Marshall MINOR IV | |
発売日 | 2024年6月14日 |
価格 (発売時) |
19,980円 |
連続再生時間 (単体/ケース込) |
7時間/30時間 |
コーデック | SBC/AAC/LC3(対応予定) |
ドライバー | 12mmダイナミックドライバー |
防水性能 | IPX4 |
Bluetooth Ver. | 5.3 |
機能 | マルチポイント・イコライザー・専用アプリ・急速充電(15分→3時間)・ワイヤレス充電 |
資料 | 公式サイト / 説明書 |
- 明瞭でバランスの良いサウンド。楽器の表現力が非常に高い。
- インナーイヤー型の特性を失うことなく低音もしっかり出る
- おしゃれアイテムとしても◎
- イヤホンケースからイヤホンを取り出しにくい
- センサーの感度が高く、1タップ目を誤タップしやすい
総合評価 |
|
9/10 |
---|
こんにちは、猫居です。
趣味で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)を集めています。
今回レビューするのはMarshallのTWS、MINOR IV。
そのおしゃれさと音質の良さで人気の高いMarshallですが、個人的にMarshallのインナーイヤー型のTWSは初。
ハイエンド機のMarshall Motif II A.N.C.(こちらはカナル型ですが)と比べて音はどのように違うのか、使い勝手はどうなのか。
チェックしていきたいと思います。
今回も先に総評を紹介します。
より詳細な内容は目次以降をご覧ください。
本レビューは国内正規代理店の完実電気さんよりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
(MINOR IV – Marshall │ 完実電気株式会社)
総評 |
9/10点 Marshallらしい明瞭感のあるバランスの良いサウンドで、楽器の表現力が相変わらず抜群に高いです。 |
||
音質 | 9/10 | 便利機能 | SABCD |
ノイキャン | -/10 | 携帯性 | SABCD |
外音取り込み | 9.5/10 | 操作性 | SABCD |
装着感 | 9/10 | 通話性能 | SABCD |
- Marshall MINOR IVとは
- Marshall MINOR IVの外観・付属品チェック
- Marshall MINOR IV 測定データ
- Marshall MINOR IV 詳細レビュー
- Marshall MINOR IV 総評
Marshall MINOR IVとは
https://marshall.kanjitsu.com/product/minor4/
『特徴』
マルチポイントにイコライザー、低遅延(LE Audio)とインナーイヤー型に欲しい機能は概ね揃っている印象です。
最近はインナーイヤー型でもノイズキャンセリングを搭載したものがちらほら出てきていますが、どれもカナル型に比べれば弱めの効果なのでノイキャンは必須の機能ではないと個人的には思います。
便利機能 | S・A・B・C・D |
---|
Marshall MINOR IVの外観・付属品チェック
イヤホン本体
タッチセンサー式。
Marshallらしいおしゃれなデザイン。兄弟機のMotif II A.N.C.と比べるとスティック部分が少し長めになっています。
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
⇠⇠⇠
イヤホンケース
15分の充電で3時間再生可能なクイックチャージ機能を搭載。
ワイヤレス充電も可能です。
シボ加工されており、指紋や傷が気にならないのが◎。
ケースは兄弟機Motif II A.N.C.が横長なのに対して、MINOR Ⅳは縦長なデザインとなっています。
MOTIFはしっとりとしたラバーのような触り心地で、MINORはすべすべした感触。
重さもMOTIFの方があるので、重厚感があるといいますか、高級感は見た目以上にMOTIFの方があります。
少し気になるのがケースからイヤホンを取り出しにくい点。
イヤホンケースに収納されたイヤホンをつまむ部分が少なく、イヤホン自体もつるっとしているため滑りやすいです。
半端に掴んで落とさないように気をつけましょう。(自分は開封後しょっぱなで落っことしました)
【画像5枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
⇠⇠⇠
外箱・付属品
付属品リスト
- 充電用 USB Type-C ケーブル
- ユーザーガイド
Marshall MINOR IV 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:55.1mm 横:50.5mm 高さ:24.3mm 三辺合計:129.9mm |
重さ | イヤホン:4.3g ケース:38.7g |
とてもコンパクトなイヤホンケースです。
Motif II A.N.C.(136.7mm/47.2g)より小さくて軽め。
イヤホンはサイズ感は標準的ながら重量はやや軽めとなっています。
携帯性 | S・A・B・C・D |
---|
(参考:小さい順|完全ワイヤレスイヤホン・イヤホンケースサイズ比較表)
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 270ms(SBC) 311ms(AAC) |
311ms(AAC) |
低遅延時 | - | - |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時21msの遅延を観測します。
結果から-21msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時(SBC)の最小遅延=約0.270秒
- iPhone接続時(AAC)の最小遅延=約0.311秒
Android、iPhone共にYoutubeやNetflixなどのアプリ側で遅延を補正してくれるものは動画視聴も問題ありませんが、ゲームは厳しいでしょう。
ゲームモードも無いため、低遅延での運用はLE Audioの実装待ちという形になります。
イヤーピース一体型イヤホンカバーが一応入る
インナーイヤー型イヤホンをカナル型のようにするエレコムのEarPods用イヤホンカバー(Amazonリンク)が一応装着できました。
インナーイヤー型でも安定した装着感と低音増強効果が得られるアイテムですが、ケースには収まらなかったので都度つけ外しする必要はあります。
装着感が合わない時、スポーツ等で使いたい時などに使えそうです。
Marshall MINOR IV 詳細レビュー
音質評価:インナーイヤー型でもMarshallらしさ全開
クール系でバランスの取れたサウンドだと思います。
過度な強調感の無い自然な音の出とインナーイヤー型らしい音場の広さ・抜けの良さが相まってとても心地良いリスニングが出来るイヤホンです。
Marshallイヤホンの中ではやや重心が下寄りかなと感じましたが、インナーイヤー型でもMarshallらしく楽器の表現力は◎。
低音はインナーイヤー型とは思えないほど迫力があります。
最近はインナーイヤー型TWSでも低音がよく出るものが増えてきましたが、音が真ん中に集まりすぎて少し聴き疲れしやすく感じたりする場合もあります。
しかし、MINOR IVはインナーイヤー型らしい抜け感を維持しつつ低音もしっかりと出る印象です。
高音域の見通しの良さもずいぶん違います。
この辺が下の価格帯のインナーイヤー型TWSとは明らかに違うところですね。
兄弟機でハイエンドTWSのMotif II A.N.C.と聴き比べるとどうでしょう。
値段の差が1万円ほどありますが、音質に関して言えば実力はかなり近いように感じます。
ボーカル表現は互角くらい。どちらもリアリティを感じられるクリアなボーカルで、ポジション的には一歩前に出たくらいの位置取り。
ただ、Motif II A.N.C.のほうがカナル型な分、低音により締まりと深みがあります。
高音も芯がよりしっかりと感じられ明瞭です。
しかし、MINOR IVにはインナーイヤー型特有の抜けの良さがあるので、オーケストラやライブ音源はMINOR IVのほうが気持ちよく聴けると感じました。
総合的にみて2万円以下で買える完全ワイヤレスイヤホンの中では現状トップクラスに高音質なイヤホンだと思います。
アプリを通してカスタムイコライザーと4種類のプリセットが利用できます
音質 |
|
9/10 |
---|
外音の取り込み具合:小音量で“ながら聴き”可
機能としての外音取り込み機能はありませんが、耳穴を塞がないインナーイヤー型なので自然と外音を取り込めます。
音量を抑えれば“ながら聴き”も可能。
BGM的に音楽をかけながらニュースをみたり、周囲の音に気を配りながらジョギングしたりと色々な“ながら”作業に使えます。
外音取り込み |
|
9.5/10 |
---|
装着感評価:軽い装着感もサイズには注意
装着時の見た目
インナーイヤー型らしい軽い着け心地です。
長時間着けっぱなしにしていても耳が疲れません。
カナル型の圧迫感が苦手な方には貴重な選択肢となるでしょう。
ただ、インナーイヤー型としては結構大きめ。
↓は以前の別のインナーイヤー型イヤホンのレビューで使用した画像です。
1番小さいSOUNDPEATS Air3 Deluxe HSとMINOR IVを比較。
体感的にもAir3 Deluxe HSはもう1段階上の装着感の軽さ。
MINOR IVでも自分には問題のないサイズ感でしたし、むしろちょうどいい感じにハマってちょっとやそっとの動きでは外れない安定感があるのですが、耳の小さい方にはきつく感じる場合もあるかもです。
装着感 |
|
9/10 |
---|
マイク性能・通話品質:風切音にかなり強い
自然でクリアな音声です。
静かなところでは快適に通話が可能でした。
風切音にも強く、多少の風では全く音声が乱れることが有りませんでした。
ただ、騒音には弱めです。
周囲の騒音をカットすると同時に自分の声もスポイルされてしまい、聞き取りにくい状態となってしまいました。
煩いところでの使用は避けたほうが良さそうです。
通話品質 | S・A・B・C・D |
---|
操作方法と操作性評価:誤タップに注意
標準・ミニ・オフの3パターンを選択可能
ミニにすると誤タップしやすい1クリック目が無効になります
L側 | R側 | |
1タップ | 再生/停止 | 再生/停止 |
2タップ | 曲送り | 曲送り |
3タップ | 曲戻し | 曲戻し |
長押し (カスタマイズ可) |
音量↓ | 音量↑ |
基本的な操作はイヤホンからすべて操作可能です。
長押し操作のみアプリから操作方法をカスタマイズ出来ます。
イコライザーを設定することもできますが、個人的には音量調整は外したくないのでデフォルトのまま運用しています。
注意点
センサーの感度が高いためか、1タップ目の再生/停止を誤タップしやすいです。
特に装着時に起きやすいので、スティック部分を持って着脱するようにすると安定します。
操作性 | S・A・B・C・D |
---|
専用アプリ【Marshall Bluetooth】の主な機能
主な機能一覧
- イコライザー
- 操作カスタマイズ
- 装着検出のON/OFF
- バッテリー保護機能*1
- ファームウェアアップデート
ホーム画面
*1 バッテリー保護機能
電池寿命の伸ばすため、最大充電量や充電スピードに制限をつけることができます。
マルチポイントの挙動について
MINOR IVのマルチポイントはは割り込み可能でした。
使って気付いた注意点まとめ
イヤホンケースからイヤホンを取り出す時は要注意
イヤホンケースに収納されたイヤホンをつまむ部分が少なく、イヤホン自体もつるっとしているため滑りやすいです。
半端に掴んで落とさないように気をつけましょう。
再生/停止を誤タップしやすい
装着時に1タップ目の再生/停止を誤タップしやすいです。
スティック部分を持って着脱するようにすると防げます。
インナーイヤー型としてはやや大きめなサイズ
程よい大きさが装着感の安定感にもつながっていますが、耳が小さい人には窮屈に感じる可能性があります。
Marshall MINOR IV 総評
メイン機能評価
音質 |
|
9/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
-/10 |
外音取り込み |
|
9.5/10 |
装着感 |
|
9/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評:9/10
MINOR IVはインナーイヤー型でもMarshallらしい特性を備えた高音質イヤホンでした。
音場の広さや音抜けの良さもあってオーケストラやライブ音源が非常に心地良く聴けます。
イヤホンが取り出しにくい・誤タップしやすい等、基本の部分で少し扱いにくさはあるのですが、扱い方に注意と工夫をすればさほど問題にはならない程度。
インナーイヤー型でもノイキャン付きの全部入りがちらほら出てきている昨今では機能も割とシンプルではありますが、最初の方で述べたようにインナーイヤー型のノイズキャンセリングはそれほど強力では無いのでノイズキャンセリングが無いことがマイナスにはならないと思います。
おしゃれで高音質なインナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホンとしておすすめです。
(ただしインナーイヤー型としては結構大きめサイズなので耳の小さい人は要注意)
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。