、ボーカル重視で聴きたいという方はWave Pro。
こんな感じで選ぶと良い買い物になるんじゃないかと思います。

音質 7.8/10 便利機能 SABCD
ノイキャン 9/10 操作性 SABCD
外音取り込み 9/10 通話性能 SABCD
装着感 8/10 最小遅延 126ms (SBC)

EarFun Tune Proの外観・付属品チェック

ヘッドホン本体

 

アルミのハウジングが寒い時期にはひんやりと感じますが、EaFunらしくビルドクオリティは上々です。

 

ただ、値段に似合わぬ高級感あるデザインだった前作Wave Proと比べるとワンランク落ちる印象ではあります。

 

イヤーパッドの厚みも実は結構違っていたり。


Wave Proには付いていたハードケースも今回は無し。

 

良くなった部分もあります。

電源ボタンとノイズコントロールボタンが左右に分かれて押し間違いが無くなりました。Wave ProはR側に両方のボタンがあったので間違えてノイキャンをOFFにしてしまったりすることもあったんですよね。

 

コンパクトに折りたためます。

 

スライダーは10段階の調整が可能です。

外箱・付属品

EarFun Tune Pro 外箱・付属品

付属品リスト

  • 充電用 USB Type-C ケーブル
  • Aux オーディオケーブル
  • ユーザーガイド

EarFun Tune Pro 測定データ

重さ・サイズ実測値

EarFun Tune Pro サイズ・重量

サイズ 縦:20.5cm
横:17cm
重さ 286.2g

標準的なサイズ感のBluetoothヘッドホンです。

サイズ感は前作とほぼ同じくらいですが、重量は17gくらいUPしていました。

実際に手で持ってみても若干Wave Proの方が軽いのはわかるくらいの違いはありますね。

遅延測定結果

EarFun Tune Pro 遅延測定結果

  Android・PC その他 iPhone
通常時 342ms(SBC)
399ms(AAC)
399ms(AAC)
低遅延時 126ms(SBC)
195ms(AAC)
195ms(AAC)

100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。

ボタン操作またはアプリで『ゲームモード』を選ぶことで低遅延化することが出来ます。

SBCで接続できるAndroidではそこそこ低遅延。

音ゲーは無理ですが、普通のゲームや動画は問題なく楽しめると思います。

AACで接続するiPhoneの場合はゲームで使うと微妙に遅延を感じるでしょう。

動画視聴はネットフリックスなどのアプリ側で遅延が補正されるものなら問題ありません。

遅延が気になる場合は有線接続で使うという手も。

EarFun Tune Pro 詳細レビュー

音質評価

(注意)今作ではハイレゾで聴けるのはAuxケーブル接続時のみとなっています

フラット寄りなサウンドだったWave Proがドンシャリサウンドに変化。

今作は迫力重視のサウンドになっています。

前作は人によっては大人しく感じる可能性もある控えめな低音でしたが、今作の低音はかなりパワフルに鳴ります。曲によってはちょっと暴れ気味なのが気になりますが、この価格帯ではTune Proのパワフルな低音の方が好まれるかもしれません。

ボーカルが前面で主張するWave Proと比べるとTune Proの方はやや後退した位置取りで、コーデックの差もあってか高音もWave Proの方が若干綺麗に出る印象。

従って、

  • ボーカルや明瞭感を重視したい方はWave Pro
  • 低音の迫力を重視したい方はTune Pro

めちゃくちゃ音質に差があるわけではないので好みに合いそうな方を選ぶと良さそうです。

アプリのイコライザー機能

カスタムイコライザー画面

環境イコライザ画面
聴力テストを通じて最適なイコライザ設定を探してくれます

音質
 
7.8/10

シアターモードについて

アプリの【シアターモード】をONにすると空間オーディオ機能を使うことができます。

引っ込みがちなボーカルが少し前に出て、横への音の広がりがUPする印象です。

ノイズキャンセリング機能の比較

アプリでモード変更可能

ノイズキャンセリング機能の最大公称値は同じ数字ですが、実際の使用感は明らかに違いました。

Tune Proの方が低音ノイズへの処理能力があがっており、ゴォォというノイズはこちらの方法が確実にカットしている印象です。

もともと高音ノイズには比較的強かったので、総合的なノイキャン効果はかなり高く、イヤホンのEarFun Air Pro 4と遜色ないレベルの消音力。

自分の手持ちの1万円以下のANCワイヤレスヘッドホンの中では現時点で(2024年12月現在)最高のANCかなと思います。

(参考:ノイズキャンセリングイヤホンのおすすめがわかるノイキャン強度比較表)
最強がわかる!ノイズキャンセリングイヤホンの強さ比較ランキング

ノイキャン
 
9/10

外音取り込み機能の評価

前作は外音取り込みモード時にヘッドホンをしていないときと比べてわずかに音量が落ちる印象でしたが、今作は逆に若干多めに外音を取り込む仕様。

人の声などはかなり明るい雰囲気になって聞き取りやすいです。

一方で空調の音なども少し強調したように取り込んでしまうところもあって、自然な聞こえ方という意味では前作のほうが違和感は少ないかもしれません。

ただ、人の声の聞き取りやすさは明らかにこちらの方が上です。

特に耳を傾けなくても自然と会話の聞き取りが可能なレベル。

優秀です。

外音取り込み
 
9/10

装着感評価

前作はとてもリッチな着け心地でしたが、今作はクッションが浅くなった分だけ耳に当てたときにヘッドホンの硬さを感じるようになりました。

ただ、前作の方が良かったというだけでTune Proの装着感が悪いというわけではありません。

ある程度長時間着けていても問題ないくらいなので比較的良好な着け心地と言えます。

装着感
 
8/10

マイク性能

かなり明るい感じの声になります。

聞き取りはしやすいですね。

ただ、風切音には弱い印象。

ガサガサとしたノイズが入ってしまうので強風時の使用には注意が必要です。

周囲の騒音は結構しっかりカットしてくれるので、ある程度煩い環境でも大丈夫そうです。

ノイズ処理中に声は多少劣化しますが聞き取れないほどではありませんでした。

通話品質 S・A・B・C・D

操作性評価

アプリで各ボタンの設定を変更できます

そのままで充分な使い勝手ですが、アプリで操作方法を好みに変更することも出来ます。

NCボタンの長押しにゲームモードを入れるのもアリでしょう。

前述の通り、電源ボタンとNCボタンが左右に分かれて押し間違いも無くなったので快適に操作できると思います。

操作性 S・A・B・C・D

専用アプリ【EarFun Audio】の主な機能

主な機能一覧

  • ノイズコントロール
  • イコライザー
  • ゲームモード
  • シアターモード
  • 操作方法のカスタマイズ
  • ファームウェアアップデート

ホーム画面

使って気付いた注意点まとめ

マルチポイントは割り込み不可

マルチポイントの挙動について。

Tune Proのマルチポイントは割り込み再生不可でした。

EarFun Tune Pro 総評

メイン機能評価

音質
 
7.8/10
ノイキャン
 
9/10
外音取り込み
 
9/10
装着感
 
8/10

使い勝手評価

操作性 S・A・B・C・D
便利機能 S・A・B・C・D
通話品質 S・A・B・C・D

総評:8.5/10

Tune ProとWave Proの違い・比較結果のまとめ

  • 連続再生時間大幅UP(80時間→120時間)
  • LDAC非対応に
  • ハードケース付属なし
  • ノイキャンはTune Proの方が効く
  • 低音がよく出るTune Pro、ボーカルが良く出るWave Pro
  • ビルドクオリティはWave Proの方が良い
  • イヤーパッドが厚い分、装着感もWave Proの方が良い

ノイキャンを重視したい方はまず間違いなくTune Proを選んだほうが良いです。

それくらい効き目は違います。

あとは音の好みに合わせて選べばどちらも基本的な部分はしっかり出来たヘッドホンなので満足度の高い買い物になるかなと思います。

今回は以上となります。

また次回のレビューでお会いしましょう。